岩神
【記録◆2024年5月1日】②
ようやく、当初の目的地に着きました。
ここに来るつもりで家を出たのでした。
見えている部分が約14mで、その後ろは22m30cmの高さがあるそうです。
(段瀑でも、滝壺まで近づくと上段が見えなくなります。)
「神が岩を押し分けて出てきた」とされる亀裂が裏側にある、とのこと。
記紀には、この国つ神に尾があった、と記されています。このあたりも、ここより上流でも、「尾のある神々」の名が地名となっています。
ふと思い出しました。わたしの親世代の方が子どもの頃の話をなさって、
「山行きさん(山林労働者)は皆、どこでも休憩できるよう座布団代わりの獣皮を後ろに付けたまま仕事をしていた」と語られていたのを。
もしかしたら、それが「尾」に見えたのでしょうか。
「尾があるのは龍神」という話も、どこかで読んだ気がします。
ひとつ前の記事には、『夢の廻り淵』では古くから水神を祀っていた、と書きました。水神は龍神です。
『夢の廻り淵』の少し上流には、全国の龍神総本山『丹生川上神社上社』があります。
信仰する民と神が同一視されて、「尾がある」とされたのでしょうか?
右側の斜面には、ひとつでも神の依り代となりそうな岩がたくさん。
神域は、立ち入り禁止です。
カメラのレンズについた雨滴が眩い光みたいで、まるで降臨のよう。
『岩神神社』は、吉野川に面しています。
川面(かわも)を眺めていると、写真の左上あたりにだけ、水鳥の群れが絶え間なく飛来するのです。
ひととき留まる無数の命と光を与え合って在り続け、1300年前から数えて何代目になるのでしょう。
この地の創成の頃、岩神の視界に入ってからは……?