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(3)シンボリック・モデリングって何ですか?part.1


こんにちは。

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さて、今回は、シンボリック・モデリングとは何なのか?です。

言葉の説明続きで、なかなか中身に入っていけませんが、こちらは、最初に知っておく方がおすすめ!なので、中身を知りたい人にはまどろっこしいかもしれませんが、こちらを先に説明してしまいます。
なぜなら、途中で、クリーンランゲージとシンボリック・モデリングの関係で、頭がごっちゃになること間違いないからです。(私はごっちゃになって、どう言うこと???となった人です。笑)

と言うわけで、早く中身を教えてよ!と言う方も、急がば回れで、お付き合いくださいね。

さて、では、こちらの説明も、翻訳から始めます。

まずは、どうやってシンボリック・モデリングが誕生したのか?
(太字になっているところは、私が自分ならここに赤線を引くというところを太字にしています。)

シンボリック・モデリングは、ペニー・トンプキンスとジェームズ・ローリーにより生み出されました。二人は、デイビッド・グローヴが、驚異的な結果を成し遂げるために行っていたことは何なのかを見つけ出すため、デイビッド・グローヴと数年以上に渡り一緒に行動し、デイビッドを観察しました。

ペニーとジェームズは、デイビッド以外の人でもデイビッドがしていたような結果を生み出せるよう、(彼らが)他の人たちにそれを教えられるモデルを作り出すために、認知言語学領域の考え方、システム思考、そしてNLP(神経言語プログラミング)デイビッドの発想を合体させました。


(c) Marian Way(マリアン・ウェイ) and Caitlin Walker(ケイトリン・ウォーカー), https://cleanlearning.co.uk, translated with permission

驚異的な結果とは何かと言うと、別の言葉でデイビッド・グローヴは「魔法のようなことをやっていた」と表現していた人がいました。言葉を使って、人の心に魔法をかける。「アラジンの魔法のランプから飛び出した妖精」と彼のことを表現している文章も見たことがあります。
いわば、みんなも魔法が使えるように、尚且つ、人にその魔法を教えられるように、とも言い換えることができるかもしれません。

ま、もちろん、デイビッドがしたことも、ジェームズとペニーが生み出したものも、魔法ではありません。
けれど、私は、ジェームズとペニーがしているセッションを見たり、その後起きることを体験するたびに、いまだに「魔法か?!」と何度でも驚きます。

さて、上の翻訳の中の、クリーンランゲージとシンボリック・モデリングの関係を、図にまとめるとこんな感じ。

画像2

NLP(神経言語プログラミング)は、耳にしたことがある方、勉強したよと言う方もいらっしゃるかもしれません。"NLP"で検索をかけていただくと、詳しい話が登場しますが、コーチングの技法です。

さて、では、続きましては、シンボリック・モデリングの定義です。そして、なぜ、シンボリック・モデリングという名前なのか。

では、翻訳に戻ります。


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クリーンランゲージを使っている時に、ファシリテーターやコーチが、(クライアントの口から出る)その人の状況を描写する鍵となるメタファーやシンボル(象徴)に特に注意を向けることがよくあります。

そのメタファーやシンボルがクライアント自身に反映されれば、メタファーやシンボルは、クライアントの思考プロセスやその結果としての振る舞いを、体系化したりマッピングするための媒介として使用できます

それで、シンボリック・モデリングというのです。
この方法でワークする(セッションする)と、クライアントにその人自身の思考や振る舞いモデルの個人的なパターンを理解させることができます。

その後で、もし必要があれば、コーチとクライアントは、これらのパターンを使って、起きるべき変化のための条件を整えていったり、成功する行動パターンを再現したりします。

(c) Marian Way(マリアン・ウェイ) and Caitlin Walker(ケイトリン・ウォーカー), https://cleanlearning.co.uk, translated with permission

新しい言葉が登場しました。
メタファー、シンボル、モデル、マッピング。
この辺りの言葉の意味は、NLPの用語になります。一部、細かい定義が異なるところもあります。こちらでも、説明する予定にしています。
しかし、早く!と言う方がおられたら、ググっていただくと、比較的簡単に言葉の意味にはたどり着けますので、もし、わからない!と言う方がおられたら検索してみてください。

特に重要な言葉は、メタファーとシンボル。
どうやって、メタファーやシンボルが出来上がるか?は、クリーンランゲージの”クリーン”とも大きく関係してきます。

今日は、ザクっと説明してしまうと、メタファーは、その人が何かを喩えているストーリー。シンボルは、その中に登場する名詞。

例えば。誰かが、自分の可能性を模索している話をこんな風に語ったりします。
「自分の目の前に、光がさしていてね、8つのドアが広がっている感じがするんだよね。ドアの向こうには何があるか興味があるけど、ドアの数が多すぎて選べないんだよね。どれもいい感じがするんだけど。」と誰かが言ったとします。

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↑こんな感じでしょうか。

この時、「自分の目の前に、光がさしていてね、8つのドアが広がっている感じがするんだよね。ドアの向こうには何があるか興味があるけど、ドアの数が多すぎて選べないんだよね。どれもいい感じがするんだけど。」

これは、全てメタファーです。
もしも、この人の目の前に、本当に8つのドアがないならば、です。
この人は自分の心の中の物語を例え話で語っています。これが、メタファー。
日常的にも、誰でも感情や状況を表す時に、普通に使用しています。

シンボルは、この「」の中にある名詞です。
メタファー、つまり、ストーリーの中にある名詞。
自分、目の前、光、8つのドア、感じ、向こう、何、興味、数、そんなところでしょうか。

ちなみに、もう一つ、このイラスト全体のことをメタファーランドスケープといいます。その人の世界観全体を表しているものです。

シンボリック・モデリングでは、この人の可能性の模索を、この光や8つのドアやと言ったシンボルを使って、探求し、メタファーランドスケープを作り上げていきます。
どういう仕組みでドアが開き、どういう仕組みで、この人は一番いいものを選ぶことができ、また、なぜ、ドアは8つあり、光はどこからやってきて・・・などと探っていくのです。

そうするうちに、面白いことに、今はまだ吹いていない風も吹いてきてみたり、ドアの数が変わったり、この人は、ドアの向こうに移動したりというようなことが起きます。
びっくりしますが、本当に起きます。

そして、さらに、絵は二次元ではなく、頭の中で3D動画のように動き始め、そして、イメージの中で行われたはずのそれらが、何と、現実にも影響するのです。

今の感覚でいくならば、バーチャルリアリティが一番近いかもしれませんね。
その人自身の言葉で紡がれるバーチャルリアリティ。
そして、その生み出したバーチャルリアリティが、現実世界を動かしていく。
そんな感じかもしれません。


この時、イメージの中でうまくいく仕組みを作ることをモデル化するといい、その仕組みがうまくいくように、どこにドアをおいて、どこから光をさして、と絵の中のシンボルを、頭の中のイメージに上手に配置していくことをマッピングと言います。

なぜ、これをやるかというと、再現できるように、です。

すごくうまくいくイメージを描いてみました!で終わりではないのです。
自分がクライアント(質問される側)の時、クリーンランゲージ&シンボリック・モデリングは、本当にただのイメージ遊びみたいな感覚なのですが、この7年、おそらく、日本で一番、クリーンランゲージ&シンボリック・モデリングのセッションを受けた人が私だと思われるのですが、その一度も、それがただのイメージ遊びだったことはありません。

イメージは、現実の日常の中を生きる時に、同じように再現されます。
まあ、びっくりなくらい。
そして、一度、イメージの中でうまくいくように仕組みが作ってあるので、現実がスムーズに動かせることが、私がこの技法が好きな理由の一つでもあります。


そして、この作業は、一度始めたら、たとえ、その会話が終了しても、現実と絡み合いながら、その人の中で延々と勝手に続くので、シンボリック・モデリングはプロセスなのです。

具体的には、どうやるの?というのは、もう少し先に置いておきまして、今はこんなところです。


さて、次回は、もう一度、説明的な回です。
これを最初にやらんかい!(普通はそれを最初にやる)という内容をお届けします。

次回は、クリーンって何?です。


では、また。

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シンボリック・モデリングの始まりと技法の全部が書いてある本はこちら↓
(英語のみ)

この記事内の翻訳部分の方が著者のクリーンランゲージ&シンボリック・モデリングの本です↓


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(クリーンランゲージ関係の翻訳記事、学習サポートなど)


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