
今年って1970年代とか1980年代とかじゃなくて、2024年だったよね?という話。(12.3クーデター未遂事件)
雑感を書き殴っているので、まとまりがない記事です。
2024年12月3日23時前、インターネットの海を徘徊していると、こんな画像とリンクが転がっていることに気づく。

いやいや、ご冗談を。
6.29民主化宣言、大統領直接選挙制復活を勝ち取った1987年6月民主化抗争から37年。
第6共和国の民主主義政治もすっかり定着した2024年にそんなことあるかいな、フェイクニュースの類やろ、と思いました、最初は。
念のためウラを取ろうと他の情報源に当たり始めたところでAFP通信やらBBCやら海外メディアも速報を打ち始め、その後日本国内のメディアも速報を打ち始めたので、マジな話だと確定。
今年って2024年、あともう少しで2020年代も半分が、なんなら2000年代も四半世紀過ぎるタイミングのはすで、軍事独裁政権・権威主義政権華やかな1970年代、1980年代ではなかったはずですが……。
そうこうしているうちに韓国在住の徐台教氏が翻訳した尹錫悦大統領の「非常戒厳宣布」会見の全訳テキストが流れてきたので目を通してみると……

かつて朴正煕や全斗煥がクーデターを起こした理由付けにそっくりな文言で非常戒厳宣布を正当化していてあたまがくらくらしてきました。
我が家は韓国現代史に興味を持って、いろんな本を読んだり映画やドラマを観たりして、1970年代、1980年代の軍事独裁政権・権威主義政権の知識を得ていたのですが、それはあくまでも過去の歴史の話という認識でした。
やりやがった、ミッチンノム尹錫悦やりやがった……。
まさか2024年に1972年十月維新や1980年5.17非常戒厳全国拡大措置の再演を見るとは思わなかった……。
政治活動一切禁止、令状なしの捜査、メディア統制、戒厳令解除の議決阻止のために国会封鎖。
“北朝鮮の脅威”を口実に数多く強行されてきた愚行が、目の前にやって来るかもしれない2024年。どんな時代だよ?
その後の経緯は報道にもある通り、国会が非常戒厳解除要求を議決し、尹錫悦もそれに応じ解除を宣言、派遣された軍部隊も撤収したため、法的にも実際的にも今回の非常戒厳は解除されました。
一時、国会に陸軍特殊戦司令部の部隊が侵入を試みて、駆けつけた国会議員や一般市民と対峙する状況が生まれ、最悪の場合、1980年の光州事件のように特戦司が市民に銃をぶっ放す事態も想定された訳で。
今回そのような状況にならなかったのは本当に良かったとしか思えないです。
(特戦司の部隊も訓練用の模擬マガジンを銃に装着するなど、光州事件の愚行を繰り返さないという良心はあったようです)
12月4日午前の時点で尹錫悦の辞任要求、それが通らなければ弾劾に進みそうな気配。
今回の事件を深掘りした記事が、このあといろいろと出てくると思いますが、9月時点で非常戒厳宣布が噂されていたんですね。
側近が学閥人事で固められていて、変なエコーチェンバーでよからぬ方向に転がってしまったんですかねえ……。
さて、今回深夜の不意打ち非常戒厳宣布、かつ国会を戒厳軍が封鎖しようとする状況の中、決して怯まず登院して解除要求を議決した国会議員の皆さんと、権力者の好きにはさせないという気概で国会に集まり抗議した市民の皆さんに、深い敬意を評します。
実力行使をできる戒厳軍が出動している状況で、多少なりとも恐怖心はあったと思いますが、声を上げ行動することがどれだけ大事かと改めて思いました。
我が国は法律や権限の関係で似たような事件が起きることは難しいと思いますが、仮に似たような事件が起きた時に、韓国の皆さんと同じ行動がとれるかというと……?
多くの血と涙を流した民主化抗争を経て民主主義を獲得した経験のないお花畑島国なので、まあ無理だろあなあと。
(国会に勝手に入るのはアカンやろ、とか、デモで抗議するのは違うやろ、とか理由付けて笑ってそう)
あと、今回の事件、海外メディアは生中継で解説入れながら追っていましたが、日本のメディアはNHKが少し速報入れただけで、過去番組の再放送を継続するという体たらく。
現地にいる記者のSNS発信と海外メディアの速報を追うしかない状況でした。
普段は関わりの深い隣国でありながらも、どうでもいいようなことばっかり報じてるくせに、いざ今回のような民主主義の危機に際してはこの程度の動きしかできないの、情けないという感情以外ないですね。
ネットで真実も大概で、オールドメディア(笑)と嘲笑ばっかするのどうなの?と思ってはいましたが、今回のこの体たらくを見ていると、オールドメディア(笑)と嘲笑されても仕方ないなあと、クソデカため息。