西の海
【記録◆2024年1月23日】①
「大和盆地から『紀の川』とともに西へ向かえば、海は遠くないのかも」と感じたのは先週。
その日は途中で山に入ったけれど、「曲がりくねった細い道を進む時間で『京奈和道』をどこまで行けただろう」と考えもしたのです。
「海をみたのは何歳のときか」と記憶を探れば、すべてを挙げられます。
行ったことがほとんど無いため。
昨年は、「映像で見た『神解き(かむとき)の樹』の前に立ってみたい」と願ったら、そこが港の近くだったため、「東の海」にも行けたのでした。
きょうは大和盆地の果て(南西)を越え、「これまでに訪った瀧」の水が縒り合わさった『吉野川』の名を『紀の川』と変える県境へ向かいます。
先週は、山の斜面から空へ向かう白煙が、無数の龍のようでした。
里に近い辺りでは「煙の立つ産業が多いのか」と考えもしたけれど、数が多すぎるので、「火を焚いているのではない」という気はしました。
そして、きょうは、「煙が立ちのぼっているのは陽のあたる斜面だけ」と判ったのです。快晴だった先週は、陽のあたらない所が無かったのでした。
冷えた山が陽を浴びて温められると、立ちのぼる水蒸気が集まって細かい水の粒となり、上昇気流に乗って空へ還るそうです。
ここでは、霧が谷を満たすのではなく、昇龍のような形になるのでした。
山の高い所を通っている京奈和道が河口近くの平野部に下りていく直前、水平線が遠くに見えました。大和盆地を離れてから数十分で。
街が見えない景色を好むので、海まで行かないで『紀の川』を渡り、南へ進みます。『有田川』も渡って、視界を遮る壁のような山の南側に出ると、海に沿って『有田みかん海道』が続いています。
『湯浅湾』の幾つかの島が見えます。
湯浅湾の南端(白崎)より右は、なににも遮られずに南へ行けるはず。
これより右には『四国』が見えるため、想いが遮られずに南へ進めるのはこの範囲だけ。
遠くで陽光が海へ、光の瀧となって、なだれ落ちています。
陽を浴びて、さっきより四国がはっきりと見えます。
陽光が眩しいため、何が写っているか判らないまま撮り続けました。