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Namtan-Film「Pluto Series: 愛と星の物語」を通じてインスピレーションを生み出し、社会にポジティブな影響を与える

はじめに

SD Perspectives.comNamtanFilmのインタビュー記事翻訳です。

このインタビュー記事の翻訳・掲載を許可してくださったSD Perspectivesチームに感謝申し上げます。
なお、本インタビュー記事および写真の著作権はSD Perspectivesチームに帰属します。

2025年1月27日ーー「Pluto Series: 愛と星の物語」は単なるエンターテインメントではありません。この作品は社会問題を提起し、実際に変化を生み出し、ポジティブな影響を広めています。GMMTVの主演俳優であるNamtanと Filmが、シリーズを通じて未来の社会に伝えたいアイデアとポジティブなインスピレーションを語りました。

Namtan-Tipnaree WeerawatnodomとFilm-Rachanun Mahawanの2人は、「Pluto Series: 愛と星の物語」の主演俳優として、サステナブルメディア「SDPerspectives.com」の編集チームと、社会に与えるポジティブな影響について意見交換を行いました。

ユニバーサルデザインの存在:脚本を読んだときの最初の感想

「Plutoの脚本を読んでユニバーサルデザインの問題に触れたとき、最初に浮かんだ言葉は『すごい!』でした。」Filmは情熱を込めて語り始めました。

「このテーマに触れたとき、私が役を通じて社会に何か良い影響を与えられるかもしれないと強く感じました。俳優として、こうした社会的なテーマを扱う作品に携われるのは特別なことだと感じました。これは単に愛や欲、怒りや迷いを描くだけじゃなく、社会に対して影響を与える作品なんだと気づいたんです。」

また、Filmは「この役を演じなければ、ユニバーサルデザインという概念を知ることはなかったかもしれません」とも話します。

「これはもっと多くの人にも知ってもらい、理解されるべき価値があることです。」

「ユニバーサルデザインや障害のある方々の生活に焦点を当てたことが、Plutoを他の作品とは一線を画す、魅力的なものにしています。」Namtanもそう付け加えます。

「この作品を通して、私たちは今まで知らなかった世界を知ることができました。最初に脚本を読んだとき、私も『ユニバーサルデザインって何だろう?』と思いました。」

Namtanは、視覚障害のあるP’Toffeeとのワークショップに参加した経験についても語りました。
「この経験が大きな転機となり、二人にとって「障害のある人々の生活は、基本的には普通の生活と変わらないけれど、環境が整っていないことでより多くの困難に直面しているのだ」と理解するきっかけになったと話します。

「Ep2の撮影中に、点字ブロックの上に障害物があったり、突き出た看板が視覚障害者にとって危険であることを目の当たりにしました。そのとき、『こういうことに気づかなければ、私たちは彼らの生活を理解することはなかった』と実感しました。」

二人の主演俳優は、Plutoが単なるエンターテインメントではなく、ユニバーサルデザインや障害のある人々の生活についての意識を高める大切な機会であることを強く語ります。

「Plutoを通して、この物語を多くの人に届けることができて本当に感謝しています。この作品が、人々が理解を深め、社会を変えていくきっかけになりますように。」と感謝の意を述べました。

物語から変化へ:標識の基準を向上させる

「シリーズが公開されてから、視覚障害者の生活改善を目的とした標識の変更など、予想を超える速さで、良い影響が広がっていきました。」とFilmは興奮気味に語ります。

「これは視聴者の皆さんのおかげです。視聴者の関心がなければ、Plutoがここまで社会に変化をもたらすことはなかったと思います。私たちは作品を通して何を伝えたいのか、どう社会を変えていきたいのかを考えながら演じていました。でも、それを大きな波として広げ、社会に問題を理解させ、気づきを生み出してくれたのは視聴者の皆さんなんです。」とNamtanは続けます。

2人はまた、標識基準に関する問題を是正するために動いた関係機関にも感謝の意を述べました。

「一番大切なのは、“現在”と“未来”をどうしていくかです。」Namtanはそう強く語ります。
「過去の失敗は誰にでも起こり得るものです。私たち自身も過去に失敗をしてきたかもしれません。でも、本当に大切なのは現在。そして、社会がどう協力し合って問題を改善し、より住みやすい環境を作っていくか、それが重要だと思います。」

このシリーズは単なるエンターテインメントの枠を超え、アートが社会変革を促す強力な手段であることを証明しています。

「集団の力があれば、本当の変化を生み出せる」——Plutoはその確かな例となりました。

エンターテインメントシリーズの役割:新世代の未来への架け橋

「私にとって、芸術は人々をより生き生きとさせるものです。それは愛や怒り、あるいは憎しみといった感情を呼び起こし、時には社会的なつながりや共感を生み出す力もあります。」

Namtanは、芸術が人間の人生にとってどれほど重要かを語り始めました。

「芸術には良い面もあれば悪い面もある。それをどう受け取るかによるけれど、私にとって芸術は世界中の人々を癒せるものです。」

FilmもNamtanの考えに賛同し、こう付け加えました。

「芸術は、Filmにとってとても大切なものです。だからこそ、どうすればこの情熱を社会のために役立てられるのかを考えています。俳優としてPlutoに関わる中で、舞台芸術が社会を動かす力を持っていることを実感しました。私たちが良いものを次の世代へ伝えていく方法を見つけたような気がします。」

一方で、バンコクのサステナビリティ担当者も、Plutoシリーズを「一つの物語であり、一つの輝く存在であり、一つの愛の物語である」と表現し、この作品が社会に変化をもたらすメディアとしての力を持っていると評価しています。

「エンターテインメントシリーズは、人々の心に届きやすく、特に未来を担う新世代にとって重要な存在です。」とNamtanは続けまます。

「タイのエンターテインメント業界は、観客にメッセージを届けるために努力を重ねています。そして今、より多くの団体がエンターテインメント業界の価値を認め、支援し始めています。一番大切なのは、私たちの作品を観てくれるすべての視聴者です。タイのエンターテインメントは、ただの娯楽ではなく、世代を超えてメッセージを伝える手段になりつつあります。

俳優として、Namtanは芸術を通じて物語を伝えることで、視聴者にその良し悪しを考えさせ、学びを得てもらうことができると信じています。ドラマを通じてメッセージを伝えることで、視聴者がより深く理解し、学ぶきっかけを作れるのです。」

FilmもNamtanの言葉に共感し、こう語りました。

「私たちの仕事が、『エンターテインメント』という言葉の意味を、単なる娯楽以上のものに変えられることがとても誇らしいです。これまで以上に、観る人が感動し、何か深いものを感じ取れるような作品を届けたいと思います。」

俳優たちがもたらすポジティブな影響:NamtanFilmからの視点と課題

NamtanとFilmは、ファンからのフィードバックを見て感じたことを語りました。
「これまでタイドラマに興味がなかったけれど、Plutoを観たことで人生がより意味のあるものになった」
そんなコメントを読んだときの喜びをNamtanはこう表現しました。
「私たちにとっても、シリーズを観てくれる人やエンタメ業界を追いかける人にとっても、本当に励みになります。」

『タイ国内外の視聴者やファンから応援される“社会の一員”として、どのような課題を感じているか?』と問われると、Namtanはこう答えました。

「俳優の仕事は、演技を磨き、成長し続けること。でも、社会の一員であるからこそ、自分たちが専門とする“演劇”を通して、良いものを届ける機会があるのだと思います。」

Namtanは、将来の夢についても話します。「俳優という仕事以外にも、私は“演技の先生”になりたいんです。演劇は私が愛し、長く関わってきたものだから。たとえ30年後も、演劇は私たちの人生の一部であり続けるでしょう。だからこそ、若者が成長して大人になる過程で、自分の感情を理解し、他者への共感を持てるような教育を届けることができたら、社会の役に立てるのではないかと思います。」

「Namtanが俳優として得たのは、キャラクターの感情を表現する能力だけではありません。芸術は自らを癒すものでもあるのです。」

演劇が心を癒すツールになり得ると考えた彼女は、もし機会があれば、Gen AlphaやGen Betaの世代に演劇を教えたいと語りました。

「修士課程で学んだことのひとつに、『教師こそが変わらなければならない』という考えがあります。若者を理解し、彼らが自分自身を知り、他者を理解できるように導くことが大切なのです。」

また、アートを通じた心のケアにも関心を持っており、アートセラピーについてもっと学びたいし、もし機会があれば、ワークショップや創作ドラマの形で、地域や組織でアートを通じた癒しの活動をしたい。 と、今後の目標を語りました。

Filmもまた、自分の経験についてこう語りました。
「私自身は小さな存在かもしれないけれど、自分なりに“良いもの”を共有できると思っています。」

実はFilmも、かつて美術教師になることを考えていた時期があったそうです。
「絵を描くことは、集中力を養い、心を癒す力があると思っています。」
そして、NamtanとFilmの2人は、いつか一緒に何かを創り上げる可能性についても触れました。
「もしかしたら将来、私たちの得意なことや好きなことを生かして、一緒に何かできるかもしれません。」NamtanとFilmは、そう口を揃えて微笑みました。
そして、Filmは最後にこう付け加えました。

「でもまずは、P’Namtanの生徒になりたい!」

Pluto Series:愛と星の物語:一時的なトレンドか、それとも意識や考え方の変革か

Filmにとって、Plutoは単なる流行で終わるものではありません。

「私はこれを“基準”にしたいんです。」

このシリーズが社会に新たな視点をもたらし、特にユニバーサルデザインという概念が、もっと多くの人にとって当たり前のものになってほしいとFilmは願います。そして、Namtanはこう付け加えました。

「Plutoは、多くの人に観てもらい、メディアを通じた作品作りにはより緻密さと高いクオリティが求められることを改めて認識してもらえる作品になると思います。なぜなら、今の視聴者はメディアを賢く消費し、細かく分析する力を持っています。そのため、質の高い作品を作り、細部までこだわることで、Plutoは“ひとつの基準”となるでしょう。」

『Plutoは一時的なトレンドで終わるのか?』

Namtanはこの問いに対し、こう答えました。

「世の中に生まれるトレンドは、長く続くものもあれば、そうでないものもあります。でも、Plutoに残るのは“価値”です。」

彼女は『ハリー・ポッター』を例に挙げました。

「一つのトレンドが過ぎ去ったとしても、その作品が影響を与え、当時の人々にインスピレーションを与えたことに価値があります。Plutoも同じです。その時代において、Plutoは“共有された価値”を生み出しました。それが永遠である必要はなく、その時々の社会の変化やトレンドの中で、Plutoが機能し、社会を変える役割を果たせば、それで十分なのです。私にとって、Plutoが社会に何かしらの変化をもたらすこと自体に大きな意味があります。たとえトレンドが過ぎ去ったとしても、Plutoがほんの少しでも社会に貢献し、障がいを持つ人々の生活を本当に変えることができたなら、それはとても意義があり、持続可能な変化だと思います。」

俳優たちの目に映るジェンダー平等 : 役柄とSDGs5のつながり

Filmは、Plutoシリーズで演じた役について自身の視点から語り始めました。
「Plutoの始まりから今日まで、私はずっと『これは社会にとって普通のことであるべきだ』と思っています。でも、まだ理解に苦しむ人々もいるかもしれません。
だからこそ、『Girl Rules: The Main Rule… Don’t Love Her』のような作品で役を演じることができるのは良いことです。この作品は、愛をより深く理解するためのもうひとつの推進力になると考えています。」

Filmはこう語ります。「性別にとらわれない愛のあり方が、社会において真に受け入れられ、理解されるべきだと信じています。」

Namtanも語ります。「私にとって、LGBTQIA+コミュニティの友人や人々と関わることはずっと自然なことでした。改めて、『Pluto』で役を演じたことで、どんな愛も平等に受け入れられるべきだという思いを再確認しました。

Plutoのようなシリーズで扱ったテーマは、ユニバーサルデザインや障がい者の生活、さらには “プリンセス同士の愛”という重要な要素でした。これを通じて、『どんな形の愛も社会で受け入れられるべきだ』と改めて感じました。」

Namtanはさらに、女性同士の愛を描いた別の作品『Girl Rules』について触れ、「これもまた、社会にメッセージを届けるための重要な一歩です」と語りました。

「私たちは、愛についての誤解を解き、すべての愛が尊重されるべきだと伝え続けることが大切だと思っています。すべての人が人生のあらゆる面で平等な権利を持つことは、とても素晴らしいことです。この問題は、ただ誰かを愛すること以上に、社会の中で“平等に生きる”ということが重要なのです。私たちの国がこの問題に向き合い始めたことはとても良いことです。そして、『Girl Rules: Don’t Love Her』という新たなシリーズを通じて、私たちも社会に意味のあるメッセージを届けることができればと思います。Filmが言ったように、まだ女性同士の愛を自然に受け入れられない人もいるかもしれません。でも、私たちは誰にも『見慣れてほしい』わけではないのです。私たちが望むのは、『理解すること』です。人間同士の愛を理解すること、それこそが最も伝えたいことです。」

「愛は決して一方的な視点で語られるものではなく、すべての人が平等に持つべき“権利”だから」

これこそが、NamtanとFilmが信じ、俳優として演じる役やさまざまな作品を通じて伝えたいと願っていることなのです。

婚姻平等法:「Pluto Series: 愛と星の物語」主演俳優からの心温まるメッセージ

「Pluto Series: 愛と星の物語」主演俳優Filmは、婚姻平等法が成立したことについて、次のようにコメントしました。

「これはとても素晴らしいことです」とFilmは語り、さらにこう続けます。「世界にはたくさんのルールがありますが、その中でもっとも重要なのは『人間の価値』を尊重することだと思います。私もP'Namtanの言葉に全く同感です。」

「人間の定義を制限するものは何もありません。私たちは皆、人生のあらゆる面で受け入れられ、平等に扱われるべきです」Namtanも自信を持ってこう続けます。

「この世界にはたくさんのルールがありますが、最も重要なルールは『人間の価値』です。それには何の制限もなく、どんな愛であるべきかを区別するものではありません。」

「今日、世界は変わりました。愛は常に美しく、芸術的であり、そこに正しいも間違いもありません。愛は性別を超え、多様で価値のあるものです」

「愛というものは、どんな形であれ、その多様性が人々に意味を与えます。この法案が成立したことは、私たちの社会が一歩前進した証拠です。この法律は、タイ経済と社会をより良い方向へと導くでしょう。 私としては、社会がこのように変化することをとても嬉しく思います。」

結婚するみんなを祝福しながらNamtanは笑顔で話します。
「友人たち、先輩たち、そして後輩たちまでもが、このような機会に恵まれる。 とても幸せで温かい気持ちになります。」

まとめ

「Pluto Series: 愛と星の物語」は、単なるエンターテインメント作品ではありません。それは家族や友情、ジェンダー平等、ユニバーサルデザインの向上といった深い社会問題を反映し、NamtanやFilmのような俳優たちがその役を通じてポジティブな影響を生み出す作品です。このシリーズは、境界のない愛と理解の概念を反映しています。

「Pluto Series: 愛と星の物語」 を通じたストーリーテリングは、新しい世代の心を未来へとつなぎ、思想的・社会的な変革への扉を開く架け橋となりました。特にSDGsの支援や婚姻平等といった、すべての人に平等な権利があるべき世界での正義と団結の精神を反映しています。

これはまさに、ひとつのムーブメントなのです!

©SD Perspectives

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