コミケ崩壊の危機「コミックブイケット」は「コミックマーケット」を超えるか?
新規参入、VR同人即売会「コミックブイケット」
VRChatなどから「バーチャル3D会場」にアクセス可能なオンライン同人即売会。株式会社HIKKYによる「ComicVket 1(コミックブイケット ワン)」が2020年8月13日~16日の4日間開催される。
3D空間でアバターを使い、リアルな同人即売会と同様、サークルスペースに訪れる事ができる。見本誌を手に取り同人誌の購入することも出来、会場では音声チャットを通じてリアルタイムで交流をすることも可能だ。コロナ禍の中、自宅から一歩も家を出ることなく同人イベントに参加出来るとあって、ユーザーの間での評判は今回の第1回目の開催前から上々だ。
「バーチャルコミケ」などとtwitterで評判になっているこちらのイベント、イベント名称が似通っているので混同してしまいがちだが、「コミケ」所謂「コミックマーケット」とは開催の主催団体が異なる。
開催中止が続く「コミックマーケット」崩壊の危機
「コミケ(コミックマーケット)」はコミックマーケット準備会が1975年から45年に渡って運営している世界最大級の老舗同人即売会イベントだ。2019年には3万4000サークルが参加。開催期間4日間の総来場者数はのべ73万人にものぼる。
筆者も毎年コミケに参加しているが、残念ながら今年は夏冬開催中止。来年以降のイベント開催についても全く目処が立っていない。コミケが危機的な状況に追い込まれる中、新規参入してきたのが「コミックブイケット」だ。
技術力で出遅れるコミケ、今後の展望は。
対する本家コミケは「技術力の遅れ」が深刻だ。現在でも問い合わせは郵送受付のみであったり、公式ホームページについても20年前のフォーマットのHTMLを使用していることから、3D技術やVRプログラミングに長けている開発者がいる可能性は限りなく低いと思われる。コミックマーケット準備会がコミケ独自の技術でVR環境へのイベント開催にスピード感を持ってシフトすることは不可能に近い。
「ブイケット」は開催1回目で開催規模も小規模ながら、「セブンイレブン」や「とらのあな」など大手協賛企業を加えている現状だ。VR市場が成長の一途を辿っている状況からすると今後ある程度まで規模が拡大していくことは容易に想像することができる。コミケ側がVR開催への移行を考えているのであれば早い段階で、なにかしらアプローチが必要になってくるだろう。
「コミケ」と「ブイケット」はライバル関係に発展するのか。はたまた両者手を取り合って共存の道を辿るのか。
新興のVR同人即売会が、世界最大の同人即売会イベントにどのような影響をもたらすのか。今後の動向に注目が集まりそうだ。
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