ミスター – YOASOBIによる「はじめての」大型コラボプロジェクト
はじめての〇〇
自分がお題を与えられたとしたら、〇〇に何を入れるだろう?
小説を音楽にするユニット、YOASOBI。
「夜を駆ける」を始めとして、これまでは、オンライン上で誰もが手軽に読める小説などを原作としてきた。今回は、「はじめての〇〇」をテーマに、直木賞作家4名が書き下ろした小説を楽曲化するという初めての大型プロジェクト。
本日(2022年2月16日)に、楽曲「ミスター」配信開始。同日に単行本「はじめての」発売。
ということで、kindleで早速、単行本を購入させてもらった。
caféで音楽を聴きながら、読書。 至福。
はじめまして。
そんな言葉を会ったこともない先生に使うのは、なんだか変な感じがしますね。
出だしから引き込まれる。
先生? 誰に手紙を書いている?
想像力を掻き立ててくれる。
※ここからはネタバレを含みます。ご注意ください。
舞台は近未来。アンドロイドが、所有者である「ミスター」との出来事を「先生」宛に手紙を書いています。
手紙を読み進めると、少しずつ、「ミスター」との関係が明らかに。
アンドロイドが物語に出てくる、となると「ロボットは人間と同じように感情を持つことができるのか」というのが使い古されたテーマが思い浮かびます。
ただ、この小説では、「人間の孤独」がテーマとなっていると思います。主人公であるアンドロイドが、「人間」を理解したい、「ミスター」に役に立ちたい、という一心で身を捧げる。
人間が抱える根源的な孤独とは何か?
アンドロイドは人間を孤独から救うことができるのか?
物語の後半は、急展開を見せ、映画のようなドキドキ感が味わえます。
小説を読み終わった後に、曲を聴くと、新しい気づきが。
曲の前半は、感情を抑えめにした歌い方。後半のサビにかけて、感情を爆発させる歌い方。主人公であるアンドロイドの変化でしょうか。
そして、最後の歌詞の意味。
あなたの声を 厳しい言葉を なんて願うこの気持ちは どんな名前ですか またいつもと同じように 私のこと叱ってよ ミスター
「私のこと叱ってよ」、という気持ちはどんな名前なのか。
ぜひ、歌と物語から考えてみてください。
小説を歌にするYOASOBIの活動から着想を得て、Mr.ChildrenやBump of Chickenなど、自分の好きな歌を小説にして、note上で投稿しています。ぜひ、他の記事もお読みください。