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日本戦の延長に世界戦はない

以前、キングコング西野さんのVoicyの放送で、世界戦は日本戦の延長にならないという話題が取り上げられました。この話題には、多くの日本人が抱いている世界一に対する誤解が含まれています。

小学生で活躍すれば有名中学に進学し、有名中学で成功すれば有名高校に進学し、その後プロ選手になり、最終的には日本一になれるというイメージが広まっています。しかし、この考え方は日本戦までのものであり、世界戦には通用しないというのが西野さんの指摘でした。

https://ameblo.jp/nishino-akihiro/entry-12794558754.html

日本では「頑張って現在のステージで結果を出せば、次のステージに進める」という考え方が一般的です。エンタメ業界において、「世界一」を達成するためには、まるで村の中での1位を獲得するような競争が待ち受けています。日本は超村社会とも言える社会構造を持ち、海外と比べて実力が重視されるイメージがあります。しかし、実際には海外でも、同様に競争が激しく、1位になるだけでは自動的に「世界一」にはなれないのです。つまり、「世界一」というタイトルを手に入れるためには、まずその競争を支配する「村の村民」になる必要があるのです。

この考え方はサッカーにも当てはまります。特に、私がオランダに滞在している現在、その違いをより感じることがあります。コミュニティーに参加しない限り、自分の存在が評価されないということです。世界一を決めるのは、実力勝負というよりも、そのコミュニティー内での競争です。

「世界一」と聞くと、W杯で優勝することが最もわかりやすい例ですが、これは4年に一度しか開催されないイベントです。では、実際に世界一を決めているのはどこでしょうか?それは、やはりヨーロッパです。特に、チャンピオンズリーグで常に上位に来るチームが、名実ともにナンバーワンとされています。現在のところ、マンチェスターシティがその象徴でしょう。

もちろん、クラブW杯も存在しますが、ヨーロッパではチャンピオンズリーグの優勝が重要視されています。世界一を決定している「村」はヨーロッパであり、ヨーロッパナンバーワンはイコール世界一とされています。南米もサッカーが盛んですが、最終的に多くの優秀な選手はヨーロッパでプレーすることになります。

また、バロンドールという世界最優秀選手に贈られる賞にも注目が必要です。2007年までは、対象者はヨーロッパの選手に限定されていました。その後、対象が拡大されましたが、結局、ヨーロッパでプレーする選手が受賞者になっています。

日本の選手が中学で活躍し、ユースで日本一になることと、ヨーロッパでプロ選手として成功することは別の問題です。さらに高校で日本一になるだけでは、チャンピオンズリーグの舞台には立てないでしょう。ヨーロッパで成功するためには、逆算してどのレベルでプレーし、どのスキルを身につける必要があるかを考える必要があります。

これは選手だけでなく、コーチにとっても重要な視点です。選手が進出する前に、戦術的な知識やフィジカルレベルを向上させる時間を確保する必要があります。選手はスカウトによってヨーロッパに引き抜かれることがあるかもしれませんが、日本戦の延長に世界戦はないという現実を理解し、そのために努力する必要があります。

例えば、Jリーグで成功を収めた監督やコーチが海外のクラブから引き抜かれることは稀です。現在、トットナムのポステコグルーがマリノスからセルティック、そしてトットナムに至る道のりを歩んでいますが、日本人監督が海外で成功を収める例はまだ少ないのが現実です。

もちろん、海外でコーチとして成功を収めている日本人も存在しますが、日本戦の延長に世界戦がないという事実は変わりません。したがって、ヨーロッパで監督として成功を収めたいのであれば、ヨーロッパのどこかで指導者としてスタートし、言葉の問題やビザの問題を克服し、自身の指導力やチームマネジメントのスキルを向上させる必要があります。言葉や文化の違いを理解し、選手とのコミュニケーションを円滑に行うためにも、スタートから順を追って経験を積むことが重要です。

私の友人である岡崎君の事例が、この点をよく示しています。彼はスペインのビルバオで指導者として活動しており、現在はスペインリーグ5部のチームで監督を務めています。しかし、この地位に至るまでになんと13年もの時間を費やしています。岡崎君の例は、ヨーロッパで成功を収めるためには根気と努力が不可欠であることを示しています。

このブログ記事で伝えたいのは、日本戦の延長には世界戦がないという現実です。選手やコーチとして、世界で成功を収めたいのであれば、日本国内の成功だけにとどまらず、ヨーロッパでの経験を積むことが必要です。言葉や文化、戦術的な知識を学び、コミュニティーに参加し、自身のスキルを磨いていくことが、世界で通用するための第一歩です。

最後に、私の番組で「世界一」を目指すかどうかは置いておいて、世界のトップレベルを観察し学ぶことが重要だと伝えています。成功するためには、世界の最高峰で何が求められているのか、その視点を持つことが大切です。

日本戦の延長に甘んじず、世界戦に挑む覚悟を持つことが、未来の成功への第一歩となるでしょう。世界で通用する選手やコーチになるために、日々努力し続けましょう。それが、本当の世界一に近づくための道なのです。

【Voicyにてオランダでの日々、指導力アップにつながる話を毎日発信しています】
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