「危なっ!」File 6 〜自転車の自儘な怪走。
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〇 自儘
自儘(じまま)とは・・・
自分の思いどおりにするさま。
わがまま。気まま。(広辞苑より)
あなたは何者か?
自転車を自儘に利用している人々に。今こそ問いたい。
自転車は歩行者か? それとも車両か?
〇 当たり前のように横行する自転車の信号無視
この頃、通勤時間帯に、とんでもない身勝手な自転車の行動を目にした。
これが、日頃よく見かける「当たり前」の風景であることが、どうにも気がかりである。
状況はこうだ。
車道左側を走行してきた自転車が、信号待ちの車の脇を抜け、交差点内に進入したかと思えば、突然歩行者と一緒に交差点を横断していったのである。
よく見かける風景であるが、車道を走行してきた自転車が赤信号の表示されている交差点で停止線を越えれば、法律的には「信号無視」に該当する。
この場所はいわゆる「丁字路」で、歩道を走っていれば停止線は設置されていないため、そのまま直進しても信号無視にはならないが、車道を走行してきたこの自転車は、停止線を越えたとたんに歩行者然として横断歩道に進んだ直後、赤信号の交差点を堂々と斜めに横切って進行し、対向車線の歩道に進んだのである。
(図面参照)
〇 無法自転車の危険性
ヘルメットをしっかりと被り、一見して車道を「車両」の一員として走行しているロードバイクにこの傾向は強く、都合のいい場面で、突然歩行者になりすましてしまうのを、かなりの頻度で見かける。
こういった自転車の多くは、渋滞中であれば車の間を縦横無尽に縫って走行し、右折するときも、自動二輪車と同じ方法で小回り右折をしていく。
そして、先に述べたように、信号が赤になれば、歩行者に紛れて赤信号の交差点を横切っていくのだ。
自転車から降りて通行するならば、横断歩道を通行しても問題はないが、車道を走っているままの速度で、スクランブル交差点を横断する歩行者を縫うように通行していく自転車は、極めて危険な「無法者」と言わざるを得ず、歩行者と衝突しそうになったり、歩行者を立ち止まらせる様子は、頻繁に見かける危険な場面である。
実際に、自転車が歩行者と衝突して死亡または重度の傷害を負わせる事故は後を絶たない。
自転車は、歩行者ではなく「車両」であることをきちんと認識したうえで事故防止に配慮した運転が求められる。
〇 自転車安全利用五則
「自転車安全利用五則」というものをご存知だろうか。
令和4年11月1日に、内閣府の付置機関である中央交通安全対策会議交通対策本部が決定したものである。
内容は、
1 車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
2 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
3 夜間はライトを点灯
4 飲酒運転は禁止
5 ヘルメットを着用
というものである。
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/pdf/2nihonngo.pdf
〇 自転車の置かれている環境の変化
長い間、自転車はその位置付が不明確で、あたかも歩行者のごとく扱われてきた向きもあるが、自転車と歩行者による重大な事故が多発するようになってから自転車を取り巻く環境はずいぶんと変化してきた。
もともと、自転車は「車両」の一員で、信号や一時停止などの規制に従う義務があるのだが、老若男女が利用する乗り物であればこその緩い扱いになっていたことは否めない。
また、モータリゼーションが進展するなか、道路は自動車が通行するために整備されてきたこともあり、自転車が安全に走行できる環境づくりが十分でなかったことも事実である。
しかしながら、自転車と歩行者が混在する環境では、自転車と歩行者による重大事故が発生するリスクが極めて高くなっており、実際に悲惨な交通事故が発生しているのも事実である。
〇 ルールを守って安全に利用しよう
「自転車」と一言に言っても、その種類は、スポーツバイクやマウンテンバイクに始まり、電動アシスト付自転車、ママチャリ、幼児用自転車とさまざまである。
これを一律に「自転車」=「車両」と決めつけるのにも無理があるとは思うが、少なくとも、「車両」面して、一見してルールを守って走っているかのように装う皆さんには、自転車としての有り様を再確認の上、しっかりと守るべきルールに従って、安全な利用をお願いしたいものだ。
〇 自転車が守るべきルールについて「おさらい」しよう
○ 信号機や一時停止標識に従うこと
○ 乗車定員を守ること
○ 車道では左側を走行すること
○ 踏切では一時停止すること
〇 歩行者を優先すること
〇 ヘルメットを被ること etc.
車道を走行する自転車は、当然のことながら、車両用の信号機に従って進行しなければならない。
また、法令の基準に基づき歩道を走行する自転車は、歩行者用信号に従って横断歩道、自転車横断帯を横断することができるが、自転車と歩行者が混在する場所では、歩行者の安全を優先することが必要である。
他にも、細かいことはたくさんあるが、少なくとも、こんなことを守って利用していただければ、かなり安全に利用できるはずである。
なお、今年から努力義務として規定されたヘルメットの着用も、自らの安全を守るためには、必ず着用することをお勧めしたい。