羽田空港事故から2つの教訓!「ヒト」のミスとあるべき安全システムの観点から分析する
新年早々不幸な災害、事故が続いており、感じていることをnoteに書き綴ってきましたが、今回は羽田空港のJAL機と海上保安庁機の衝突事故について安全システムの観点から分析してみます。
情報はテレビやネットから得たもので、必ずしも十分ではありませんが、奇跡的に全員の乗客が機内から脱出できた点と、海保機が誤って滑走路に侵入したという、この2つの事象についてコメントしたいと思います。
まず、全員が脱出できた点ですが、これはCA(客室乗務員)の功績が大きいと思います。
テレビニュースでは、「年1回の避難脱出訓練が行き届いていたから」との説明がなされていますが、たかだか年1回のマニュアルに従って訓練を行っただけでは、危機せまる状態で多くの判断を必要とし、瞬時に数少ない安全避難のルートの判断を行わなければならず、このような見事な脱出誘導は実現不可能と考えられます。
単に運が良かっただけではなく、客室乗務員の、航空機に関する知識、気候条件の判断、事故発生状況の判断、パニックコントロールなど、「プロ」としての知見を十分に発揮したことにより、素早い判断と行動が可能となったと考えられます。
これは、日本人として世界に誇れるヒトの力「熟練技」を示していると考えられますが、人の力だけに頼らず、事故発生の検知と、避難行動を指示するハードおよびソフトからなるシステムとして考えた場合、大いに改善する余地があるのではないかと考えられます。
例えば、AIによる状況判断、安全な避難口の確保、避難誘導などをシステム化しておけば、まかり間違って、火災の発生している個所の避難口を開放するなどの間違いは起きないと考えられます。
今回、犠牲は最小限に抑えられましたが、次も同じようにうまくいくとは限りません。
このような安全システムは、一朝一夕に構築することは難しいとは思いますが、官民挙げてぜひ実現して頂きたい内容だと思います。
次に、海保機が誤って滑走路に侵入し、JAL機と衝突した件についてですが、これも「ヒト」の能力に大いに関係する出来事と捉えられます。
そもそも、無線交信でのやり取りで、混雑する空港の管制を行っている限り勘違い、聞き漏れなどの人的ミスは「ゼロ」に抑えることはできません。
熟練者であっても、1,000回に1回はミスを起こすとされており、そのミスをいかに回避するか、様々な対策が講じられています。
多くの機械化された安全システムが稼働している中、機長と管制官のやり取りが、今だ無線で行われていること自体、信じがたいことではないでしょうか?
専門家ではないので軽はずみなことは言えませんが、AIが発達してヒトの能力をはるかに超えると言われている時代、早急に安全システムの確立を行って頂きたいと思います。
例えば、着陸態勢に入った航空機があるならば、鉄道の信号機、遮断機のようなもので、進入できないようにすることができないのでしょうか?
一応、「滑走路状態表示システム」があることになっていますが、このシステムには欠陥があるのではないですか?だったら早急に改善が必要ですね。
この改善を怠っていること自体が問題であり、一管制官、一機長のミスだけでは済まされない大問題です。
ヒトの能力は素晴らしい、しかし必ずミスをするという欠点があり、そのことを十分に考慮した新しい安全システムを早急に構築して頂きたいと思います。