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在りし日に:テレビ番組のための対話⑥

 1年半も空きましたが、ようやく再録を再開できました。
 この記事の前回は、以下。

 以下のマガジン『テレビ番組のための対話』で、最初から読めます。


【過去の記録◆2022年2月18日 No.1】

Clara(C)「自分の、動きたい速さで動ける」
香取さん(K)「へぇぇ~。速いわ」
C「お花がきれいやな、っておもったら、寄って行けるんですよね」
K「うん」
[注:そこに花は無いのに、わたしが指差す先をご覧になる香取さん。]
C「でも、介助用の車椅子やったら、『そこに連れてって』……」
K「あ、そうか。Claraさんが想っていることは、言ってもらわなきゃ分からないんだもんね?」
C「そうなんです」
K「それ、いちいち毎回毎回伝えないとそこ行けないですから、『まぁ、いいか』ってなっちゃいますよね?」
C「それとね、怖い所に、歩かれたりするんですよ」
K「ああ」
C「本人(介助者)は後ろに居るから怖くないかもしれないけど、ぎりぎりホームの端っこなんか、コワイ」
K「あ、そうか。こうやって後ろから押してたら、私の目だと……介助者の目から判んないけども」
C「うん」
K「Claraさんから見たら、『お~、危ない危ない』って所に、こう行っちゃうわけです。そうか……」
C「もう、なんか、奈落? だけど、自分で安全な所を選んで……(進めたら)絶対こわくないじゃないですか?」
K「そうですよね」
C「スピードだって、ゆっくりのときはゆっくり……」
K「うん」
C「これで、たまに押してもらうとき、後ろの人(介助者)が、『速ォ、横断歩道、渡らんならん』いうて、なんか張り切らはったら、脚がついてかない」
K「あっ、ま、そうですよね。そうか、そうか」
C「(両脚を高速回転させる真似)」

◇写真は、2020年にテレビ放映されたドキュメンタリーの撮影中。真面目に話しているのに相手を笑わせてしまう香取さん~特定非営利活動法人『希少難病ネットつながる』理事長《2021年12月26日まで》 わたしたちは、おたがいがそうでした◇

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