夢はいつも惜しいところで終わる~映画『窮鼠はチーズの夢を見る』感想
まずまず一言目の感想は「成田くん、かわいいー(悶)!!」です!もう何でしょう、ワンコのような瞳、愛くるしい仕草…萌え袖とかそこらの女子がやるよりよっぽど可愛い…。部屋に置いていつまでも愛でていたい…。
そんなかわいいヒロイン(?)に反して、「女子コワい…(泣)」。真向勝負を仕掛けてくる恋敵を始め、しくしく泣きつつ浮気調査を依頼していた元奥様(しかも不倫していた…)とか、女のあざとさとひ弱さ全開で迫ってくる後輩ちゃんとか、悪気を全く感じさせずに人の旦那を誘惑する不倫相手とか、もー女、コワい。めっちゃコワい。女性不信になりそう…。って私も女ですが。
学生時代から“流され侍”とアダナされるほど流されやすく、すぐに女性にほだされてしまう大伴恭一。ある日「奥さんから浮気調査を依頼された」という大学の後輩で、探偵事務所に勤める今ヶ瀬と再会する。「大学の頃からずっと好きだった」という今ヶ瀬は、不倫の事実を伝えない代わりに恭一に関係を迫り、奇妙な関係が始まる。妻との離婚、大学の同級生や不倫相手との再会、会社の後輩との関係…。いつしか一線を超えていた2人だが、恭一の人間関係の変化に敏感に反応する今ヶ瀬は恭一とたびたび衝突を起こす。やがて感情が爆発した今ヶ瀬は恭一の前から姿を消すが…。
原作の漫画をちらっとしか読んでいなかったのですが、原作は結構軽く、ギャグ混じりに進んでいくようなところが映画ではひたすらずーっとシリアス。なので2人がいちゃいちゃしているようなシーンでも「あー、何か起こりそう」と嫌な予感がして、観ている間中ハラハラしてました。同性同士、ということも含めて、人を想う時の切なさや不安、嫉妬、そういったドロドロした感情。それでも想わずにはいられない切なさ。スクリーン越しにみているこちらとしては「なんでそんな苦しい方に行くんだよー」って感情移入してしまって苦しい…。どちらかといえばやっぱり今ヶ瀬くんに共感してしまうから、余計に苦しいのかな。
最後の最後でようやく覚悟を決めた恭一と、恭一の覚悟を知らずにベッドで泣く今ヶ瀬。この2人に幸せな未来を期待していいのか、それとも…。何ともモヤモヤが残るラストでした。
キャスト(特に恭一の)からして、若い女のコが観に来るんだろうな、と思っていたし実際祝日ということもあって劇場は女子でいっぱいでしたが…。結構ガッツリベッドシーンがあったので、そのあたり大丈夫だったのかしら、といらぬ心配をしてしまいました。カップルで観にいっても気まずくなりそう…。ただ、逆にそこまでのシーンを演じた主役の2人、身体張ったなあ、と感動。成田くんは演技派ってイメージがありましたが、大倉くん、関●ャニでよくあそこまで…。2人とも美しくてうっとり、特に背中が…。目が幸せでした。。。
映画を観た後に原作を読んだのですが、「こう展開するのかー」とちょっとすっきりしました。時系列的に、映画の世界の、その後の2人が描かれていたので。映画のストーリーが原作そのままではないので厳密には映画の続きとは言えないのかもしれませんが、あの2人がこんな風になってくれていたら救われるな、と思いました。あと映画だとひたすら「怖っ」と思っていた女性陣が、恭一があんまりにもクズで、そりゃ仕方ないわ…ってなりましたね…。そして今ヶ瀬を前に、恭一に「私か今ヶ瀬、どっちかを選べ」と迫った夏生さんが、原作コミックスの番外編で今ヶ瀬と2人で仲良く現状報告しながら飲んでるのを見て嬉しくなりました。映画で今ヶ瀬が恭一とすれ違って苦しそうにしているのを観るたび、なぜか「夏生さんに助けてもらえないかな」って思ってたんですよね。あんなキャットファイト(?)した相手にも関わらず。彼女なら今ヶ瀬の苦しみを「ばっかじゃないの!?」って言いながら吹き飛ばしてくれそうな気がしたので。恭一のことがうまくいったら、この2人いいコンビになりそうな気がする。
映画のラストに「えー、2人って結局どうなるの??」っと思った人には、原作おススメです。ということは原作読んでから観た人は「ええ??ここで切るの!?」ってなるのか。。。うわー、もやもやしそう笑。