魔法の料理 〜君から君へ〜
YouTubeのホーム画面には不意に懐かしい動画がオススメされる。
BUMP OF CHICKENの「魔法の料理 〜君から君へ〜」
え、13年前?
リリース時、NHK「みんなのうた」で流れていた。
数年前だと思っていたら、
あれから、もう13年も経っているとは。
そんな語り出しから、情景を全て伝えてくれる。
子どもの頃、どんなに叱られても、
温かいご飯を出されて。帰る場所があった。
子どもの頃に抱いた夢。
始めは期待しか無かった未来も、いつしか不安が増えていく。
私は、子どもの頃、祖父母と両親と暮らしていた。
6歳ぐらいの時だったか。
当たり前に感じていた家族でのその暮らしに
必ず終わりが来ることを私は知って、
「ずっとこのままでいたい」と母親に夜、泣きついた。
私が13歳の頃、祖父が亡くなり、
やはりずっと同じではいられない
と悟った。
今、振り返ると、私が大切にしてきた宝物は、
たくさん失くなった。
でも、代わりに期待以上のものにも、たくさん出会った。
深夜、YouTubeで、この曲のミュージックビデオを見ながら
目の前が滲んだ私の前に、息子がやってきた。
私の息子は、もう13歳だ。
なんか、この曲、僕、聴いたことある
それだけ言って、息子は、ベッドに戻って行った。
13年前、この曲を聴きながら、歌いながら、
抱いていた夢と不安。
気づかないうちに、息子に共有していた。
そのことが、ただ嬉しかった。