滅びゆく夏
あの日まで暇だった
暇な暇人なので日にあたり毎日を過ごしてい……
違う
それからというもの 雲になった街をさまよい まだ使える物資を集めていた
奴らは奴らでゾンビのようにさまよい 「ラストバタリオン」を自称し 誰彼構わず撃っていた
大半が同士討ちらしく 死体はほぼ同じ服装をしている
ラストバタリオンってなんだ?
少なくともまともに動いている人間はほぼいなかった
つい数日前までここが都市だった事も忘れそうだ
かつて地下鉄だったはずの場所は森林になっていた
何がどうすればそうなるのかはわからない
都市がかろうじて人間を維持しているのはこの「地下鉄道」のおかげだろう
水も食料もとれる 今のところは
旗を掲げている ラストバタリオン第13装甲擲弾兵師団第13連隊旗らしい 奴らが定期的に掲げる旗には全てそう書いてある
おそらくあれは単なる儀式であり 部隊を集合させているだけなのだろう
私としては666歩兵師団や999歩兵師団のほうがお似合いだとは思うが……
まだ使えるVRゴーグルを付けている人間が居たとは
「君は