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透明な国、ニッポン


 「東京を中心に行われた各競技を見て『復興五輪』を意識した人はどれほどいたのでしょうか」(イデちゃん)
 そうでした。東日本大震災から復興した日本をアピールする、そんな話でしたね。真っ最中にもかかわらず国内ですちっとも聞かないのに、国外では期待薄でしょう。ひょっとしたら、日本の存在感すらもはやない、それかもしれません。

 先日、韓国映画「白頭山大噴火」を見てきました。一言でまとめると、ご都合主義の娯楽大作。やはりエンターテインメントは、こうでなくっちゃいけません。1900円(当日券)の価値はあります。
 物語は、北朝鮮と中国の国境にそびえる白頭山の噴火から始まります。観測史上最大規模の噴火で、半島壊滅の危険性がある。それを食い止めるために、韓国軍爆弾処理班の大尉にミッションが下されます。北から核を盗み出し、山の地下を巡る坑道に仕掛けて大噴火を食い止めよ。核の場所を知っている北側工作員…。
 何よりも印象に残ったのは、日本の存在感が全くなかったことでした。少しは出ていたのかもしれないけれど、少なくとも記憶には残りませんでした。前面に出てきていた米国や中国とは大違いです。韓国には日本企業や人もたくさんいるはずなのに不思議です。そんなことがあるのでしょうか。対日感情が悪ければ「存在感のない日本」を描くかもしれません。
 ただ、創作の世界のこと、と割り切れないのは、世界が注目しているアフガニスタンやミャンマーでも日本の姿が見えないのです。米国やイギリス、ドイツなどの国の政府は出てくるけれど、日本は目に入ってきていません。こうした問題で、何か日本が存在感を発揮していることはあるのでしょうか。
 国際政治の現場だけでなく、学術の世界でもそうです。日本の研究力が凋落の一途をたどっているようです。
 あっちでもこっちでも日本は存在感を示せない。ひょっとしたら「透明な存在」になっているのでしょうか。世界に貢献するために大活躍しているけれど、表には出てこないのかもしれません。日本はケンキョな国ですから。(マツミナ)

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