先人の知恵の「瓦屋根」!実は地震や台風に弱い?
瓦屋根には「高い耐久性」「見た目の良さ」「断熱性と遮音性に優れる」など、多くのメリットがある反面、地震や台風に弱いといわれています。
さて、自然災害が多く発生する日本の先人たちは瓦屋根をどのように考え、現在まで受け継いできたのでしょうか?
瓦は茅葺屋根と比べると重量のある素材です。
現在のように耐震構造が完全でない昔の建物は、地震で建物が揺れたときに柱などにかかる負担が軽くなるよう、瓦が落ちやすくなっているといわれています。
大きな地震で屋根の被害が出ているのは、実は、こういった昔の工法の知恵だったのです。
現在では過去の震災などを経験して、住宅の耐震基準が定められ、瓦も落ちたりズレたりしにくいものになっていますので、瓦だからといって心配する必要はありません。
実は、瓦屋根には多くのメリットがあります。
1.耐久性が高く塗装メンテナンス不要
2.デザイン性に優れている
3.断熱性と遮音性が高く家の中が快適
瓦屋根は約1000℃以上の高温で焼き上げるため、強度と耐久性の高さが最大のメリットと言えます。
ひび割れも起きにくく、粘土瓦の耐用年数は50年以上といわれ、塗装やメンテナンスの必要がないので、トータルコストが安くなる点も見逃せません。
瓦屋根の重厚感あふれる外観は、古風な家のイメージが強いと感じられるのですが、最近では、色や形状の種類が豊富にあり、和風と洋風のどちらの家として表現が可能となっています。
逆に、家の個性を出すためのポイントの一つとして、バリエーションの多い瓦屋根を選択するのも良い方法と言えます。
そのほかにも瓦屋根のメリットは、断熱性と遮音性の高さふが上げられます。
ご存じのように瓦は、屋根の下地との間に空気層ができるような工法で設置されています。
この空気層があるため、瓦から屋根に対して熱や音がダイレクトに伝わらない構造となっているので、夏は涼しく、冬は暖かいのです。
また雨の音も気にならず、1年を通して快適に過ごせるのも特徴です。
現在では、災害に強い軽量防災瓦というものも出現しています。
耐久性が高くメンテナンスが不要、デザイン性、断熱性と遮音性に優れた瓦の魅力を引き継ぎつつ、防災性を高めたのが軽量防災瓦です。
軽量かつ特殊な工法で固定されるため、地震に強く台風にも飛ばされにくい傾向があります。
このように、古から伝えられてきた瓦屋根には多くのメリットがあり、また現在の技術の進歩により、それを更に良い物へと改良していく日本人の知恵には関心してしまいますね。