見出し画像

多国籍チームのアメリカ入国ドタバタ事件

グアテマラからアメリカに戻り、ヒューストンで入国した日のこと。私は機械で入国し、次の飛行機まで3時間あるので報告書を書いたりしていた。プロジェクトチームにいたのは、カタール人とインド人の研修医ふたり、アメリカ人の医学生、ローカルスタッフのグアテマラ人女性だった。
 
1時間半ほど過ぎたので、どう?とテキストしたら、なんと米国居住者ラインにいたアメリカ人とインド人が今入ったばかり、非居住者ラインにいたグアテマラ人とカタール人に至っては、まだ前に9人いると返信してきた。入国後も、ヒューストンのセキュリティはとても長い。心配になって、セキュリティを出たあたりで待つことにした。
 
次に乗る飛行機の搭乗時間数分前に、やっとグアテマラ人は入国したが、清く正しいJ-1ビザを持つカタール人が、なぜか「別室行き」となってしまった。9/11後の数年、途上国とアメリカとの出入国が多い私はしょっちゅう「別室行き」だった。単にバックグラウンドの再チェックだけのようだが、30分はかかったので、心配がますます大きくなった。
 
アメリカ人とインド人にそこで待ってもらい、私はTramでゲートに行き、「残りのみんなが走ってきているから数分待ってほしい、ひとりはマヤの若い子で、その子をここに残すわけにはいかない」と懇願した。ただ、入国の遅れは航空会社の責任ではないので、彼らも待つとは言えない。
 
離陸まであと10分のとき、カタール人が別室を出て入国したと連絡してきた。騒いでセキュリティラインに割り込ませてもらってねと返信した。入国したと聞いて、ふたりを待っていたアメリカ人とインド人がまず走ってゲートまで来た。
 
残りのカタール人とグアテマラ人が、Tramを降りたからそこまで走ると連絡してきた時、私たちは飛行機に乗った。優しいインド人は、たいへんだったろうからと、走ってくるふたりのために、搭乗ゲートの前のお店でサンドイッチを買って、飛行機の入り口で二人を待ってくれた。外国人の女性ふたりが乗れないなら、私はヒューストンで一緒に一泊するつもりで、一番近いホテルの空室をチェックしたりしたが、間に合ってほしかった。
 
でもこの日、Unitedは数分待ってくれた。彼らが乗り込んだ時、お客さん数人もイェーイと言って拍手してくれた。朝7時にプロジェクト地を出て、夜中の12時半、それぞれ無事帰宅した。帰ってしまえば、こういうハラハラドキドキは楽しかった思い出となり、次回の渡航企画が始まるのだった。私は、多国籍チームで入国する時に起こりうる事態のリストを報告書に追加した。

いいなと思ったら応援しよう!