シン【ソウサクの中毒⇔中毒のソウサク②

 ソウサクは、夢であって欲しい。
 夢であれと祈った。
 夢でなければ、全ては妄想であり、自分のメンタル疾患が全く良くなっていないことになる。

 そもそも、なぜ、あんな病院に行ってしまったのだろう。
 ソウサクは、ベッドで苦しみもだえる。
 ソウサクは知らぬ間に全裸である。ペ●スも見事に勃起している。
 
(セックス&オナニー依存症)
 これが、あの青山のクリニックに行った発端なのだ。
 さすがに、ドクターには本当のことを言っていない。だが、言う前にあんなことが起こってしまった。
 未だに妄想かリアルか不明だが、ドクターを忌み嫌って攻撃するような精神状態となったのだ。

「ドクター。白塗りなんてしているからだよ。ったく」
 ソウサクが独り言ちた。
 ソウサクは全ては他人のせいにしようと考え始めている。

 この時
「ソウサクやい」
 ドアの外から声がした。
 母親である。オフクロは、常日頃からソウサクのことを心配している。

 だが、ソウサクにとってオフクロの存在も悩みのタネなのだ。(③へ続く)

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