国際標準化の未来:3GPPにおけるグローバル企業と日本勢の貢献状況
先週(2024年5月)、3GPP(Third Generation Partnership Project)が6Gユースケースのワークショップを開催しましたね。先月(2024年4月)には6Gのロゴを発表するなど、少しずつ6Gに向けて活動を進めているようです。
そこで、今後の6G標準化活動において、日本勢がどのような立場で参画していくのかを考えるために、これまでの日本勢の3GPP標準化活動への貢献状況を調べてみました。
調査方法
3GPP標準化活動での各企業の貢献状況を調べる為のツールを作りました。
対象
RAN(無線アクセスネットワーク)プレナリー、SA(システムアーキテクチャ)プレナリー、CT(コアネットワークと端末|プロトコル)プレナリーで扱われた(承認)提案文書(寄書(CR: Change Request))
寄書を入力している全企業
寄書の1st Authorのみカウント
1st Author: 寄書著社欄で一番初めに記載されている会社としています
期間
取得することのできるデータ全て(最近であれば2024年3月開催のプレナリーデータ~古くは1998年)
結論
日本勢の貢献状況については、細かく言及するのは控えたいと思いますが、4G標準化活動から5G標準化活動への流れの中で、世界のグローバル企業の貢献度が上がり続けている一方、日本勢は特徴的な動きを見せています。
ここでは、日本勢の貢献状況をお見せする代わりに、グローバル企業の貢献状況について簡単に触れたいと思います。
RANにおけるHuawei(Huawei Technologies Co., Ltd.(華為技術有限公司))の貢献状況を振り返ると、その成長ぶりが顕著です。2009年のある会合での影響度(寄書の割合(寄書/総寄書数))は8%程度でした。しかし、2019年のある会合では、30%を超える貢献度をたたき出し、Huaweiはトップ企業の地位を確立しました。2009年当時のトップ企業はEricssonでしたが、Huaweiは着実に地位を上げてきました。
さらに、SAにおけるHuaweiの貢献状況も、2009年から2019年にかけて大幅に向上しています。この点で、RANと同様に、HuaweiはSAでも重要な役割を果たしてきました。一方で、Ericssonも堅調に貢献を続けており、現在でもHuaweiと拮抗する存在です。
CTにおけるHuaweiの貢献状況もSAと非常に似ており、着実にその影響力を高めてきました。
Huaweiのこうした成長は、3GPP標準化の動向を理解する上で重要な要素であり、今後も注目すべき企業であることは間違いありません
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と、誰もが知ってそうな事を書きましたが、データで見るのは初めてなので、改めてHuaweiの凄さが(日本勢との差)よくわかりました。