オリパラが刺激する学生の主権者意識
オリンピック・パラリンピックについて、政府の感染症対策分科会の尾身会長が国会で「この状態で普通はやらない」と2日も続けて発言しています。専門家にここまで言われて、なおも開催にこだわる政府には疑念が募ります。が、こうしたやりとりのおかげで、学生たちが国会でのやりとりに注目するようになりました。こんな状況でオリンピックなんておかしいよ、新聞に投書してみようと考える学生が「質問力を磨く(ClassQ)」に現れました。
学生の社会に対する関心の低さを何とかできないか。それがClass Qを設計したきっかけです。主権者なのに他人事。誰かが何とかしてくれると思っているフシが否めません。オリパラについての政府の対応は噴飯物ではあります。けれども学生の政治的な関心を高めてくれたという点では感謝をした方がいいかもしれません。
本日の授業は、「中国海警 接続水域112日 連続航行最長」(6月4日付読売新聞東京14版2面)。宮古島の漁師になりきって記事を読み、質問を出すという内容にしました。沖縄県・尖閣諸島付近を中国の海上保安機関・会計局の船が航行し、日本の漁船を追尾したりしているそうです。
多くの学生にとっては「中国海警って何?」「何が問題なの?」。想定した通りです。問題はここから。記事を読み込み、仲間とのやりとりがどう変えるか。
リフレクションシートの中に、やはり出てきました。
「尖閣の問題について、私は無知であることに気付いた。接続水域と領海の違いもわからない。国防のことをわかっていないというのは、日本に住む者としてかなりまずいのではないか。(略)日本に住む一人ひとりの無関心が、国をどういう状態にしているか考えたい」
今日はこんなリフレクションシートもありました。
「(Class Qの)課題を乗り切れるかどうか正直不安ではあります。しかし、ここで乗り切った者こそ多くの学びがあり成長できるのだと思います。私はここに、逃げずに正々堂々と立ち向かうことを誓います。ミナ先生も私がもし逃げ出しそうになっていたら一声かけて頂けると助かります。もちろん、今のところ逃げる気はありません。頑張ります」
全く知らなかったし、関心もなかったことだけれど、何やら難しい問題が目の前にある。社会の課題は、高校までの学びのように明確な答えがないし、解決する道筋すら見えないものばかりです。それでも向き合わざるを得ない時、それがたとえ授業の課題だからであっても、学生たちの中で何かが動き出すようです。
最後に唐突ですが。
尾身会長、Class Qの学生と一緒に応援しています。(マツミナ)
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