ヨーロッパの無料のプログラミングスクールHack Your Futureについて
NPO法人CLACK代表理事の平井です。
CLACK(以下クラック)では主に、経済的・環境的にしんどさを抱える高校生を対象に継続的にプログラミングを学ぶ機会を提供しています。
今年の9月に縁あって、海外でクラックに似た形で世界4カ国で実施されているプログラミングスクール「Hack Your Future(以下HYF)」に訪問し、実際の教室の様子を訪問することができたので、HYFの特徴やクラックとの比較をしてみました。
難民の方や社会的に困難を抱えていて十分な職につけていない方向け
HYFでは難民や移民、長期間職につけていない人、シングルマザー、障害をもった人など様々な困難を抱えていて、十分な職につけていない方を対象としています。
交通費も含めて完全無料
授業料・教材費など完全無料。また通うのにかかる交通費も、対象の方には負担になってしまうことも少なくないため、支給しています。
期間は7ヶ月
週に1回(日曜日)・対面でのエンジニアによるプログラミング指導&進捗チェックへの参加と、家庭での週30〜40時間の自習を課しています。
各期間15名という少人数制
プログラミング未経験、かつ様々な困難や障害をもった方
、十分な教育を受けて来ていないということが対象の方には多いそうです。
そのため、一般的なプログラミング学習者よりも技術面の習得に特別なサポートが必要であったり、精神的なケアが必要になってくることも少なくないようです。
そのため、HYFでは15名という少人数を1つの期間の受け入れ最大人数としているとのことです。
15名の選び方は書類と電話または対面での面談。
2ヶ月に1度新しい期が始まるため、一度選考に落ちても再度応募するのも可能とのこと。(むしろ何度も応募してきた方の熱意を評価することも多いそう)
サポートするのはプロのエンジニア
週に1回の対面でのプログラミング教室はプロのエンジニアの方がボランティアでサポートしています。
エンジニアの方はなぜ無料で関わり続けるのかをHYFの代表に聞いたところ、
①週5日は企業で働いて、土日はまた別の社会的な意義のあることがしたい。
②いろんな企業のエンジニアが集まって、学びあったり、そこからプロジェクトが生まれたりするのが面白い。
というのがエンジニアの方のモチベーションになっているらしいです。
実際のHYFでプログラミングを学ぶ風景(写真撮影と掲載の許可はいただいています)
教材やTipsをGit hub上に公開
プログラミングを学ぶ上で用いる教材や運営で必要なノウハウをGit Hub上に公開していて、他の国や地域でもどんどん使って欲しいというスタンスです。
教材はこちら↓
そのため、最初のオランダ拠点ができてからわずか3年ほどで、デンマーク、ベルギー、カナダでもHYFの拠点ができています。
・学ぶ言語/フレームワークなど
学ぶ言語やフレームワークはフルスタックのWebエンジニアとして活躍できるように、HTML, CSS, JavaScript, node.JS, My SQL, Reactを学びます。
また、GitHubやSlack,Trello など現在の開発でよく用いられるツールもHYFでは使って慣れてもらっています。
また、就職活動に必要な面接練習やIT企業訪問の機会も提供しています。
運営資金は寄付が中心
HYFオランダでは、プログラム参加者をソフトウェア企業に紹介し、その紹介料としての収入が40%を占め、残りは寄付で回しています。
(僕が訪問したHYFデンマークでは現在寄付100%で運営していて、今後10%、20%と徐々に人材紹介でのfeeを増やしていきたいとのこと)
以上が、Hack Your Futureの特徴となります。
Hack Your FutureとCLACKの比較
Hack Your FutureとNPO法人CLACK(以下、クラック)は対象となる年齢層が異なるため、プログラム修了後に目指す姿こそ異なるが、プログラミング学習機会提供の方法が非常に似ていると思ったので表にまとめてみました。
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