それはクリーンではありませんね|私の体験
こんにちは。
クリーンランゲージのクリーンは、「自分の思い込みや決めつけで、他者の世界観を汚染しないこと」という意味があります。
この「思い込み」や「決めつけ」は、どこからやってくると思われますか?
本日は、つい最近発生した、私自身の「思い込み」や「決めつけ」が、私がファシリテートしたセッションに影響してしまったお話です。
それはトレーニングの中での出来事でした。
クリーンランゲージ&シンボリック・モデリングのセッションは、「あなたは何が起きればいいのでしょう?」という質問からスタートします。
そのとき、クライアントは、すでにシンボリック・モデリングを習っている人で、「私は〜のときに、最高の状態の自分を探究したい」とリソースワークというわかりやすいお題を出してくれました。
それを、メタファー(何かを何か別の体験で言い表したもの)にしようとしたところ、クライアントは「すでに、メタファーを持っている」と言いました。
そして、「ある俳優さん」が演じた「ある役柄」の名前を言いました。
それから、少しばかり、その「ある役柄」の特徴を言いました。
そうして、20分ほどの短いセッションは終わり、トレーニングなので、一緒に参加している人たちからフィードバックをもらいました。
その中で、「なぜ、<ある役柄>についてほとんど質問しなかったのか?」という質問が登場しました。
私は、「すでに探究した後のメタファーのようだったので、あまり尋ねなかった」と答えました。確かにそうだったのです。
私は、何か新しいものを見つけにいこうと思いました。
ところが、フィードバックが続き、そのあと、別の話題に移り変わってしばらくして、私の中に気づきが訪れました。
「あ!!!!!」
私は、自分が、「思い込み」、「決めつけ」たことに気がついたのです。
それで、「あの〜」と私は発言しました。
「あの、さっきのセッションの中で、私はクリーンではありませんでした」
皆が怪訝な顔をする中、私は言いました。
「あのですね、ご存知の方もいると思うんですけど、私、その俳優さんの大ファンなんですね」
そこで、そのことを知っていた人が「ああ、なんか言ってたね」と笑いました。
「それでですね、確かに、私がその<ある役柄>についてほとんど尋ねなかったのは、クライアントがそれはすでに発展させた後だと考えたからというのもあるんですが、あのですね。
クライアントが<ある俳優>と<ある役柄>を口にしたとき、私には、はっきりそのイメージができちゃったんですね。私は大ファンで、その<ある役柄>のドラマは全部見たから」
そのとき、クライアントだった人も含めて、そこに参加していた人は、大笑いになりました。
私は笑いながらも、あ〜、やっちゃった!と反省しました。
私は、自分が知っている<ある俳優>と<ある役柄>の特徴を、クライアントがそのまま言ったので、「うん、うん、わかる」と「思い込んでしまったのです」
そして、その自分の頭の中のイメージで「決めつけてしまったのです」
「というわけで、私は、クリーンではありませんでした」と、私はもう一度、言いました。
・・・・・・・
いかに、自分の頭の中と、自分がする質問を切り分けるかが、クリーンランゲージのセッションでは勝負です。
自分の頭の中の自分独自の考えや価値観を、質問やセッションの運びに介入させないことは、非常に重要です。
「思い込み」や「決めつけ」、「自分独自の考えや価値観」はどこから来ると思いますか?
自分自身の経験です。
そして、その経験は、必ずしも悪いものとは限りません。
「思い込み」や「決めつけ」、「自分独自の考えや価値観」、それらは、その人の人生を彩るリソースだったりすることもあります。
私がある俳優さんの大ファンで、ある役柄が大好きなのは、ちいっとも悪いことではありません。
「うん、うん、わかった!」と、セッション中に、勝手にそのメタファーのことをわかったような気分にならない限りは。そして、「思い込み」と「決めつけ」で、そのメタファーにする質問数を減らしたりしない限りは。
自分独自の考えや価値観は、実に細部に渡ります。
だからこそ、クリーンな質問は、本人すら気づいていないそれらのものが、クライアントの世界にできるだけ影響を与えないように、クリーンな質問と組み合わせて使えるのは、「クライアント自身が口にしたそのままの言葉だけ」ということになっています。
ともかく、私は、自分が好きなものでよく知っているものが登場したとき、「あ〜、わかるわかる」と思ってしまう自分(思い込んで、決めつけてしまう自分)がいるということを確認したので、まあ、よしといたしました。
こんなにピンポイントで、セッションに、自分が大好きな俳優さんの、大好きな役柄が登場することは、まあ、そうないと思いますが、その俳優さんのその役柄がメタファーとして登場すると、私はクリーンではなくなるということを、よく覚えておくことにしたいと思います。
では、また。
ホームページはこちらから。「今日から使えるクリーンな質問」あります。
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