ヲタクに映画は難しい?~映画『ヲタ恋』感想

 ウキウキで観にいく直前、「ん?」となったのです。「そーいえばミュージカル仕立てになってるって情報があったような…あれ?ってことはもしかして結構改変されちゃってる??」。最近あまり見ない漫画原作の失敗パターンがよもや…?一抹の不安とともに、一人のヲタクは映画館へと足を踏み入れたのであった―。
 
 そもそも日本映画でミュージカルって…という意識があったのですが、観ているときも観終わってからも、思ったより違和感がなくてびっくり。え、gl●e…?オープニングのダンスシーンが、レイヤーさんたち大集合!だったせいかアニメ的で(戦隊モノっぽくも感じましたが)、いい感じの非現実感を出してくれていたからかも。何より高畑充希ちゃん、歌うまーー!!さすがミュージカル経験者!コスプレしての歌ってダンスとか可愛すぎる…。
 この歌のシーンも含めて、高畑充希ちゃんの「成海」(ヒロイン)がハマってたなあ。特に腐女子っぷりというか、BL漫画家っていうキャラクターに関しては原作以上にリアルに描かれていた気がする。売り子してるシーンとか。ヲタク同士の会話のテンポとか、充希ちゃんよく体得してるなー、と感心しながら見てました。そういえば映画のストーリーに関係ないですが、成海の部屋にお●松グッズが置かれていたの、嬉しかったなー。ちゃんとエンドロールにも名前出てたし(→しっかりチェックしました!)。
 山﨑賢人くんは難しかったと思います。ぼそぼそしゃべる不愛想なキャラだからどうしたって演技が棒っぽいというか、下手っぽく見えちゃう。仕方ないよねー。その代りなのか、途中であった全力で変顔シーンは笑いました。
 二人とも途中で「これ素でしょ」っていうシーンがあって、おそらく監督、意図的にそのままにしてたんだろうな、と推測してます。どちらも笑いをこらえて表情で、きっと撮影中何度も笑っちゃってNGとかあったんじゃないでしょうか。
 
 観終わった後のお客さんの反応もほぼほぼ楽しそうだったし、私も大いに笑わせて頂きましたが…。正直不満がないわけではない(●ンドウポーズで)。
 
 うまくできていたと思いますが、ミュージカルシーンのために話の進行がストップしてるのも事実。ただミュージカルシーンは、短いと「え、今のシーン何?」みたいなことになりそうだから、ある程度の時間をとる必要があるのかも。
 あと豪華キャスト陣で作りたかったのかもしれませんが「このキャラクターいる?」と思ったのも事実。キャラ自体はおもしろいんです。佐藤二郎さんとか賀来賢人さんとか。いやでもね。その分、ほかのキャラの出演部分が…。しかもせっかく出てきた今田美桜ちゃんももう少し絡んでくるのかと思いきやいつの間にかフェードアウトしてるし。もしかして続編狙って次の作品でがっつり絡めようとしてるんでしょうか、監督。
 樺倉さんが立場変わってるせいで宏嵩くんとの絡みもなし泣。小柳さん=花ちゃんの身バレが最後の最後で、しかも樺倉先輩と罵り合いで終わってるのも。。。せめて仲直りのとこまで見せてほしかった。
 そして何より声を大にして言いたいのは、
成海と花ちゃんのいちゃいちゃが観たかった(号泣)!!
 成海と花ちゃんがほとんど絡んでないなんてー。高畑充希ちゃんも菜々緒さんも、ビジュアルバッチリなだけに余計悲しい…。菜々緒さんについてはもっとコスプレ見たかったー!という思いも。あと樺倉さん=斎藤工くんに至っては、ヲタな部分、全くなかったじゃないですか…。
 できればもう少し原作寄りにして頂きたかったな、というのが正直な感想です。まあ、ゲラゲラ笑わせてもらってすっきりしたので、面白いよーとおすすめすることはできます。今の世の中、無心で笑う時間は必要ですから。
 今ちょっと思ったのですが、これ全くオタクじゃない人が見たらどういう感想持つんでしょうか…。聞いてみたい気もする。
  

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