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ワンポイント・メモ | 知恵 | 初心者から中級者向け
こんにちは。
今日は、知恵について書いてみようと思います。
クリーンランゲージを使う質問が、どんな知恵を引っ張りだそうとしているのか?
それを理解していれば、特に経験値が浅いファシリテーターさんが、「ああ、自分の質問が間違えていたのか...」とか「ああ、クライアントを見失った...」とか思わずにすむかもしれない。
というのが、これを書く、私の意図です。
この知恵の話で重要なのは、あなたがクライアントの時のことです。
「これは知らなかった」
「驚いた」
「何が起きたか、さっぱりわからない」
「なんか変」
クリーンランゲージを使うセッションでは、こんな感じのことを、クライアントはしょっちゅう言います。
クリーンランゲージでは、その人自身からしか情報を得ることはできません。
必ず、情報は、「その人という存在のどこか」からもたらされるものです。
それなのに、驚く。
それは、なぜでしょう?
それまで注意を向けたことがない場所から、それまで意識上に上がったことがない情報を得るからです。
質問されて、初めてコンタクトした場所もあるでしょう。
クリーンランゲージは、つまり、「持っているけど、知らない知恵」とクライアントを、繋げようとしています。
または、「新しい知恵」を生み出すことをサポートしようとしています。
知恵の創発と呼ばれます。
その人自身が知らない、その人にとって新しい知恵。
そういうものが、クリーンランゲージが注目している知恵です。
ファシリテーターが、クライアントが得る知恵を知るわけがないのです。クライアントだって手探りです。
そして、新しい知恵を生み出すには、それなりに時間がかかり、それなりに、環境が整う必要があります。
だから、この場合、あなたに必要なのは、忍耐力と、クライアントに対する信頼です。
そして、それらのまだ使ったことがない知恵を体験してもらい、「生きた知恵」として持って帰ってもらうために、「身体化」します。つまり、体とそれらの知恵をくっつけます。
この一連、そこに、メタファー、を使っています。
クリーンランゲージでメタファーを使うときは、空想遊びをしたり、イメージのビジュアル化の意図はありません。
知恵とその人を結ぶ手段として、メタファーを使っています。
ですから。
経験が浅いファシリテーターさんは、クライアントから、メタファーの説明を得ることに夢中になります。
けれど大事なのは、クライアントとメタファーを繋げること。
クライアントがメタファーの中を生きられるようにすること。
なのです。
クライアントに知恵を伝えてくれるのは、メタファーだからです。
メタファーがもたらす情報は、セッションの中だけでは完結しません。
ファシリテーターのあなたが、いくら全てを把握したいと思っても無理なのです。
メタファーはむしろ、セッションの後に、いい仕事をします。
だから、クリーンランゲージのセッションには持続性があります。
ファシリテーターのあなたの仕事は、知恵、つまり、メタファーとクライアントをしっかり結びつけること。
さあ、どうでしょう?
経験の浅いファシリテーターさんが、うっかり忘れがちな質問が、どんなに重要か、理解できるでしょうか?
さあ、どの質問だったでしょう?
つながるためには、それが、どこにあるかわからないとつながりようがありませんね。
「そして、それ(そのX)は、どこにありますか?」
そこからが、クライアントと知恵のコンタクトの始まりです。
あなたの仕事は、知恵とクライアントが出会えるようにサポートすること。
あなたが知恵について知っている必要はありませんし、あなたが気づく内容を導くのは不可能です。
あなたもクライアントも、どのメタファーが知恵をもつメタファーかすら知らないのです。
だって、それは、新しい知恵ですから。
知恵と一緒に生きてみるまで、わかりません。
この作業、私自身は、縁結びの手伝いをしているような気分になることがあります。
ファシリテーターは、マッチングアプリ?笑
では、また。
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