余談ですけど... | 何が起きるか見てみよう
こんにちは。
私は、クリーンランゲージという質問と独自構文からなる言語モデルを使う、シンボリック・モデリングというコミュニケーション技法を教えたり、それを使ったセッションを提供したりしています。
この技法は、言葉を主に3種類に分類して、その中から、相手の望み(望むアウトカム)と、相手が持つリソースに注目します。
そして、それをメタファー(いわゆる比喩)を交えながら、身体化(体感できるようにイメージと体を結びつける)していきます。
大きな特徴は、使用する言葉の中に、こちらからは言葉やアイデアを導入しないことで、相手が使用したそのままの言葉を使用します。
これは、言葉が、その人の経験や世界観、価値観そのものだとの考えが、クリーンランゲージにあるからです。
それで、それらを質問者の価値観、世界観で変化させてしまうことを、クリーンランゲージの開発者デイビッド・グローブは好みませんでした。
そうすることが、相手の世界を汚染することになると、彼は考えたのです。
(私自身は、質問者の言葉は、相手の世界を変化させはするが、「汚染する」とは考えていません。そのため、私自身がクリーンランゲージを説明するときは、別の表現を使用しています)
クリーンについては、さまざまな解釈が存在しますが、一般的に共通認識としてあるのは、相手の経験や世界観、価値観に、質問者のそれらを混ぜずに、相手が使用したそのままの言葉を使用することを「クリーン」と呼ぶ、です。
ワークショップやトレーニングでは、メタファーを扱って、クリーンに対話することを練習します。
しかし実際、現実にそれを使用するとき、どのように使うかについては、そういえば私、書いていません。
...と、気づきましたので、少しご紹介したいと思います。
最初に書いておきますが、完全な心理療法を提供する場所でなければ、完全にクリーンランゲージやシンボリック・モデリングだけでやり遂げるのは難しいかと思います。
そしてまた、どの技法もそうであるように、クリーンランゲージやシンボリック・モデリングも万能ではありません。
そして実際にも、私が知る限りはクリーンだけで全てをまかなっている人は、ほとんどいないと思います。
また、そんな必要は全くありません。
特に、シンボリック・モデリングは、開発者が、はじめから、他の技法や日常のコミュニケーションの中でも使えるように応用されるだろうという前提で、開発されています。
あくまでも、技法というものは、人と人との関わりの中で使用されるものであって、その関わりが、その目的に沿って、より豊かであるようにということが最優先だと、私自身は考えています。
そして、その技法をどれくらい必要とするかは、その人自身の目的次第です。
ちょこっと使用してみるなら、質問一つから使用できます。
普段の会話に質問一つ混ぜてみるところから。
ひととおりセッションできるようになるならば、そして人からお金を頂けるレベルということになると、これは、その他の技法と同じように多少時間は必要です。
しかし、もしも、その人がすでになんらかのコミュニケーションスキルを身につけているならば、割と早く覚えられると思います。
立ち位置と着目点が他とは少し違いますが、その感覚だけつかめれば、そんなに難しくないと思います。
また、名人技ということになると、これはもうなんでもそうですが、気長にいこう!という話になると思います。
つまりは、使えるところから、どんどん使えばいいんじゃない?と、思います。
使ってみて、はじめてわかることがたくさんあります。
私自身は、早いもので、初めてクリーンランゲージやシンボリック・モデリングに触れた日から10年ばかり経ちました。
それでもまだ、新しい発見が続いています。
飽きない、というのが、私がこれを使い続けている理由のひとつです。
クリーンランゲージの世界は、さまざまな開発が続いています。
それを喜ぶ風土が背景にあります。
みんな違ってみんないい、あなたと私は違うから、という考え方がそこにはあり、自由を尊重する世界観があるように感じています。
使用するときも同じです。
学んだものは、自由に使ってみればいい、そして、何が起きるか見てみればいい、と、私はよく思います。
それはまた、私が、自分の先生たちから言われ続けたことでもあります。
「試してみなくちゃわからない」
「質問してみてごらん。そして、何が起きるか見てみよう」
というわけで、実際に使用するときですが、「試してごらん。そして、何が起きるか見てみてね!」が、私の書きたいことでした。
相手を信頼してくださいね。
そして、楽しんで使ってくださいね。
では、また。