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余談ですけど | これからの日本社会に
こんにちは。
余談ですが…
正直なところ、私は、クリーンランゲージは、これまでの日本社会ではあまり必要がなかった技法だと感じています。
既存の主に共感的理解をベースとしたコミュニケーション技法で十分だと感じていました。
それでも、私は、クリーンランゲージや、それを使用するシンボリック・モデリングを選びました。
未来へ伝えたい、日本社会の未来を助けたいという理由でした。
人に伝えられるようになるまでに、準備の時間を10年取ったのも、「未来へ」が理由でした。
そうして、感じていた未来が、少し今になり始めて、私はクリーンランゲージやシンボリック・モデリングを日本語の自分の言葉でシェアすることを、本格的にスタートすることにしました。
それは、クリーンランゲージの根底に流れる基本的な価値観と関係しています。
「人は同じ話を聞いても、同じようには理解しない」
「人の世界観や価値観は、その人の記憶と経験から作られる」
例外はいつでもあり、少数派もいつでもいますが、団塊ジュニアの世代くらいまでは、多少は違えど、似たり寄ったりな環境で子供時代を過ごしてきたと考えられるからです。
メディアはテレビ。
流行りの音楽はみなが知っている。
習い事の種類は少ない。
家族構成は、多くの家で、働く父親に専業主婦の母親。
学生時代に留学経験をする人はごくわずか。
周りにいる人々は、黒髪に黒い目。国籍は違えど話す言葉は日本語で、日本文化に馴染もうとする人が主。
時は流れ、現在の子供達は、非常に多様な環境で育ちます。
家族構成もさまざまです。
家族の形や経験が複雑化しています。
すでに大人になっている人たちも、30代以下の人たちは、育つ過程で触れた情報が多様です。
職種も増えています。
そして、主に都会では、日本で暮らす外国人の姿が激増しています。
私は大阪の真ん中で暮らしていますが、昨日の夜、最寄り駅から自宅まで帰る間に、私の耳に入ってきた言語は全て、日本語以外の言葉でした。
こういうことはたまにあります。
ここから先、日本でも、さまざまな文化背景、価値観、世界観を持つ人々が、共に生きていく時代に突入するだろうということは、平凡な暮らしをしている私にも容易に想像がつきます。
共感しようにも自分には想像すらできない人たちが、周りに溢れるだろうと。
理解に苦しむことも増えるだろうと。
おそらくは、理解しよう、共感しようとすれば心理的に疲弊する、そんな人間関係がたくさん生まれるだろうと推測しています。
思いやりたくとも、考えが及ばない、自分の世界観や価値観の外にいる人たちと、平和に生きていこうとする時、理解と共感は力技が必要になります。
そんなわけで、私は、クリーンランゲージが根底に持つ価値観は、人々が平和的に共存していくのを助ける、日本でクリーンランゲージが活きるのはここからだと感じています。
クリーンランゲージは、質問の技法です。
その人が思考し体験するのを、ただ、手伝うだけの技法です。
こちらの意見は述べません。
要約、解釈すらしません。
要約には、ある程度の共通した背景や理解が必要で割と難しいですが、クリーンランゲージはそれを必要としません。
また、ファシリテーターは、心理的なパーソナルスペースへの介入を一切しません。
これは、サポートされる側に安心感を与えるだけでなく、サポートする側の心の安全も守ります。
クリーンなスタンスは、サポートする人の心がつかれません。
ここから本格的に高齢化社会に入ります。
ひとりが支える人数が増える中で、これは大きなアドバンテージだと思います。
心の中に平和を抱いて、人をサポートできるコミュニケーション。
多様な人々が共に生きていく社会に、クリーンランゲージは力を発揮するのではないか...と感じています。
では、また。
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