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読み返したくなる短篇

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黙ってたのしく読み返していてもいいけれど、あえて考えてみる。なぜ自分はこれらを読み返したくなるのか。
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2017年3月の記事一覧

ちゃんとは覚えてないんだけど後でまた読み返したくなる――ケリー・リンク「いくつかのゾンビ不測事態対応策」

【マガジン「読み返したくなる短篇小説」バックナンバー】  ケリー・リンクの短篇小説のどれかを読み返したくなって本棚へと歩いているとき、私はおもにその小説のなかの会話の場面を読み返したいと思っている。「妖精のハンドバッグ」なら主人公の女の子とそのおばあちゃんが言葉遊びみたいなボードゲームをしながら交わす会話を読み返したいし、「いくつかのゾンビ不測事態対応策」なら見ず知らずの他人のホームパーティーに紛れ込んだ男がキッチンかどこかにいた女の子と交わす会話を読み返したい、という具合