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在りし日に:テレビ番組のための対話⑨

【過去の記録◆2022年2月18日 No.4】

香取さん(K)「そうか。そこまでの、その、なんていうんですかね。あの、いろんな所でメリットあるって、ねぇ。当事者、実際使っている方しか分かんないですよね」
Clara(C)「そうですね。わたしもそれがあるとおもって買ったわけじゃないんですね。使っているうちに、これもできるようなった……とんでもないことがね」
[注:定価で購入したのではなく、医療機器メーカーの展示品処分で手に入れました。]
K「ふーん」
C「たとえば、その、進行性だから、どんどんわるくなっていくのが進行性の障害じゃないですか」
K「あ、はい」
C「なのに、『たしか、これ、15年前しかできなかった』ってことが」
K「ほぉ~」
C「またできるようになって」
K「完全に、あれですね、逆に」
C「逆に」
K「逆っていうか、いい意味での逆行してますよね」
C「そうですね」
K「ふぅ~ん」
C「でも、あの、元気になるとね……。あの、わたし、『頑張って』て言われるのイヤじゃないんですよ」
K「はい」
C「『まだ、やるぞ』ていう感じやから。だけど、『車椅子、要らんぐらい元気やね』て言われて嬉しくないんですよね」
K「ふぅん」
C「だって、車椅子要らんのやったら車椅子なしで行動するほうが、どこでも入れるし」
K「おっしゃるとおり」
C「ねぇ? 入店拒否なんかされないし」
K「はい」
C「でも、誉めるつもりで『そんだけ動けたら車椅子要らんの違う?』とか言われるの、あんまり嬉しくない」
K「そこは違いますよね。必要だから、ねぇ? 使わざるを得ないから使ってるんですよね」
C「あと、ダンス用の装具で日常生活を送れないから、あの身体能力で日常生活は……」
K「そうなんですよね」

◇写真は、2020年にテレビ放映されたドキュメンタリーの撮影中。この日も「バリアフリーの店」を選んだのに、スロープに重い物がたくさん置かれていたので、香取さん~特定非営利活動法人『希少難病ネットつながる』理事長《2021年12月26日まで》には車椅子のほうを運んでいただいて階段を上りました◇

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