【OW2β】OWLメタリポート~week2
こんにちは、AkihabaraEncountのclankです。
普段はOWチームの出張コーチをしながらOWLのリプレイ解説配信やOWの攻略?記事を作成しています。
この記事ではOWLメタリポートと題してOverwatchの最高峰、OverwatchLeagueにおける戦術的なトレンドを記事にしていきます。
今回は、week1からのピック率の変化を比較し、それに伴う構成や戦術の変化と、新構成であるGhostDiveについて解説していきます。
ピック率の変化
まずはピック率からみていきましょう。
下の画像は僕が独自に集計したものです。
(ピック率)=(そのヒーローのピック回数/同ロールの総ピック回数)*100
となっています。
この計算だとDPS/サポートは50%が最大値になります。
初集計ということでカウント基準が曖昧かつ主観によるものな上に、時間当たりのピック率とはなっていないためあくまで参考データです。
データと実態の食い違いが特に顕著なのがウィドウメイカーで、エスコート/ハイブリッドルールにおいて攻撃側がリスポーン直後にワンチャンス掴むためだけのピックが多く、実際の稼働時間はかなり落ちることになります。
ということで信頼性の低い僕のデータだけだとお話にならないので、今回は(多分今後も)OWL公式が投稿していたメタリポートからデータを引用してみていきましょう。
引用:OWL公式メタリポートGravBag:Bangers and Mash より
https://overwatchleague.com/en-us/news/grav-bag-bangers-and-mash
自己集計したものと比べてもピック率の高さの順番には例外を除いて大きな違いはなく一安心。
先週から引き続きアナ/ルシオ/ソルジャー76が環境の中心にいる構造は変わらず、タンクにウィンストンとドゥームフィストのどちらを起用するかで分かれているといった形。
今週注目すべき部分はNoah's notesにもあるとおり、トレーサーのピック率上昇とゲンジのピック率低下にみるメタの変化。
そしてリーパー、ザリアのピック率が近いことが示す新構成台頭の可能性でしょう。
トレーサーの増加
本題の一つ目。
公式データにも追記されている通り、前週比でトレーサーは5.4%の増加。
これによってトレーサーのピック率はソルジャー76に次いでDPS二位となりました。
トレーサーが増加した原因として考えられるのは主に以下の3つ。
・ドゥームフィスト対策
・ポイントコントロールができる
・パルスボムによる1キル性能
ドゥームフィスト対策として現在主流なのが、ドゥームフィストが飛び込んでくる前段階でフォーカスを当てることでドゥームフィストに飛び込む準備をさせずにじり貧に追い込むというものです。
これをリスクを避けつつ実行できるのがトレーサーというわけです。実際の試合でも、ドゥームフィストをメインとして戦術を組んでいるatlanta、houstonの両チームはこれらの戦術に苦戦を強いられていました。
この器用な機動力というのは戦略単位でも有効な働きをします。
OWはポイントを押し進めたり、カウントを進めることで勝利するルールであるため、ポイントに積極的に触りに行くことで有利な状況を作りやすくなります。
このポイントに触りに行く役割はOW1ではフレックスタンクとトレーサーで分担して担うことがほとんどでしたが、OW2においてはその役割をタンクに任せることは難しくなってしまいました。
結果として、現状で低いリスクでポイントに触ることができるのがトレーサーだけとなってしまい、その部分が再評価された形かと思われます。
次にパルスボムによる1キル性能です。
OW2ではOW1よりも人数差を覆しにくいというデータがあり、
https://twitter.com/ggBarroi/status/1522679128050208768?s=20&t=0BVbw9aS1R4vhQNtn-
単独で理不尽な1キルを起こせるパルスボムはOW2のゲーム性にマッチしたULTであると言えるでしょう。
試合でも、OW1に比べ人数がかけてるときはリグループを重視して下がるシーンが多く見受けられます。
以上、トレーサー増加の考察でした。
ゲンジの減少
さて次にゲンジのピック率減少についてです。
ゲンジは前週比-8.1%という大幅なピック減少を見せました。理由はいくつか考えられますが、主な原因はトレーサーの増加でしょう。
ソルジャー76がマストピックである現環境では目的に応じてもう一方のDPSを使い分けていくことになります。
それぞれの強みと言えばゲンジは純粋な戦闘力、トレーサーは戦略的な器用さだと言えます。
ゲンジは先週のメタリポートでも述べたように、純粋なパワーで言えば現環境トップクラスと言えます。
一方でトレーサーはというと、火力ナーフが痛くエリア取りでソルジャー76に対して対応するのも難しいですが、その代わり戦略的に試合を有利に運びやすくする性能があります。
以上のことから、先週はシーズン開幕戦というのもあり、各チームで戦略的に重要なモノがまだ探り探りであったため、純粋なパワーのあったゲンジの採用が伸び、ある程度手の内とOW2の戦術が分かり始めたweek2ではより器用に動けるトレーサーのピックが伸びたと考えることができます。
また、トレーサーゲンジのピックの増減に関して、関係がありそうなのがエコーの採用の増加です。
先週はHoustonがメインピックしていた以外にはあまり目立ったピックの無かったエコーですが、今週は様々なチームが採用に至っています。
エコーはゲンジに近いコンセプトでありながら、ゲンジに対してカウンター性能がある一方で、トレーサーには微不利となります。
そのためゲンジに対して強いエコーが増加し、それに対して強いトレーサーのピックが伸びたというメタの流れもあった可能性もあるでしょう。
新構成「GhostDive」
次に紹介するのがザリアリーパーを軸とした新構成「GhostDive」です。
公式データでは偶然の一致か同じピック率となっていましたが、実際の試合でもこの2人のヒーローは同時にピックされることがほとんどでした。
戦い方としてはOW1におけるウィンストンザリアコンビのように、リーパーがシャドウステップで敵陣に切り込み、そこにバリアをつけるといったコンビネーションが軸となっています。
一見無謀にも思えるコンビネーションですが、OW2になって以下の変更をもらったことで現実的なものとなっています。
・CC(特にスタンスキル)の減少
・バリアを2個スタックできる
・バリア効果時間の増加(2秒→3秒)
上記の強化要素がありつつ、環境的な追い風も受けています。
近距離戦を得意とするリーパーは流行中のウィンストンに対して天敵となりますし、サブタンクもいなくなったことで直接止めることが非常に難しくなりました。
また、ザリアはバリアによって、リーパーはレイスフォームによってアナのバイオティックグレネードの回復阻害効果を解消することもできます。
戦闘の行方を決めかねない強力なスキルを、(状況を選ぶとはいえ)後出しでなかったことにすることができるのは他のヒーローにない強みと言えるでしょう。
これらの強みを持ちつつ近距離戦での火力の押し付けが強みとなるこの構成は、狭いエリアでの戦闘が起こしやすいマップを中心に採用を伸ばしています。
一見ウィンストン構成に対して有利に立ち回れそうなGhostDiveですが、採用しているチームが一部で、なおかつ限定的なマップでの運用であることを考えると、そもそも運用が難しいまたは汎用性という面でやや劣るのかなというように見受けられます。
あとがき
以上week2のメタリポートでした。
week3からはイーストグループの試合も始まり、いよいよOWLが完全な形で開催されることとなります。
イーストグループではGhostDiveが流行っていると噂があったり、そもそもトレソンやボールを軸としていたチームも多く、現在試合の行われているウェストグループとは一味違った試合展開が楽しめたらいいなあと思っています。
また、来週からは自己収集データを用いた比較考察も本格的に行えるのでメタリポートもより充実したものになります。なるといいなあ。
OWLが配信しているときは裏で観戦&解説配信をしていますので興味ある方は見に来ていただけると嬉しいです。
それでは。
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