意外と強いトールビョーン解説
AKIHABARA ENCOUNTのclankです
今回はリクエストをいただいたトールビョーンの解説です。
最近のOWLでもピック率が伸びているヒーローであるトールビョーンの運用や可能性について掘り下げていこうと思います。
1,トールビョーンの性能解説
まずは性能解説をすることでトールビョーンの基本的な強みを考えていきましょう。
あまり細かい数値には触れずざっくりとした性質にのみ触れていきますので、細かい数値を確認したい方はyutori(@umarutoon)さんのOWwiki(https://seesaawiki.jp/overwatchwiki/)をご覧ください。
1-1,メイン武器
トールビョーンのメイン武器は近距離で火力を発揮できるショットガンと、距離減衰のない単発射撃の二つを打ち分けることができます。
単発射撃は距離減衰が発生しない特性を生かしてスナイパーと同じ距離から盾割りや、油断している後衛への牽制として用いることができます。
また、ショットガンと比べて弾薬消費が少いためリロード回数が少なくなり、射撃間隔も短いことからAIMさえあれば近距離でも単発のほうが優先されるでしょう。
一方、ショットガンのほうは近距離でしか火力が出せないかつ、射撃間隔も長く弾薬を3消費(フルオートで1マガジン6発)する、ショットガンの特性上アーマー持ちにダメージが通りづらいなどの弱点が多く目立つため、役割は近距離用というにはやや限定されると考えます。
ショットガンは主に近距離で瞬間的な火力が欲しいときや、フランカーに牽制したいときなど、思ってるよりも使う場面は少なくなります。
一応、散弾が全弾HSすれば体力250のヒーローまでは1ショットで倒すことはできるのでそこが単発よりも優位な点と言えます。
近距離、遠距離で使い分けるというのが一般的に思えますが、たいていの場合単発を打ったほうが強いと言えるでしょう。
1-2,サブ武器-ハンマー
基本的にはタレットの修理用となります。敵に向かって使うことはほぼありませんが、一応範囲近接攻撃なのでサージに3人以上つかまってる時であれば、メイン武器よりも火力が出ます。
まじめな話をするならば盾を貫通する特性を生かして、盾を構えた瀕死のラインハルトや、盾を反復横跳びする瀕死のヒーローへのとどめ用として使用することがあります。
1-3,タレット
トールビョーンの代名詞。設置後数秒で完成しその後は補足した敵を攻撃し続けます。
DPS56とそこまでダメージ量は高くはないものの確実に敵にダメージを与え続けるという特性から、対フランカー性能が高く、ぐちゃぐちゃな集団戦中の堅実なULT稼ぎ兼ファイナルブロウ役として運用したい。
欲張って集団戦前から敵に射線が通る位置にタレットを置くと集団戦前に壊されてしまい役割を果たせないため。設置する場所は集団戦が起きたときに機能する場所、または裏取りしてくるトレソンブラを邪魔できるポジションがベスト。
敵の戦術やピックされているヒーローに合わせてタレットを置くポジションやタイミングを変えることで柔軟に戦うことができます。
1-4,オーバーロード
自身を5秒間大幅に強化するスキル。耐久力、攻撃力、移動力すべてにバフがかかる、他DPSのスキルと比べてもかなり強力な部類のスキルといえます。
特に耐久力に関してはDPSの中では頭一つ抜けており、無敵ではないものの耐久を上げながら反撃できる点が非常に優れています。
主な使いどころは三つ
・ポークするとき
・ラッシュするとき
・自身がフォーカスされたとき
敵の編成や戦術に合わせて的確な使い方をしましょう。
一応、ハンマーを振る速度も上がるのでタレットで射線を切りながらタレットを修復して耐えるという小技もあります。
ここで気になるのはオーバーロード中の効果的な射撃方法ですが。
ショットガンのみの場合、オーバーロード中に6発発射でき、総ダメージは750。
一方単発のみの場合、オーバーロード中に11発発射でき、総ダメージは770となります。
ショットガンの場合、効果時間を1秒強残して弾薬を使い切ってしまうため総ダメージは伸びません。一応、撃ち切った後ハンマー持ち替えで二回ほどオーバーロード状態で殴れるので110上乗せで860まで出すことはできます。
瞬間火力では圧倒的にショットガンのほうが上なのでもちろん使う場面はありますが、弾薬効率やヘッドショットのことまで考えると単発のほうがいい場面が多いように思えます。
ちなみにオーバーロード中に出せる最大ダメージは920で、単発6発の後にショットガン4発でオーバーロード効果時間内にちょうど全弾薬を消費してこのダメージを出すことができます。
現実的な範囲での最高火力は、単発→ショットガンの打ち分けで単発の射撃間隔が適用されることを利用した最後の一発だけショットガンにする825ダメージでしょうか?
とはいえこれらはすべてヘッドショットなし、前段命中の前提の話で実際には状況次第ではあります。しかしオーバーロード中全弾ショットガンはやや無駄が多いので、単発を織り交ぜる打ち方が強いと考えられます。
1-5,モルテンコア
トールビョーンのULTです。カテゴリ的にはDvaの自爆や、レッキングボールのマインフィールドと同じゾーニング系のULTとなります。キルを直接狙うというよりも、敵の行動を一方的に制限することで試合を有利に運ぶことを目的としたULTと言えるでしょう。
基本的にはポイントのライン際や、とられたくないポジションへ使用することで敵の侵入を防いだり、敵の退路を断つことで不利なポジションでの戦いを強制するように使います。
10発撃つことが可能なので、最初の何発かで侵入を防ぎ、残りで退路を断つなどの使い方もできます。
またもっとも強力なのがオーバータイム下でのポイント周りへの使用で、敵はダメージ覚悟で突っ込んでこざるを得ないので集団戦が非常に有利になります。
敵の行きたいポジションを読んで使うことで見た目以上に大きな効果を発揮するULTなので、OWというゲームに慣れるほど強力に使いこなせるULTと言えるでしょう。
また、自身の足元に設置することで敵が踏み込んでこれない安全地帯を作ることもできます。
弱点として盾やディフェンスマトリックスで防がれてしまうので、それらを張られてるときは思ったような位置に飛ばせなくなります。
また、発動が早すぎると敵が完全に引いてしまって無駄になってしまうこともあるので、集団戦のイニシエートに使うというより、十分なハラスやポークを行った後に使うとより効果的に使えます。
2,性能から考察する基本運用
僕の考えるトールビョーンの基本運用は、広範囲に及ぶエリアコントロール性能を生かしたポーク戦術です。
トールビョーンの他ヒーローにない強みとして挙げられるのが、タレットと自分自身によって二つのポジションを同時に制圧ができ、単独でクロスファイアを組めることです。
この強みによって敵の位置把握および、エリアコントロールが非常に容易になります。敵のロームやフランクを抑制しつつこちらは積極的にクロスを組みに行くことができます。
このエリアコントロール性能によって敵を正面に集めて、ポークをするのに最適な環境を作ることができます。
そして、そのエリアコントロール中心のポーク運用を支えるのがオーバーロードです。オーバーロードは純粋な火力運用だけでなく、自身がロームして敵に狙われたときの防御手段にもなり、また、ポーク戦術の弱点といえる近接戦への回答にもなります。
正面へ密集させた敵への火力の押し付け、近接戦の拒否および反撃に使えるオーバーロードはポーク戦術の火力面、防御面を両面から補強できる超有能スキルと言えるでしょう。
また、このエリアコントロール性能の補強、そしてエリアコントロールしきった後のトドメとして刺さるのがモルテンコアです。
集団戦の序中盤では敵のULTを使った強引なローテーションやラッシュを抑えることができ、エリアコントロールの主導権を握って敵を一か所に集めてしまえばこれ以上ない締めのULTとしても機能します。
このようにトールビョーンはエリアコントロールの主導権を握るための手段が豊富であるため、それを生かしたエリアコントロール主体のポーク戦術が有効であると考察します。
2-1,なぜ今トールビョーンの採用が増えているのか
では次に、OWLにおいてトールビョーンが増えてきている理由を考察してみましょう。
結論から言うとトールビョーンの採用が増えた原因は、環境にトレーサーソンブラを採用したダイブ構成が増えたことが第一に挙げられるでしょう。
トレーサーソンブラのダイブ構成の核は、トレーサーソンブラ両名が敵バックラインまたはサイドのエリアに潜り込むことで得られる情報アドバンテージと、背後、サイドからの挟み込みににあります。
敵の位置情報を目視によって正確に味方に共有することでタンクが無駄に被弾することなくダイブの準備を整えることができ、それがそのまま敵を背後から刺すための刃となり、また安易なロームを許さずエリアコントロールの面でも優位に立つことができるのです。
トールビョーンはこの背後への潜り込みを牽制しつつ、オーバーロードを盾にロームもこなすことができるためにエリアコントロールの面からトレーサーソンブラダイブの核をつぶすことができます。
タレットによって背後への安易な侵入を防ぐことで敵の情報獲得を制限し、また背後からのサポートラインへの奇襲も防ぐことができるため、安心して正面対正面の集団戦に持ち込むことができるというわけです。
一方で、ゲンジやハンゾー、エコーを採用した、正面からのバーストダメージで強引にワンピックをもぎ取るようなダイブ構成に対してはエリアコントロール性能がうまく働かず不利がついてしまうため、オリーサトールビョーンのようなダイブを受けることに特化した構成に対してはこれらのヒーローがピックされることも増えてきました。
まとめると、現代OWの核ともいえるトレーサーソンブラに対してほぼ一方的に有利が取れる性能は持っているためにピック率は伸びたものの、トールビョーン対策自体は比較的容易なため対抗策はすでに出現しつつあるといった感じです。
3,実際の運用と立ち回り
最後に実際の運用からトールビョーンの立ち回りを考えていきましょう。
ちなみに、おそらくもっとも効果的にトールビョーンを運用しているのがOWLのSFSになります。neroのトールビョーンは単騎での動きの素晴らしさもさることながら、SFSのチームとしての動きも完璧なマッチなのでこちらの動画のhanamuraだけでも一度見てみることをお勧めします(https://youtu.be/VQ_9dIVRgDI?t=1554)
3-1,ポジションの取り方
ロームポジション
防衛における最もベターともいえるポジションの仕方。
オーバーロードによる耐久力を生かして単独で本陣とクロスを組めるポジションをとることで、ポークによる火力を最大化することができます。
相手に対して、ソロのトールビョーン、本陣どちらを狙らうかの択を取らせつつ、その実どちらを選ばれても相手の側面を取れるために火力的な有利がとりやすい陣形です。
一方で、本陣から離れるとお互いの連携が難しく適切に火力が出せないとただただ戦力を分散するだけになるリスクがあります。
また、互いにカバーをしつつクロスを組めるマップ構造でないと十分に機能しないためマップは選ぶ他、こちらがポイントをホールドしているときしか使えないので防衛専用のポジションと言えます。
グループポジション
タンクと同じポジションにいることを指します。
クロスを組むメリットをほぼ生かせませんが純粋に連携がとりやすくなるほか、マップ構造によって左右されないので攻めで使うことの多いポジションです。
タレットの置き方を工夫しないとクロスを組むことが難しいですが、正面でぶつかり合った時の耐久力、攻撃力は中々のものなのでそれを生かしたラッシュ、カウンター寄りの戦術を得意とします。
反面、敵により特化したポーク戦術を取られたときはやや苦しい戦いになります。
3-2,タレットの置き方
オフアングルタレット
敵のセットアップ位置からは見えない位置に置くタレット。敵がエンゲージしてきたときに機能するため、敵はフォーカスを優先してタレット破壊が二の次になるためにキルにつながりやすいです。
本陣とクロスを組んでダメージ量を重視した位置に置く場合と、バックラインのケアを重視して配置する場合の二つがあります。
クロスを組む形の場合、ダメージやキルは期待できるもののやや破壊されやすいため、敵にタレット破壊の余裕を与えないようにエンゲージするか、スプリット配置した自身や味方の補助のために置くようにすると壊されにくくダメージを出しやすいでしょう。
バックラインケアの場合、味方サポートラインに絡んでくるトレーサーソンブラを意識したポジションに配置する必要があります。
先行してバックラインに潜り込んで裏から火力を出したいトレーサーやソンブラの動きを大きく制限できるため、それらを採用した構成に対して大きな圧力となります。
現在最も主流なタレットの置き方であり、特に防衛の場合9割がたこの置き方になります。
インスタントタレット
エンゲージが起こった瞬間にタレットを置く方法。集団戦中に確実にタレットでアドバンテージを稼ぐための置き方。
タレットは置いた直後は脆いため、敵の攻撃に巻き込まれないように注意が必要です。
完成さえしてしまえば実質7v6の集団戦ができるほか、タレットを盾にしてダメージを防いだり、敵のフォーカスが散ることによるダメージ軽減など防御的な効果も期待できます。
自分たちから積極的にポジションを変えていくラッシュ戦術や、一か所にいることが少ない攻めの中で使うことが多いです。
4,あとがき
以上、トールビョーン解説でした。
あまり注目されていませんが、現環境で強力なトレソンブラに対してカウンターが取れ、エリアコントロールに秀でているトールビョーンは意外と環境にあっているヒーローだと考えます。
使う際は相手の行動を制限することを意識するとうまく使えるかもしれません。
一つ注意したいのが、ショットガンに頼りすぎないことです。今回記事を書くにあたっていろいろ検証したのですが、近距離でも基本単発のほうが強いという事実に気が付いたときは残念な気分になりました。
とはいえオーバーロード状態での瞬間火力は特筆に値するので、盾のないタンクをフォーカスするときなどは有用なのでうまく使い分けていきましょう。
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。それでは。