【創作の中毒×中毒の創作26】

「ううっ」
 先頭にいた白塗り人間が、その場に崩れ落ちた。
 顔を白く塗っているが、年配の男だとわかる。

 そして、そのまま青山霊園の地下に、血を吐いて、仰向けになったまま動かなくなった。
 文字通り、ピクリともしない。

「おとうさん」
「大丈夫」
「いや。死んじゃいやっ」
 白塗り人間のファミリーが、慌てた様子で駆け寄る。

 ――こうして、青山霊園の地下ではドラマティックな、悲壮な、お別れの場面が繰り広げられることになった。

(嘘だろ)
 俺は動揺した。
 いくら相手が、素性不明の白塗りしたイキモノであっても、目の前で死亡されたら、驚くに決まっている。
  
「一家の大黒柱」
「一家の大黒柱」
 ファミリーたちは、連呼し始める。
 
「一家の大黒柱を殺したコイツに制裁を!」
 ファミリーたちは、燃えるような異様な“目”をして俺をにらみつけている。

 これは、薄気味が悪い。

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