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年金制度の生い立ちと現在:第3号被保険者廃止ってどういうこと?
生徒:
最近、日本の年金制度、特に第3号被保険者制度の廃止について議論されているよね。でも、そもそも年金制度について詳しく知らないんだよね。。。例えば、年金っていつ頃始まって、どんな仕組みなのか、それにどんな課題があるのかって教えてくれる?
先生:
それじゃ、今日は年金制度について少し勉強してみましょう。日本の年金制度は、1942年に「厚生年金保険法」が施行されたのが始まりなの。ただ、今のような形に近づいたのは、1961年に「国民皆年金」が導入されたときね。このとき、全ての国民が何らかの年金制度に加入する仕組みが整ったのよ。
生徒:
1942年か、大分前にスタートしたんだね。どうして年金制度が始まったの?何か時代的な背景があったのかな?
先生:
1942年は戦時中だったのだけど、その頃、日本では急速な産業発展が進んで、多くの労働者が工場で働くようになっていたのよ。この中で、高齢になって働けなくなった人や病気になった人をどう生活保障するかが課題になっていたの。それに、戦争中の社会不安を和らげて国を団結させる目的もあったのよ。
また、年金制度の導入には国際的な影響も大きかったの。ヨーロッパ諸国では19世紀末から社会保障制度が進んでいて、特にドイツの1889年に始まった公的年金制度が有名ね。日本もこれに倣って、労働者を支える仕組みを作ろうとしたの。こうした背景が重なって、1942年に「厚生年金保険法」が施行されて、日本で初めての本格的な年金制度が始まったのよ。
ただ、この時点では主に会社員が対象で、農業や自営業の人たちは含まれていなかったの。でも、戦後になって社会全体を支える仕組みへと見直されて、1961年に「国民皆年金」が実現して、全ての国民が何らかの年金に加入できるようになったの。
生徒:
戦争中の社会不安を軽減するのも目的の一つだったんだね。当時の厚生年金って今と同じような仕組みだったのかな?
先生:
そうね。当時の厚生年金は、今とは少し違う「積立方式」を採用していたわ。これは、働く人が自分の将来のために保険料を積み立てて、その積立金を運用して増やし、将来の給付に使う仕組みだったの。でも、戦後のインフレーションで積立金の価値が大幅に下がってしまったのよ。それで、積み立て方式だと立ち行かなくなってしまったこともあり、1961年に現役世代が支払った保険料をそのまま高齢者に給付する「賦課方式」に移行したの。この賦課方式は、当時のように人口が増えている時代には非常に効率的で、制度を安定して運営することができたのよ。
生徒:
なるほど、インフレでそれまで積み立てていた資産の価値が毀損しちゃったんだね。ということは1961年に国民皆年金が導入されたタイミングで今の年金の仕組みの土台がほぼ出来上がった感じかな?
先生:
その通りよ!1961年の国民皆年金は、日本の年金制度にとって大きな転換点だったの。それまでの年金制度を拡充・改良して、今の仕組みの土台がほぼ完成したといえるわね。
全国民が加入: 職業や生活スタイルに応じて、会社員は「厚生年金」、自営業者や農業従事者は「国民年金」という形で全国民が年金制度に含まれるようになったの。
基礎年金の考え方: 老後に最低限の生活を保障するための共通の部分が整備されたのが、このときよ。
賦課方式の本格運用: 現役世代が高齢者を支える仕組みが確立されて、社会全体で老後を支える仕組みが整ったわ。
ただ、当時は少子高齢化が進むとは想定されていなかったから、現在では新たな課題も生じているわね。
生徒:
1961年当時の人口分布だと労働者世代が多かったから、賦課方式で成り立つイメージを持ちやすかったんだろうね。実際当時の人口分布って今と比べるとどれくらい違ったんだろう?
先生:
いい質問ね。1961年の人口分布は、現代とはかなり違う「富士山型」をしていたのよ。具体的に説明すると:
1961年の人口分布:
若い世代(0~14歳)と労働者世代(15~64歳)の割合がとても高く、高齢者(65歳以上)の割合が非常に低かったの。例えば、1961年当時の高齢者の割合は全体の約6%程度だったのよ。一方で、労働者世代は60%以上を占めていて、若い世代も30%近くいたわ。現代(2020年代)の人口分布:
今は「つぼ型」や「逆三角形型」に近い形をしているの。若い世代の割合は10%ちょっと、高齢者の割合は28%を超えていて、労働者世代も全体の約6割にまで減少しているのよ。
1961年から現在までの日本の人口分布を、5年ごとに「子供(0~14歳)」「労働者世代(15~64歳)」「高齢者世代(65歳以上)」に分けて表にまとめるわね。
![](https://assets.st-note.com/img/1734767016-I3pTtcbfxoQSHFlhEgDVMidC.png?width=1200)
1961年当時は、多くの現役世代が少数の高齢者を支える構図だったから、賦課方式が効率的に成り立つ仕組みだったの。一方、現代では高齢者の数が増え、少ない現役世代が多くの高齢者を支える形になっていて、この人口構造の変化が年金制度の大きな課題になっているの。
生徒:
この少子高齢化による賦課方式の破綻が今の年金システムの一番の課題だよね。。。税金からの補填とかをしていくことはできるのかな?
先生:
そうね、実際に税金からの補填は今の年金制度を支える重要な柱になっているのよ。例えば、基礎年金の給付費の50%は国庫負担、つまり税金で賄われているの。これがなければ年金制度は成り立たないわ。
ただ、税金で補填するには国全体の財源も必要だから、他の政策とのバランスも考えないといけないの。だからこそ、運用益を活用したり、給付額を調整するマクロ経済スライドを導入するなど、複数の対策を組み合わせて、年金制度を維持する仕組みを作っているのよ。
生徒:
もうすでに税金から補填されているんだね!基礎年金の50%か。。。そういえば年金の収支ってどうなってるんだろう?最近の基礎年金と厚生年金の収支を教えてくれる?
先生:
いい質問ね。では、最新の収支状況を見てみましょう。
基礎年金(令和4年度):
歳入: 基礎年金の歳入の約50%は国庫負担(税金)で賄われていて、残りは保険料収入や厚生年金からの拠出金で成り立っているの。具体的な金額としては、基礎年金の総給付費は約24兆円、そのうち12兆円が税金から補填されているわ。
歳出: 主に年金給付費で構成されていて、国民年金の加入者や厚生年金の加入者が受け取る基礎年金部分がここに含まれているのよ。
厚生年金(令和4年度):
歳入: 約49兆円の歳入があり、その多くは保険料収入によるものよ。経済状況や賃金水準に応じて、保険料収入は一定の変動があるの。
歳出: 約48兆円の歳出があり、その大部分が年金給付費として使われているの。厚生年金は収入が多い分、基礎年金への拠出金としても支払われているのよ。
差額: 令和4年度では、約6,000億円程度の黒字が出ているわ。これも安定した運用が財政を支えている要因ね。
このように、年金全体では収支がギリギリ保たれているけれど、少子高齢化による負担増が続く中で、将来的な課題をどう乗り越えるかが重要になっているのよ。
生徒:
年金って運用されてて運用益が出ていたりもするんだよね?それも歳入に入っているのかな?
先生:
その通り、年金積立金の運用益も歳入に含まれているわ。日本の年金制度では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が積立金を運用していて、その利益が財源の一部として活用されているの。
例えば、直近の運用成績では、年間で数兆円規模の運用益が出ているわ。これが基礎年金や厚生年金の財源を補強する形で使われているの。ただ、運用益は市場の動きによって変動するから、必ずしも安定的な収入源とはいえないのよ。
この運用益が歳入に含まれることで、保険料率の引き上げや税金の負担を少しでも抑える役割を果たしているわ。だから、年金制度の収支を語る上で、この運用益の存在も重要なポイントになるのよ。
生徒:
なるほど、こういう議論の中で、第3号被保険者の制度の改訂も検討されているんだよね?この仕組みって具体的にはどんなものなの?
先生:
第3号被保険者制度は、1986年に専業主婦(夫)を保護するために導入されたの。配偶者が厚生年金に加入していれば、自分で保険料を支払わなくても基礎年金を受け取れる仕組みなの。ただ、「保険料を払わずに年金を受け取れる」という点が、不公平だと指摘されることが多いのよ。特に共働き世帯や独身の人たちにとっては負担が偏っているように感じられるわね。
生徒:
もし第3号被保険者制度が廃止されたら、どういう影響があるんだろう?
先生:
廃止されると、第3号被保険者も保険料を支払う必要が出てくるわ。その分、基礎年金の財源が増えるので、他の世代や層の負担を軽減する方向で調整が進む可能性があるの。ただし、新たに負担が増える人たちへの配慮も必要ね。例えば、保険料の支払いが厳しい低所得層には、別の支援策を考える必要があるわね。
生徒:
そうだよね。
そもそも第3号被保険者をやめて、増えた財源を基礎年金に充てて今まで税金で補填していた分の補填を減らします、ってなったらそれって実質単純増税ってことにならない。。。?
先生:
そう感じる人もいると思うわ。確かに、第3号被保険者を廃止して、その分増えた財源を基礎年金に充て、税金での補填を減らすとなると、「保険料の形で増税された」と受け取られる可能性があるの。
だから、そういった改革を進める場合は、増えた財源をどう使うかがとても重要なの。例えば、保険料率を引き下げたり、将来の年金給付水準を維持するための財源に充てたりすることで、国民全体の負担感を軽減する工夫が必要ね。
また、専業主婦(夫)や短時間労働者に新たな負担が生じることも問題だから、扶養控除を拡充したり、子育て支援を強化したりと、影響を和らげるための施策も考えられるわ。制度改革を進めるときには、公平性と負担感のバランスをどう取るかが鍵になるのよ。
生徒:
そうだね、少なくとも第3号被保険者を廃止したことによって増えた財源がどのように使われるのかはオープンに説明してほしいね!
今日も勉強になったよ、どうもありがとう!
先生:
そうね、制度を改革するなら透明性のある説明と、国民の納得を得ることが本当に大切だわ。今日の話で少しでも年金制度の仕組みが分かったなら良かった!また気になることがあったらいつでも聞いてね。
お疲れさま!
注意書き
このNoteはchatgptとの会話をベースに記述されています。背景チェックをしていない部分もあるため正しくない記述が含まれている可能性があります。もし誤った記述を見つけられた場合はコメントで教えていただけるとありがたいです。