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絵本レビュー&こどものこと

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#エッセイ

『うんこかん字ドリル』をめぐって

 学校で話題になったらしく、娘から『うんこかん字ドリル』を買ってほしいとせがまれた。『うんこかん字ドリル』とは、数カ月前に発売されるや爆発的に売れた「全例文に『うんこ』を使った、まったく新しい漢字ドリル」で、「子どもが夢中になって勉強する!新学習指導要領対応」とのこと。  買わないぞ! だって、あれがうんこのたのしさのすべてだと思い込んでしまったら、子どもがかわいそうじゃないか。最初から「うんこ」と書かれたドリルの、どこにどんな魅力があるというのか。あらかじめ落書きが印刷さ

彼らはついに再び冒険の旅に出た――『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』

 ドラえもん映画を見てワクワクしたのは、いったい何作ぶりだろう。新体制になってからの作品をぜんぶみたわけではないけれど、思い出せるかぎり2006年以降一度たりともこんなことはなかった。もちろん『大魔境』とか『鉄人兵団』とか『日本誕生』とかリメイクものはおもしろいし、かつての名作が現代に生まれ変わるのは嬉しい。でも、なにしろ元が超いいんだからちゃんとつくってりゃそりゃおもしろくなるよ、とつい思ってしまう。せっかく新体制で技術的にもいろいろ向上してる今、オリジナルの物語ですごいや

あれからずっと、デニス・ネドリーの復活を待ち望んでいる

 前回のブログ「全力の『ジュラシックパーク』ごっこ」であげた全4作の名場面のなかで、私の息子がもっとも気に入っているのが1作目『ジュラシックパーク』中盤の「デブのネドリーがディロフォサウルスの毒をくらう場面」。私自身が子どもの頃好きだったシーンでもある。というか私はこのデニス・ネドリーそのものが好きだ。『ジュラシックパーク』について語り始めたからには、彼に触れないわけにはいかないだろう。 ▲ ウェイン・ナイト演じるデニス・ネドリー ◆ 映画を動かすために一番がんばった男

全力の『ジュラシックパーク』ごっこ

◆ 巨匠への愛と敬意と感謝を込めて  さいきん、幼い息子が頻繁に恐竜ごっこ、というか『ジュラシックパーク』シリーズごっこに興じ、周囲を巻き込みたがる。残念ながら彼の母と姉は恐竜に興味がなく、ティラノサウルスの腕の小ささをあざ嗤い「パラサウロロフス」も「コンプソグナトゥス」も覚えられない体たらくなので、どうしても父がごっこ遊びに参加することになってしまう。 ▲ パラサウロロフス(左)とコンプソグナトゥス(右)  思えば私がはじめて自分の意思でレンタルビデオ屋へ行って借りた