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ワンポイント・メモ|知覚者|中級者向け

こんにちは。

本日は、少し特別なメタファーについて書いてみようと思います。
基礎のトレーニングでも、このメタファーは登場しているのですが、なにしろ、「とりあえずメタファーを作れるようになろう!」「とりあえず、身体化をサポートできるようになろう!」「はい、クライアントが変化してますよ、どうします?」と、初心者ファシリテーターさんは覚えることがたくさん。

メタファーの種類にまでは、なかなか話が到達いたしません。

でも、この知覚者というメタファーに気づけるようになると、あなたのファシリテーションは、「もう一人のファシリテーター」を手に入れることができます。

だから、もしも、「よし、一通りできるようになりましたぜ!」という方は、頭に入れておくといいかもしれません。

このファシリテーターは、目には見えないけれど、強力な協力者になる可能性があるからです。

このファシリテーターの名前を「知覚者」と言います。
者とついていますが、人間のメタファーとは限りません。

木だったり、虫だったり、動物だったり。
時には、机だったり、車だったり、石ころだったり。

メタファー・ランドスケープの中で、まるで人のように、何かを知覚しているメタファーのことを「知覚者」と言います。
元の言葉は"perceiver"です。
例によって、ドンピシャ!な翻訳はありません。
なぜか?
この場合のperceiverはperceiveという英語が意味する動作ができる存在を表すメタファーなのですが、perceiveの同義語は少なく見積もりまして72個ほどあります。
その全部を含む日本語は・・・ない!

私、一度、その全てを翻訳したことがありますが、疲れましたので、ここでは省略させていただきます。軽い読み物レベルを超えちゃいますのでね・・・

というわけで、言葉はラベルに過ぎませんので、この種類のメタファーには「知覚者」というごくごく一般的な翻訳をラベルとして使用させていただいております。

用語のメタファーは、ファシリテーターが覚えやすいようにと考えられたラベルです。皆と話す時は、同じ用語を使わないと話がとっ散らかりますので、ある程度共通した言葉を使うのがおすすめですが、シンボリック・モデリングについては、自分が理解する時には、自分が理解しやすいようにラベルを変えてかまわないことになっています。

私自身は、perceiverのことは、「家政婦は見た!の市原悦子」と覚えています。(お若い方は、wikipediaで調べてください)短縮系で、市原悦子、と言っているときもあります。
私がファシリテーションをするとき、私は、メタファー・ランドスケープの中に潜む「市原悦子を探せ!」状態です。笑

ともかくも、「知覚者」は、人間にできる72個のことができる可能性があるメタファー!ということだけ覚えておくと便利かと思います。

ご存知のように、メタファー・ランドスケープというマジックワールドでは、現実の中では命を持てないもの、石ころや車も、命を持つことがあります。だから、現実で生きているものだけが「知覚者」とは限りません。

さて、ここで、知覚者ができる可能性があることリストです。72は書きませんが、よく見かけるタイプの知覚者メタファーたちができがちなことをいくつか。

見る。(つまり何か知ってる)
聞く。(つまり何か知ってる)
考える。(つまり何か知ってる)
理解する。(つまり何か知っている)
動く。(つまり、何か違う視点を持っている可能性がある)
望む。(つまり、何か知っている)


そうです、知覚者は、「つまり何か知っている」可能性があるメタファーだったりします。全ての知覚者が役立つことを知っているわけでもなく、ただ、そこにいるだけの存在するだけの知覚者もありますが、経験的には、他のメタファーよりも存在することに意味がある場合が多いように思います。

知覚者のメタファーは、特別です。
意志がありますので、この質問が使えるからです。

「そして、[シンボル]は、何が起きてくれたら好いのでしょう?」

この質問、知覚者のメタファーにしか使えません。
それは、現実と同じです。

道の電信柱に望みはありませんね?
メタファー・ランドスケープの中にも、道の電信柱のような存在は登場します。

だから、知覚者に気づけることは大きいのです。

逆に、知覚者だという証拠がないのに、なんでもかんでもメタファーやシンボルに「何が起きればいいか?」と問いかけるのは、おすすめできません。
問いかけられても困っちゃいますでしょ、道の電信柱。
道の電信柱に、語りかけた後、あなたはどうなりますか?
返ってこない答えを待つばかり。
それと同じです。
そして、この時、答えを待って戸惑うのはクライアントです。

人をサポートするためのファシリテーションで、クライアントを困らせることはしてはいけません。これは、クリーンランゲージに関わらず、シンボリック・モデリングに関わらず、他者を支援する時の原則ですね。

さて、では、まずは、どこから気づけるようになってみましょうか?

いつものように、エビデンス(証拠)はクライアントの言葉です。
人間の場合は、登場した時点で知覚者認定して大丈夫ですが、他のものは、少し確認が必要です。

最近、私がしたセッションの中では、人間以外で知覚者だったものには、「木」がありました。

余談ですが、木は日本語でセッションする時、非常によく登場します。
そして、英語でセッションする時に登場する木と日本語でセッションするときに登場する木には大きな違いがあります。
ダントツで、日本語のメタファー・ランドスケープに登場する木は、知覚者のことが多い!
下手すると、神様並みにスーパーなメタファーのことすらあります。これは、神社の影響でしょう、多分と思っています。

さて、なぜ、その木が知覚者だと、私にわかったかというと・・・
以下、Fがファシリテーターの私の略、Cがクライアントです。

F:そして、その木について他に何かありますか?

C:その木は、もっと成長したいんです。

・・・と、その木に願いがあることがクライアントの口から登場したからです。はい!知覚者認定!
普通の木は、願いを語りません。願いを語れるならば、知覚者です。

知覚者でない場合は、答えとして木の特徴が普通に返ってきます。
それから、こういう言葉もよく耳にします。
「その木は、ただそこにあるんです」
ただそこにあるなら、現実世界で人間や動物のような自らの意思を持って動くもの以外は、それは知覚者ではない可能性が高いです。ただし、途中で、何かが起きて、突然知覚者になるメタファーもあるにはあります。命ないものが、突然命を持ったら・・・それは、むっちゃ大きな変化が起きてます。

さて、知覚者そうすると、そのあと、ファシリテーターがそのメタファーに使用できる質問に、「あなた」が入った質問が加わります。

「そして、その木は、・・・をどのように知りますか?」

「そして、その木は、何が起きてくれたら好いのでしょう?」

便利ですね!

その結果、クライアントがこれまで考えてもみなかった願いが登場することは頻繁にあります。そして、さらにメタファー・ランドスケープが豊かに展開していくのです。

さあ、探してみよう、知覚者のメタファー。

きっと、もっと、ファシリテーションが楽しくなります。
そして、クライアントのメタファー・ランドスケープのライブ感がアップします。

楽しんで探してみてくださいね。

では、また。


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