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[MLB]お金をかけるチームが結局勝ちやすい

私がMLBを見て感じることなのですが、基本的にチーム総年俸の大きいチームが、レギュラーシーズンでもポストシーズンでも勝つ傾向にあるというのが、私も含めて多くの人が持っているイメージだと思います。

一方で、一部の資金力に乏しいチームが勝利している姿を見て、お金が無くても知恵を絞ることで金満球団にも勝つことができるという意見もよく目にする気がします。

では実際のところ、チーム総年俸が高いチームはどれくらい勝っているのでしょうか。

あくまで簡単なnote になりますことをご了承ください。
またチーム総年俸のデータは2011年以降のものしか無かったので、データは2011年以降のみです。


ポストシーズン出場回数

まずはチームの総年俸とポストシーズン出場回数を見ていきます。
チームの総年俸を、順位別に1位-10位・11位-20位・21位-30位の3グループに分け、各グループ別のポストシーズン(PS)出場回数(2011年以降)を見てみましょう。

※チーム総年俸は、Spotrac のTeam Ranking における「Total Cash」を参照しています。

2011-2024までのPS出場チーム数
1-10位:68チーム
11位-20位:47チーム
21位-30位:35チーム

年によってばらつきがあるものの、基本的には総年俸上位のチームほどPS出場回数が多め、総年俸下位チームは少なめであることが分かります。

一方で2022年以降の3年間に限れば、チーム総年俸21-30位のPS出場チーム数が、11-20位を上回っているのが面白いですね。

ちなみに21位-30位のプレーオフ進出回数の内訳は以下の通りです。

TBやOAKが1位と2位なのは順当な結果だなあと思います。
一方で、MINやCIN、KCなどのスモールマーケットチームがいないのは以外でした。(PS出場時は11-20位帯にいました。)


今度はチーム総年俸を1-15位と16-30位、すなわち上半分と下半分に分類した場合を見てみましょう。

2011-2024PS出場チーム数
1-15位:96チーム
16-30位:54チーム

チーム総年俸上半分のチームは、PS出場回数が如実に多いことが読み取れるかと思います。
やはりチーム総年俸が高いチームの方が、PSに出場しやすいようですね。
(総年俸が下位のチームは、タンキングなどで勝ちに行ってないチームが一定数いることも要因だと思います)


ワールドチャンピオン回数

MLBチームの究極的な目標はワールドチャンピオン(世界一)であるはずです。

ということでチーム総年俸の1位-10位・11位-20位・21位-30位で、ワールドチャンピオンのチーム数、およびワールドチャンピオンではないがリーグ優勝したチーム数を見てみましょう。

3グループ
1位-10位・11位-20位・21位-30位


チーム総年俸が高いチームほど、ワールドシリーズに進出するチーム・世界一になるチームの総数が多いようですね。

21位-30位はこの14年間で世界一になったチームすらいませんが、内訳は16年のCLE、20年のTB、23年のARIがいます。
特に16年のCLE は世界一まであと1勝まで迫っており、非常に惜しいところまで行きました。


次にチーム総年俸順位別に、ワールドシリーズ出場チームおよび世界一チームの割合も見てみましょう。(分母はその順位のポストシーズン出場チーム数)

なお全チームを合わせた場合、
WS出場割合は、20%(2/10)あるいは16.7%(2/12)
世界一割合は、10%(1/10)あるいは8.3%(1/12)


やはり、ワールドシリーズに進出する割合も世界一になる割合も年俸が上位のチームほど高くなるようです。
総年俸が高いチームほど、ワールドシリーズまで駒を進めやすく、かつ世界一になる可能性も高いということでしょうか。

しかしながら、10位-20位のチームも割合的には1-10位とそこまで変わらないようにも思えます。

これなら、ミドルマーケットチームはもちろん、スモールマーケットチームでも頑張ってプレーオフまで行けば可能性はある、と思えるかもしれません。


ということで、さらに1-15位・16-30位の2グループに分けて、再度ワールドシリーズ出場チーム・世界一チームの総数と割合を見ていきましょう。


チーム総年俸16-30位(下位半分)のチームは、この14年間で1度しかワールドチャンピオンになっていないことが分かります。
しかもそのたった1回は、2017年のヒューストンアストロズなので、実質的には0チームです。

2015年にスモールマーケット球団でありながらワールドチャンピオンに輝いたカンザスシティ・ロイヤルズも、総年俸は13位と上半分の位置でした。

前述の通り、チーム総年俸が低いチームでも比較的プレーオフに進むチームは一定数存在しています。
ですが、どうやらスモールマーケットチームが、予算もスモールなままポストシーズンを勝ち上がるのは想像以上に厳しそうな気がしてなりません。

まとめ

以上から、
①チーム総年俸が上位のチームがポストシーズンに多く進出し、なおかつポストシーズンも勝ち上がっている
②チーム総年俸が下位のチームは、ポストシーズンには進出できるが、ワールドチャンピオンになるのは極めて難しい
ことが推測できますね。

低予算チームも少しは優勝できてるかなあと漠然と思っていたので、想像以上に残酷な結果だなあと個人的に思いました。

ポストシーズンは運だと言われますが、お金をかけているチームがより勝っていることは興味深いです。(お金をかけているチームの方が戦力がより充実している可能性もあるかもしれません)

一方で15年のカンザスシティ・ロイヤルズは、スモールマーケットでもここぞの場面でお金を投じればワールドチャンピオンになれることを示してくれたチームなのかなとも思いますね。

総年俸が低いチームがなぜワールドチャンピオンまでは手が届いていないのかについてもいろんな視点から考えてみたいのですが、今回はこのへんで。


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参考


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