【ヘッジファンド】ブリッジウォーターのポートフォリオをのぞいてみよう。全天候型のポートフォリオ戦略
はじめに
この世の中にはたくさんの機関投資家と呼ばれる大口投資家がいます。それは証券会社や年金、銀行・・そしてヘッジファンドです。株式投資に裏情報はありません。裏情報はすべからくインサイダー情報であり、罰則の対象となります。
そのインサイダーではない情報収集を私的に行い、分析しているのがヘッジファンドなのです。
一例で言えば、宇宙の衛生からカメラでスーパーマーケットの駐車場を監視して、売り上げの予測を行い、投資判断をしているということも挙げられます。
そんな『ヘッジファンド』のポートフォリオを覗き見して私たちもマネさせてもらおうというのが今回の記事の内容になっています。
ぜひ最後までお付き合いいただけたらと思います。
※この記事は過去の記事をリライトしていますので、情報が古い可能性がありますが、考え方自体は変わらないので、リアルタイムに活かすことができると思います。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
それではいきましょう。
自己紹介はこちら↓
ヘッジファンド・ブリッジウォーターとは?
みなさんは『ヘッジファンド』という機関投資家をご存知でしょうか?
ヘッジファンドは投資家顧客から資金を預かり、それを運用してリターンを与えるという『ファンド』です。
分かりやすく言うと『私的な投資信託』とも言えるかもしれません。
ヘッジファンドにはいくつも種類があるのですが、ブリッジウォーターは個人投資家からの資金は預かっておらず、機関投資家からの資金を運用しています。
その額16兆円。
もはや巨大企業です。
そして、このヘッジファンドの特徴がその運用スタイルです。
運用スタイルは2つあって、1つが世界の主要市場で投資を行なっていく『ピュアアルファ』
もう一つが『オールウェザー』という全天候型と呼ばれるどんな相場環境でも収益を上げていく運用スタイルがあります。
詳しい運用手法については触れませんが、ピュアアルファという運用スタイルはインデックスファンドより大きいリターンを目指す運用スタイルです。
例えばS&P500の指数を空売りしてそれと同等の数量を個別銘柄で買い持ちするとS&P500を上回る成績が残せるということになります。
それから、オールウェザーとういう運用スタイルは『リスクパリティ戦略』が用いられます。これはリスクをプラスマイナス0にしていこうということですが、リスクとは『振れ幅』であり値動きの大きいものと小さいものをバランスよく保有して資産を拡大していくということになります。
例えば、株式は債券の4倍リスクが高いと言われているので、1:4の比率で債券多めの運用をしたりします。
これがブリッジウォーターというヘッジファンドの中身です。
もちろんそこには情報収集や経済の歴史を分析し、これからの動向を推測する独自の考え方があるからこそ、このファンドが40年以上も存続できているということになります。
レイ・ダリオという人物について
ブリッジウォーターを率いるレイ・ダリオという人物は12歳から投資を始めて、MBAを取得したり、メガバンクであるメリルリンチ銀行で働き、26歳の時にブリッジウォーターを創業しました。そして、創業から30年たった2005年には世界一の運用額を誇るヘッジファンドへと上り詰めたのです。
そして、その運用手腕は『信用』を見極めた上での投資だったからこそ、幾多の難局を乗り越えてこられたのです。
信用とはお金の貸し借りのことも表しますが、企業に信用力があれば事業を拡大することができますし、国に信用があれば国力が上がり為替レートを分析することができます。
そのように投資に適する信用があるかどうかの分析をしてきたことで、創業以来年率13%ものリターンを叩き出すことができたそうです。
その他、最近のスピーチには『投資するなら国債ではなくビットコイン』と、発言があったようにいつの時も最良の投資対象を『信用』という側面から経済や収益を見て探し続けているように感じます。
オールウェザーポートフォリオは万能なのか?
それで、レイ・ダリオが『信用に値する』と評価した個別銘柄を覗けるのなら知っておいて損はないと思い、今回、この記事を書いているわけですが、ラジオ日経で現役ファンドマネージャーの石原順さんがレイ・ダリオのポートフォリオについて話していましたので、ご紹介していきます。
そして、このオールウェザーポートフォリオという相場が荒れている時も、順風満帆の時も本当に万能なのか?という話をしていくのですが、答えば『YES』ということになります。
それは次の章で解説することにして、オールウェザーでいることがなぜ良いのか?ということについて考えていきたいと思います。
ポイントは3つ
分散投資
インデックス運用
バランス投資
この辺りを心がけていくとオールウェザーポートフォリオになっていきます。
そして、これは試行錯誤した末に私も辿り着いた運用手法だったので私もしばらくはこれでいこうと決めています。
オールウェザーポートフォリオの考え方は
経済は発展していく
金融市場は拡大していく
暴落と拡張を繰り返す
このあたりは色んな情報収集をしてきた私の考えではありますが、少し解説していきたいと思います。
経済は発展していく
人の生活の営みは昔からそれほど変わっていません。生活のためにお金を使い、借金をする。そして働くのですが、時代時代でテクノロジーとの相乗効果でその発展は加速しています。
金融市場は拡大していく
日本はともかくS&P500の成長をみれば金融市場の拡大という解説は不要ですが、幾多のビルド&スクラップを繰り返して『値』は大きくなっています。これはプラスサムという考え方で、過去の実績に上乗せして今の実績が値になるので、数値は積み上がり続きます。
暴落と拡張を繰り返す
これはマネーを操るのが人である限り『欲豚』が蔓延ったり、増えすぎた欲豚は調整されたりするという点で、バブルは生まれては消え、また生まれては消えていくことを繰り返すということです。これは永遠に続きます。
拡大が永遠に続くのではなく暴落と拡張が繰り返されるということです。
以上のような経済の仕組みがあるからこそオールウェザーポートフォリオというものが存在し、『好まれる1つの要因になる』ということになろうかと思います。
このヘッジファンドの特徴
では、このブリッジウォーターがどんな銘柄を保有しているのかを見ていくことにするのですが、その前に前提として抑えておきたいことがあります、それは
かなりの量のETFを保有している
ということです。
具体的にはS&P500や米国適格社債、ゴールド、新興国ETFなどの割合がとても多いです。
個別銘柄のポートフォリオは?
では本題の個別企業をみていきましょう。
アボット・ラボラトリーズ(ABT
アリババ✖️(BABA
バンク・オブ・アメリカ(BAC
ボストン・サイエンティフィック(BSX
コカ・コーラ(KO
コルゲート・パーモリーブ(CL
コストコ(COST
CVSヘルス(CVS
ダナハー(DHR
ダラー・ゼネラル(DG
フォード(F
ゼネラル・エレクトリック(GE
インテュイティヴ・サージカル(ISRG
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ
クラフトハインツ(KHC
クローガー(KR
エスティーローダー(EL
ルファックスホールディングス✖️(LU
マクドナルド(MCD
モンスタービバレッジ(MNST
ニューオリエンタルエデュケーション✖️(EDU
ニオ✖️(NIO
ペプシコ(PEP
ピンドゥオドゥオ✖️(PDD
プロクター&ギャンブル(PG
スターバックス(SBUX
ターゲット(TGT
ヴィーバシステム(VFFV
ウォルマート(WMT
ウェルズファーゴ(WFC
そのほかにもありますが、ここまでにしておきましょう。
あなたのポートフォリオにも入っている銘柄がたくさんあったのではないでしょうか?
私と共通のものはコカ・コーラ(KO、クラフトハインツ(KHC、プロクター&ギャンブル(PG、スターバックス(SBUX、ウォルマート(WMTの5銘柄だけでした。
意外と少なかったですね。
これらの企業がブリッジウォーターが『信用あり』と評価している企業たちです。かなり参考になるのではないでしょうか?
※ちなみに、✖︎がついている銘柄は中国企業です。ジムクレマーもじっちゃまも中国企業には投資しない方が良いと言っています。私も同感で、社会主義の長は経済とかより保身が優先されますので、資本主義原理が働かないからおすすめできないと思います。
個人投資家が真似できる点とは
ここからはブリッジウォーターのオールウェザーポートフォリオをどうやって真似していくのかお伝えしていきます。
セクター分散
まずはセクター分散をしていきます。日用品や医薬品銘柄ばかりの10銘柄に投資していても分散にはなりません。
日用品、医薬品、自動車、工業、食品、小売、金融、ハイテクなどに分けておく必要があるでしょう。
『そんなに買うお金ないよ!』という人にも解決策はあります。
上記のPayPay証券では1,000円から投資ができますので、資金量が少ない初心者にもポートフォリオを組むことが可能になります。
オールウェザーポートフォリオのポイントは概ね株式だけでリスクパリティ(リスクの±0)を目指しているという点です。債券の割合が少ないということは経済成長をダイレクトに享受できるということになるので、株式100%に近いほど破壊力はアップします。
とはいえ、弱点としては『相場の急落に付き合ってしまう』ということでしょう。分散されていても株式市場全体が下がればオールウェザーポートフォリオも付き合って下落します。
経済サイクルにも気に掛ける
参考に下記の画像もご覧下さい。
上の画像はじっちゃまが提示している経済サイクルを表す図です。
セクター分散をする際に『好景気』に強い銘柄だけでなく『不況に強い銘柄』にも分散投資をしておくことが必要になります。
これは超長期的に運用をすると、このサイクルを何周かしますので、その度にあなたのポートフォリオを牽引してくれる主役が変わってくれることを意味します。
分散投資で生き残る投資をする
ここまで、分散投資であるオールウェザーポートフォリオについて見てきました。
レイ・ダリオ率いるブリッジウォーターがなぜ長年に渡って市場で活躍できたのか?というと流行りに傾倒しない戦略が大きかったのだと思います。
もちろん
資金を一時的にエクステンションさせるためにはSaaS関連、ハイテク関連、ゲノム関連、5G関連、コロナ禍関連などに集中投資することが必要になりますが、その投資はコアであるオールウェザーポートフォリオをしっかり作ってから(作りながら)サテライト部分である集中投資をした方がいいと思います。
集中投資は欲豚になりやすく、依存性が強いギャンブルのようなトレーディングに陥りやすいです。資金配分は少なめにトレーディングをしていきましょう。
最後に
このオールウェザーポートフォリオはその仕組みを理解して、運用していくことが必要になってきます。積み立て投資の王道であるS&P500をコア部分として保有し、後のリスクマネーに関しては個別銘柄を保有していくことになります。
そして『全天候型』と言われるように、暴落の局面に関しても打撃の少ないセクターを組み込むことで、リスクを抑えた運用が可能になります。
とはいえ、暴落のダメージをおくことは覚悟しておく必要がありますし、しばらくの間パフォーマンスが上がらないこともあるかもしれません。
だからこそ、投資する銘柄を選ぶときに『信頼・信用』がある銘柄を組み込んでおくことが必要になります。
現時点で20代30代40代の人はゴールドや債券をほとんど組み込む必要はないと思っているので、それに代わるディフェンシブ銘柄をしっかり押さえておきましょう。
レイ・ダリオのポートフォリオの中で言えば以下の銘柄はディフェンシブと言えると思います。
コカコーラ
コストコ
ウォルマート
ダナハー
ジョンソンエンドジョンソン
クラフトハインツ
P&G
ペプシコ
CVSヘルス
アボットラボラトリー
などは爆発力はない代わりに、底堅い強さを見せてくれるのではないかと思います。
と言うことで、世界一のヘッジファンドが保有している銘柄を見ていき、マネできるものはマネして、賢い資産運用をしていきましょう!
それでは。
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