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学びを支える非正規の先生
教員の雇用状況は酷い状況だと再認識させる一冊と出会いました。「非正規公務員のリアル」(上林陽治著、日本評論社刊)。就学援助を受けながら教壇に立っている臨時教員の現状が書かれていました。
そのひとりが、九州の公立小学校で働く女性の臨時教員。かつては正規教員として4年間働き、夫の死別に伴い、子ども2人を抱えるシングルマザーとして公立小学校に戻りました。
教歴10年以上で、これまでの期間すべてでクラス担任をしています。勤務状態は、正規教員と同じですが、税引後の給与は約19万円。生活保護世帯に準ずる低収入とみなされ、就学援助を受けています。
同じ教歴の正規教員はこの地域では40万円程度を稼いでいるそうです。ですが、臨時教員だから昇給もありません。少しゆとりのある暮らしをしたいと考えても、公務員であるために兼職制限がかけられ、そもそもアルバイトをする時間の余裕もない状態です。
同書によると、全国全ての地方公務員のうち非正規公務員は29%。3人に1人は非正規公務員といいます。「安定しているから」で公務員を目指す学生は、「質問力を磨く(Class Q)」にも何人もいます。決してそうではない現実を伝え、この本の一読を勧めなくてはなりません。学びを支える非正規の先生を、誰がどうやって支えていくのでしょうか。(マツミナ)