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お土産③:ここまでとこれから
こんにちは。
①②はこちら
この集まりのメインテーマは「クリーンの未来を考える」でした。
未来に進む前に、空間と言葉を使って、これまでを振り返るワークをしました。内容は、それぞれが知っている、もしくは使っている「クリーン」を使うモデルやプロセス、技法などを付箋に書いて、それぞれが壁にペタペタ貼り付けていくというもの。
空間と言葉は、クリーンな世界がお得意な要素です。
「クリーン」で括られる技法の中には、言葉を使うもの、空間を使うものがあります。
私が教えているものでは・・・
*言葉を使うもの:クリーンランゲージとシンボリック・モデリング
*空間を使うもの:クリーンスペース
そして、「知っていること」「使っているもの」はリソースです。
集まっていた人たちは、様々なことをやっていますので、壁には「わ〜、こんなにたくさんあるのね」というくらいの要素がずらりと並びました。
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日本にすでに紹介されているものは、この中のどれくらいでしょうか。まだほんの2割、3割くらいじゃないかなと思います。クリーンが繋いでいる世界は広いんですね。
クリーンランゲージそのものがシンプルなので、他の技法とのコラボレーションもよくされているため、コラボレーションものもありました。
最初に開発されたのは、「クリーンランゲージ」という質問セットです。これはもうおおよそ30年前になろうかという頃に誕生しました。
質問を考えたのは、主にデイビッド・グローブ。それから、本当に様々な方が開発過程には絡んでいたと聴いております。
クリーンランゲージの世界の中では、デイビッド・グローブが「シンボル・アイコン」として成立している節があります。全ての名誉をデイビッドに集約してあるのは、力関係が生まれないようにするための工夫かなと感じることがあります。(後は、実際に彼に出会った人たちが、本当に彼を好きだったのだろうという感じがします)
現実的な話としては、実際のところは、どんな実験や開発もそうであるように、そこには影になり日向になり、様々な協力者がいたということです。まあ、そうだろうな・・・と推測はできます。コミュニケーションに絡むことの実験は一人ではできませんし。
私自身は、クリーンランゲージを知った時点ですでにデイビッド・グローブが亡くなっていたのと、私は歴史家ではないので、彼本人には開発者として尊敬している以上の興味がありません。そのため、この辺りは技法成立過程として知っておいた方がいい知識としてのみで、必要以上には追いかけていません。その場にいたら刺激的だっただろうなあと思うことはあります。ちょっと生まれてくるのが遅かったですね。笑
デイビッド・グローブの人となりや開発の歴史にご興味がある方は、この本に、生前様々な時期にデイビッド・グローブと関わった様々な方が寄稿している本があります。
The Work and Life of David Grove: Clean Language and Emergent Knowledge (English Edition)
ともあれ、そうやって20年以上かけて出来上がった質問セット。
基本の質問とされているのは、8〜12個が選ばれることが多いです。合計は、約40個程度あります。その質問セットには、基本原則/方針として「クリーン(なスタンス)」という考え方が存在します。在り方、考え方、やり方の基本方針です。
やがて、質問だけではなく、「クリーン(なスタンス)」という考え方・在り方も広がり取り入れられ始めます。そして現在では、クリーンランゲージの質問をそのまま使うだけではなく、この「クリーン(なスタンス)」の方を導入して、「前提はあるけれど文脈的にはクリーンな質問」を使ったプロセスや技法なども誕生しています。
私が壁に張り巡らされたカラフルな付箋を眺めながら思ったこと。
開発者のデイビッド・グローブも「クリーン」という概念を使った技法やモデル、プロセスなどがこんなに増殖していくと想像していたのかな、どうでしょうか?
彼亡き後も、クリーンに魅せられた人たちが、実験開発に夢中だった彼のスタンスを受け継いで、新しいことの実験や開発にせっせと励んだと知ったらびっくりするんじゃないでしょうか。
この現象は嬉しいのかしら、嫌なのかしら、開発者とはどういう気持ちなものなのかしら?などと、楽しく想像していました。
この後、この壁の右側に、今度は「使っていないけど知っていて説明できる技法やプロセス、モデル」がある人は付箋を貼ってくださいという案内があり、右側の壁にもペタペタ付箋が貼られていきました。(写真を撮り忘れました。ごめんなさい!)
その中で、私が興味を惹かれたものは、「Clean World(クリーン・ワールド/クリーンな世界)」と書かれた付箋でした。
このClean Worldの意味するところが「ゴミが落ちていなかったり空気が綺麗だったりする世界」という意味でないことは、明らかです。
「どんな技法?」と興味津々になった私は、その付箋を貼った人に尋ねにいきました。
聴いたところによりますと、Clean Worldは、現在「クリーンスペース」として普及している空間を使用したワークの前身のようなものだということでした。本当に短い期間だけ行われていたそうです。
質問に答えてくれた人は、一度だけ、Clean Worldのワークショップに参加したことがあるそうです。「深くまでいきすぎる」という理由で、それはボツとなったらしいようでした。
その人も、そのワークショップで一度だけやってみたけれど、二度とやろうとは思わないということで、今後もそれについては、どこにも書く気はないということでした。
(深くまでいきすぎる・・・という理由で、やらない方がいいということでしょうかね)
このように、「クリーン」には、今に残っていないプロセスやモデルも多々あるそうです。
実験開発過程に関わった人たちは、刺激的だけれども、まあ、大変な目にもあったということでしょう!
ちょっと参加してみたかったと思う反面、散々、実験を繰り返し、だいたい誰にでも安全に使用できるように整えてもらったモデル(シンボリック・モデリング)を使えるありがたさも同時に感じたりしました。
この壁に並んだ付箋を見て、私がもう一つ納得したのは、何かを思いついて、「これはどうなんでしょう?」と問いかけてみたときに、クリーンな世界の先輩方は、「やってみれば?」とか「やってみないとわからないよね」というような反応が非常に多い理由でした。
このように、次から次に、ポコポコ何かを生み出すことを楽しんできた人たちの集団の中では、それは思いついたら「やってみれば?」になるよねと納得したのでした。
さて。
これまでの振り返りが終わったところで、「未来」に進みます。
まだまだ続く。
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