【バズリズムLIVE V 2023】バーチャル×リアルの裏側に迫る!!カメラマンにインタビュー!
みなさま、こんにちは!
株式会社ClaN Entertainment の勝原です。
今回は、バズリズム LIVE V 2023 特集記事・第2弾「バーチャル×リアルの映像技術に迫る!!カメラマンにインタビュー!」をお届けします!
いよいよ7/29(土)、VTuberの音楽イベント「バズリズム LIVE V 2023」が開催されます!!
特設サイト:https://buzzrhythm-live-v.clan-ntv.jp/
VTuber音楽シーンの最先端を走る豪華アーティストたちが参加する同イベントですが、その裏側には実現を支えたかけがえのないスタッフの方々がたくさんいます。本記事ではバーチャルカメラを担当された小林さんのインタビューをお届けします!!
バズリズム LIVE V 2023とは
まず初めに「バズリズム LIVE」は、毎週金曜深夜24時59分~放送中の「バズリズム02」が毎年恒例で開催しているライブイベントです。
開催9年目となる今年、ClaNと日本テレビが共同主催で初のバーチャルライブ「バズリズムLIVE V 2023」を開催することが決定しました!
日本テレビ“開局70年プロジェクト”として、7/29(土)18時よりSPWN・ニコニコ生放送で配信される本イベントは、ホロライブ所属の大人気VTuber・星街すいせいが「バズリズム02」へ出演したことをきっかけに始まりました。
同じくホロライブ所属の大空スバルをはじめ、大手VTuber事務所である「.LIVE」や「KAMITSUBAKI STUDIO」などからも、豪華アーティストが一同に集結!また、リアルアーティストであるフジファブリック、Creepy Nutsも出演予定で、リアルとバーチャルが融合した豪華セッションに期待が高まります!
バーチャル空間での「リアル」な映像とは
—インタビューにご協力いただき、ありがとうございます!本日はバズリズム LIVE V 2023についてのインタビューですが、まずは普段のお仕事について質問させてください。
小林さん:現在は歌番組のカメラは担当していませんが、以前は「ベストアーティスト」や「THE MUSIC DAY」などの特番や歌番組でSW、カメラを担当していました。
今回のようなバーチャルライブでカメラを使うというのは実は初めての経験で、非常に新鮮でした!
※SW:スウィッチャー。主に生放送の現場で複数のカメラの映像から放送にのせる映像を選択する役割。とてつもない集中力と経験が必要。
—リアルの音楽番組と比べて、バーチャルライブのカメラワークで苦戦したポイントはありますか?
小林さん:そうですね、リアルライブとバーチャルライブのカメラワークでは違う部分がたくさんあります。私は3年ほど前から、どうしたらバーチャル世界の歌のカメラワークを現実のテレビに近づけて生でSWできるんだろうと考えていましたが、一番の問題は、やはり「そこにカメラマンがいない事」だと思います。
実際にカメラマンがその瞬間瞬間に意思を持って切り取るフレームにどれだけ近づけられるか…どれくらい気持ちが込められるか…。
もし全てのバーチャルカメラにカメラマンがついていて、リアルライブと同じ操作で画を撮る事ができれば「生きたカメラワーク」を再現することも可能だと思います。しかし、それは機材的にもコスト的にもあまり現実的ではありません。
—たしかに、バーチャルスタジオに設置された無数のカメラにカメラマンを付けるとなると、スタジオ設備から見直す必要がありそうですね...
小林さん:そうなんです笑。手動でカメラを操作するには限界があります。また、unity上では先に決めたカメラワークを作ることはできても、その場ですぐに画のサイズやワークを変えるのはかなり困難です。
※unity:ユニティ・テクノロジーズ社が開発したゲーム開発プラットフォーム。撮影や技術開発など、様々な場面で使われている。
—なるほど、カメラワークを予め設定してしまうと演者の動きに対応しきれなさそうですね。では、どのようにしてカメラワークをコントロールすることができたのでしょうか?
小林さん:今はアーティストの動きに合わせて自動的に良いサイズ、フレームになるよう調整するカメラを作ってみたり、SWのタイミングでカメラの挙動を変えられるようなシステムを試行錯誤しながら作っています。
—本来カメラマンが担当する操作をシステムが判断・実行してくれるようになったんですね!!
番組や用途に合わせて、その都度システムを構築している感じです。
今回のライブでは、MUSIC VERSEとは違ってボリュメトリックとの合成の制約があり、なかなか難しい作業にはなりましたが、少なくともカメラワークやフレームについてはデザインしていた画が出せたかな、と思います。
※MUSIC VERSE:毎月最終木曜日深夜0:59から放送中のメタバース音楽番組。番組MCの「大空スバル」がレギュラーである「野口衣織」、「大谷映美里」、「髙松瞳」、「齋藤樹愛羅」、「古坂大魔王」とともにVTuberの音楽シーンをインストールしていく。
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/musicverse/
※ボリュメトリック:被写体を3次元で動画のように撮影・計測する手法。ボリュメトリックで撮影されたビデオは被写体の奥行きや別角度の状態もデータとして組み込まれている。
バズリズム LIVE V 2023でこだわったカメラワーク
—今回のライブでのカメラワークで既存のバーチャルライブとはここが違うぞというこだわりを教えてください!
小林さん:バーチャルだからこそ、のメリットがあります。
例えば、リアルなライブではお客さんの直上にドローンを飛ばすことはできません。また、ドローンが大型になるとアーティストに近づくこと自体が危険だったり、プロペラのノイズもかなり聞こえてしまいますが、バーチャルライブでは全く問題ありません。
これは非常に大きなメリットです。
そこで、今回はマイクロドローンをシミュレートしたカメラを導入してみました。
※マイクロドローン:アクロバティックな撮影、室内での運用を可能にした小型で軽量のドローン
小林さん:マイクロドローンは重力と揚力をコントロールして移動しますが、リアルパイロットと連携させて、実際の撮影で使用するコントローラーでバーチャル空間を自由に飛ばせるように開発しました。
アーティストの間近まで高速で飛行するカメラワークは、おそらくバーチャルライブとしては初めての映像になったと思います。
—アーティストの間近まで接近できたら、いわゆる「ガチ恋距離」を立体的なカメラワークの中に差し込むこともできますね!
小林さん:さらに、ワイヤーカムやスカイカムのような現実世界では非常に高価な特機も、イメージさえあれば無限に使えます!
バズリズムライブVはステージにもバーチャルならでは、といった要素があるので、ある曲ではカメラを時速50キロ超で移動させ、さらに180度縦に回転した後450度くらい横に回すなど、、、やりたい放題です笑
—凄すぎてイメージができない!!笑 これは本編映像で確認するしかないですね!!
小林さん:そんな映像をふんだんに盛り込んだ今回のバズリズム LIVE V、カメラワークにもご期待ください!!
小林さんありがとうございました!
小林さんがカメラワークを担当された「バズリズム LIVE V 2023」は7/29(土)18:00からSPWNとニコ生で配信されます。
最先端技術を用いたリアルとバーチャルが融合する、熱狂のステージをお楽しみに!