明日は演奏会
明日は、私が所属している吹奏楽団の演奏会本番。
ここの団に入って3年目、私は普段、ベークラリネット(通称べークラ…よく見る普通のクラリネット)を担当しているが、今年の演奏会はエスクラリネット(通称エスクラ…べークラより小さくて高い音が出る)を担当することになった。
中学生の頃のコンクール等で吹いたことがあり、経験者である、ということで、私がエスクラ奏者に選ばれた。
久しぶりのエスクラ、このエスクラにまだ慣れていなかった私は、吹くことがとても大変だった。音もきれいに出なければ、音程もうまくとれない。
あぁ、きつい。そう思っていたが、ある日の練習、常任指揮者の先生が「音良くなったね」と言ってくださり、パートの方々にも褒めていただき、上達してきてるのか、と気付いた。
部活と違って、毎日のように、他の部員と共に練習するわけではない一般団体は、一人での練習が多く、自分の上達にあまり気づけない。そうして褒めてくださるのは、とてもありがたかった。
今年の演奏会は、全体を通して、ソロ(たいてい、一人でメロディーを吹くことをいう)が多い曲をたくさん演奏する。
その中に、私にもソロパートがある。その部分は、さほど長くないが、エスクラでのソロ、というところが私を緊張させる。
合奏で、そのタイミングが来ると、(((失敗しませんように!!!)))と心の中で叫んでしまう。そんなの、私の練習量でカバー出来ることだというのは知っている。
明日もそんなことを思いながら吹いてしまうのだろうか。
それでも毎年、演奏会は楽しみだ。
昼休憩から本番の前に、先輩に髪を可愛くしてもらったり、演奏会が終わったら、みんなでお食事に行けたりする。今日、ホールでの練習の中、明日はどれくらいお客さんが入るかな、などと考えながら、ワクワクし始めてニヤけてしまったくらい。本番も、最初は緊張することが多いが、あとの方は緊張などすっとんで、夢中になりながら演奏できる。
いつもと同じことをしているはずなのに、全く違う。そのときを、大切にしたいけど、あっという間に過ぎていく。あっという間に終わっていく。
やっぱり本番は特別なのだろう。
今まで、半年ほどかけて練習を積み重ねてきたが、明日をすぎたら、次に(コンクール曲を除き)その曲たちを演奏するのはいつだかわからない。
いい演奏会にできるように最後の最後まで、調整を詰めたい。
お客さんに楽しんでもらえるように。
演者として、楽しんで演奏できるように。