LIVE PARADEとは何だったのか②~アーティスト水樹奈々のMon Panache!~
Mの世界で水樹奈々自身が語っていたことだが、LIVE PARADEは
コロナ禍から日常を取り戻す過程を表現するため、最初はダークトーン最後は晴れやかな楽曲となるよう意識した。前半は、自分自身を鼓舞する曲が多く、後半は未来へ向かう明るい曲を配置している。これは明けない夜はないというメッセージが含まれているということ。
構成は、ナイトパレード(これは「Welcom to the Black Parade」だと思う)から夜明けが来て、デイパレードに続くということ。
また、パレードの印象について、明るいイメージ笑顔だけでなく野球優勝パレードのような晴れやかな凱旋パレード、ロイヤルな雰囲気の厳かなパレード、夜のエレクトリカルパレード、悪者たちが蠢くパレードを上げている。
デイパレード(ダンスパート)
MCのあと、衣装を変えてダンス曲へ突入する。彼女にとってのPARADEのイメージとしてダンスがあるのだろう。華麗なダンサーたちによるパフォーマンスがデイパレードの開始を告げる。ダンスパートはメッセージ性が強い曲とPARADEをイメージした曲が選曲されていると思う。
④still in the groove
still in the grooveから見てみよう。本曲は極めて主張が強い曲である。
歌詞の意味は「レコードの溝」。ここまで、水樹奈々自身の熱い思いを乗せていたが、ここに落とし穴がある。全力全開でぶっ飛ばすことにストップがかかる。
作詞矢吹俊郎の皮肉の効いた言い回しである。声優のパイオニアたる地位へ、スターダムを一気に駈け上ってきた水樹奈々に対して、それがimitation(偽物)ではないかと問いかける。それは、発売当時、矢吹は想像すらできなかったと思うが。
様々な偉業を成し遂げてきた水樹奈々にとっても、コロナ後の今この瞬間のライブ、声出し解禁ライブ対して、楽しみと同時に不安があったと思う。そんな状況において、過去の栄光からの自信やプライドなど取るに足らないものである歌詞は問いかける。
むしろ、そういった結果ではなく、今までたどってきたプロセスを振り返るべきだと説く。彼女自身成功ばかりではなく、失敗や後悔、挫折など数々の苦難を体験したと思う。それを振り返るのは辛く苦しい、自らの失敗などを直視しなければならないからである。しかし、それらが今の自分を作っているのであり、それを受け止めることは自分自身を肯定する行為であり、真の自信はその行為からしか生まれないのである。
「FIRE SCREAM」でがむしゃらに美しく歌うことを決意したが、次の曲でそれでは見落としがあると真っ向から否定するのである。その上、それはとても重要なものであり、明言はされていない。しかし、彼女はこれを見つけたと思う。コロナ禍でライブなどが中止という回り道をする中で自分自身の大切ものを見つけたのである。それは、今後のセットリストで明かされていく。
⑤Love Fight/Faith
⑤Love Fight/Faith
Love Fightは、前曲から一転して観客との対話の曲、戦いというものにPARADEのイメージあったのだろう。一方Faithは、ゴリゴリの主張の強い曲。
今回のライブでの彼女の意気込みを表現している。今までのライブで積み上げてきたものを全てぶつける。実際、歌以外にも背景の映像やライトなどの演出にいたるまで、今回のライブは彼女「たち」が積み上げてきたものが投入されている。
そして、彼女たちの想いをライブを通して感じて欲しいと願う。
⑥Gimmck Game
ダンスパート最後の曲。おそらく、PARADEのイメージとしてGameがあったため選曲されたのではないかと思われる。
チェリボ紹介
チェリボパート恒例の坂本龍太さんの歌唱である。歌詞は記憶が正確ではないが、以下の通りである
「暗黒を飛び続ける、様々な奇跡を起こしつつ、飛び続ける。我らがティーバーを魅惑のPARADEにお連れするため、体を張って守る。それが我らのミッション」
チェリーボーイは、飛行艇の機長である水樹奈々をPARADEにお連れするクルー的な立ち位置。コロナ禍でも、RUNNER、HOME、HEROESとライブを実施し、その度に進化を遂げ新たな景色をみせてくれる彼女を声出し解禁というお祭り騒ぎのPARADEへお連れするという今回の立ち位置を明確に表現している。
デイパレードのクライマックス
チェリボコーナーが終了後のパート、ここはなのは曲メインでメッセージ性が強い曲というより、デイパレードのクライマックスへ向かって盛り上がりが最高潮となっていく曲が配置されていく。
⑦Get up Shout!
前半の選曲の基準の「自らを鼓舞する曲」として、これほど直接的な曲はないと思う。クライマックスへ向かって気持ちを高める。
自ら及び観客に向けた曲である。コロナ禍で日常が奪われても、自らの大切なものを守り抜け。そう語りかける。彼女にとっては歌うことである。そして、コロナ禍という状況において絶望するのではなく、この状況を契機として、新たな強さを手に入れ強くなる。そうすることで、コロナ禍を乗り越えた時には新たな景色が見える。題名の通り立ち上がれ!そして叫べ!
⑧Silent bible/Scared Force/Massive wonder
HEROESでセトリに入っていなかったなのは曲。ここでもHEROESとのつながりを意識していれたのだろう。
⑨Eternal Blaze
デイパレードのファイナルを飾るのは、もちろん彼女の代表曲であるエタブレである。PARADEといえば炎というイメージももちろんあるが、盛り上がりが最高潮となる曲、この曲によって、彼女と観客が飛びコール&レスポンスする会場が一体となる。デイパレードのフィナーレにふさわしい曲である。
ナイトパレード
デイパレードが燃え上がるほどの熱い雰囲気であるとするなら、ナイトパレードはしっとりした落ち着いた雰囲気で進んでいく。曲も先ほどまでと違い、バラードなどで構成されている。
⑩Crescet Child/Song Communication/夏恋模様/Love Brick/Violetta/哀愁トワイライト
ここは企画パートで、チェリボによるアコースティックアレンジ。テーマは夏に関するもの、パレードに関するものへのアレンジ。
夏に関するパートはCrescent Child、夏恋模様、哀愁トワイライト。パレードに関するパートはSong communication、Love Brick、Violetta。どの曲も落ち着いた雰囲気でナイトパレードの始まりを意識させる構成。
⑪Sweet Dealer
「Dealer」とはカードの配り役、親という意味。PARADEのゲームという印象から選曲したのではないだろうか。デイパレードのGimmck Gameと対をなす曲。
歌詞は、デイパレードのカッコイイな水樹奈々とは異なる、様々な水樹奈々に注目して欲しいとの気持ちが表されている。ライブに参加した人は、共感してくれると思うが、ここでの衣装はめっちゃ可愛いのですよ。
⑫恋想花火
デイパレードをフィナーレを飾るのは花火ということだろう。祭りの終わり、イベントの終わりを明確に意識させる曲。恋想花火はパレードの本質と願いを表現している。この曲はミラーボールを使った演出や背景の線香花火や打上花火の映像など、端的にHEROESなどコロナ禍のライブでレベルアップした歌を盛り上げる総合力を遺憾なく発揮されている。そして、歌が終わると扉が閉まり、ナイトパレードが終わる。
パレードとは一時のイベントであり、儚いものである。LIVE PARADEもいずれ終わり、二度と戻ってこない。同様に水樹奈々というアーティストもいずれ終わりが来る。もっと言えば、水樹奈々のファンを辞めてしまうかもしれい。そんな観客に対し、LIVE PARADEをふと一瞬でも思い出してもらえるようなそんなイベントにしたい。楽しかった、終わるのが切ない、そうした思いを残すような夏のひと時を送りたいという彼女の想いが込められた楽曲ではないだろうか。
そんな思いと共に、ナイトパレードの幕が降りる。
ここから下は次回考えていること
サーチライト
恋想花火が終わり、次の幕が上がる場面。ブリッジムービーで、コロナ禍からの復活、新たな日々ステージの始まりを告げる。
revesrse day ここから始まる。新たな未来
エレクトリカルパレードの開始。
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