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[WSH]2024オフシーズン展望

CJ later と申します。レギュラーシーズンそしてポストシーズンお疲れさまでした。
さて、ナショナルズは今オフ大きな転換点を迎えます。
プロスペクトたちが数多デビューし、成長を見せた若手も多くいました。
いよいよ、FA市場に打って出るときが来たのです。

ナショナルズがFA市場で狙う選手は以下の通りです。

  1. 打線の中軸を担える打者

  2. 経験豊富な先発投手

この2つはナショナルズのGMであるMike Rizzo 氏が直接、あるいは間接的に補強ポイントとして述べていたため、この2点を中心に話していきます。

来年はコンテンドするというよりは、引き続き若手の成長に期待するシーズンだと思います。ですが、来たる強豪チームへの返り咲きに向けての布石を打つための補強になると思います。


打線の中軸を担える打者

今季のナショナルズ打線はwRC+92(MLB24位)と、打線の迫力に欠けていました。James Wood など打力のある若手が台頭しつつあります。とはいえ、若手の成長に期待するだけでなく実績のある選手を獲得して打線に厚みを加えたいところです。

加えて、獲得する選手には若手たちをまとめるリーダーシップを期待したいところです。9月のCJエイブラムスの一件もあり、今のナショナルズに果たして一体感があるのかは微妙なところです。そこで経験豊富なベテランにチームをまとめてほしいと思っています。

各ポジションのうち、まだ固定されていないポジションは

  • ファースト

  • サード

の2つだと思います。ここからはこの2ポジションについて見ていきます。

ファースト

来年以降、ファーストに入る候補は以下の3人です。

24年の成績(Garrett は出場試合数が少ないため23年)

現状3人の候補がいるとはいえ、全員どこか決め手に欠けるという印象です。実績が乏しいため、ファーストは大物の補強候補になっています。

補強候補としては、
Pete Alonso(NYM)
Christian Walker(ARI)
の2人が挙げられます。3人の成績は以下の通りです。


24年成績(年齢は2025年4月1日時点)

3人とも一定水準の打撃力を有しており、毎年ほぼ150試合以上出場している耐久力もあります。WARは毎年2.0~3.0を見込めるでしょうか。


①Pete Alonso

予想額
ESPN:6年$159M
Trade Rumors:5年$125M

Alonso は長打力があり、毎年30~40本塁打を見込めます。
ただ、貢献が打撃のみにしては、獲得金額が高めなのは気になります。
メッツから7年1億5,500万ドルの契約延長を断ったという話もあり、ナショナルズが手を出せる金額に収まってくれるかはわかりません。

また、Alonsoはあまり勝負強くはない節があり、キャリア通算Clutch-4.17です。勝負強さは年ごとにムラが出るのが通常であり、勝負強さはあまり考慮すべきでは無いかもしれません。ですが、さすがに7年間毎年Clutchがマイナスなのは気にします。ここもどう出るでしょうか。


↑PSではクラッチホームラン打ったね

一方でリーダーシップについては、今年の9月にチームの顔であるフランシスコ・リンドーアが負傷離脱した際、チームメイトを集めて鼓舞したという話があります。

チームが危機に瀕した時に行動できる姿。ナショナルズが求めるリーダーシップを兼ね備えていると思います。


②Christian Walker

予想額
ESPN:3年$57M
Trade Rumors:3年$60M

Walker は打撃力はもちろん、守備力もキャリア通算OAA+57とトップクラスであり、攻守両面での貢献が期待できます。また、ベテランとして若きARIで発揮していたリーダーシップを発揮してくれれば、ナショナルズの若手たちにも良い影響が期待できます。

懸念点はやはり34歳の年齢です。指標上では衰えの兆しがほとんど見られないとはいえ、さすがに成績は下り坂に差し掛かるとみるのが妥当であり、ナショナルズの長期的な戦力となってくれるかは微妙なところでしょう。各媒体の予想でも3年ほどの短期契約になるという予想が多いです。

ウォーカーを獲得するのであれば、コンテンダーに移行するまでの時期を支えるベテランとしての要素が大きい気がしますね。


所感

私個人としてはWalkerが欲しいなと考えています。私は今の若手たちには、ベテランのリーダーシップが必要なんじゃないかと考えています。特にCJのカジノの一件もあり、チームをまとめてくれる存在の必要性を改めて感じました。

とはいえ、アロンソはウォーカーよりも長く戦力になってくれる公算が大きいのがメリットです。また前述したリーダーシップをナショナルズでも発揮してくれることにも期待したいですね。

他にもAnthony Santander が候補に入りましたが、ファーストの経験が乏しいことから今回は除外しました。


サード

サードに関しては、若手有望株のBrady House やMLBで一定のパフォーマンスを見せたJose Tena がいます。しかしHouse は本格的なMLBデビューが2026年以降になりそうで、Tena はサード守備でかなりのマイナスを記録しているとあって、サードもファーストほどではないですが、補強したいポイントになっています。

サードの大物選手はAlex Bregman 1択でしょう。非常に卓越したPlate Disciplineで三振は少なく、四球が多い打者です。引っ張ったフライを打つのが上手く、Game Powerが高いタイプですね。守備に関しても毎年OAAなどでプラスをたたき出しており優秀です。

ブレグマンを獲得する上ではいくつか懸念点もあります。今季のBB%が減少したことや、ミニッツメイドパークというレフトフェンスまでの距離が近いスタジアムを出ることによる成績悪化の懸念などです。

前者は本当にかなり気がかりですが、後者に関してはホームとアウェイでそこまで成績に開きがないことや、ナショナルズパークに来てもそこまでホームラン数が減少するわけではないことから、大きくは心配していません。

あとは契約額ですね。総額$180Mはそこそこ高めな気がするので、$150Mくらいまで下がってくれるとありがたいです。

予想額
ESPN:6年$187M
Trade Rumors:7年$182M

他にもショート守備に不安のある CJ Abramsをサードにコンバートして、Willy Adames を獲得するという案も思いついたのですが、現実味に欠けるため今回はボツにします。

先発投手

先発投手は今シーズン開幕前の予想に反して若手の台頭・成長に助けられたことで、比較的層が厚いローテーションとなっています。

すでに①Mackenzie Gore,②DJ Herz, ③Jake Irvin, ④Mitchell Parker の4人は来年のローテ入りがほぼ確実と思われるので、FA市場で先発投手を1人獲得すれば良いでしょう。

ではどのレベルの投手を狙うのでしょうか。私の考えとしては、バーンズなどのトップ級の先発投手には行かず、中堅どころの先発投手を狙っていくのではないかと思います。
今オフは中軸を担う打者の補強がメインであり、先発投手に大金を投じるほどの予算が確保されているか不透明です。(予算面はもう少し情報が欲しい)そのため対象となる先発投手は年俸$15M~$20Mくらいになるでしょうか。

候補となる先発投手は以下が挙げられると思います。彼らは、2・3年契約で$15M~$20Mで獲得できそうな先発投手たちです。

Luis Severino
Sean Manaea
Walker Buehler
菊池雄星
Trevor Williams


レギュラーシーズン

この中で最も奪三振能力が高いのは菊池投手でしょう。今シーズンはK% 28%と非常に高い数字でした。その支配力の高さ故に年俸が高騰する可能性があります。
Severino, Manaea, Buehler は今プレーオフでも良い投球を披露した投手たちです。今季復活した投手なので、実績と年齢のわりに金額が過剰に高騰するリスクは低めですね。


プレーオフ

Williams は2年間ナショナルズに所属しており、ナショナルズへの理解が深いです。シーズン中、若手投手らがWilliams やPatrick Corbin から多くを学んでいるという声を聞いているので、Williams は成績面に加えてリーダーシップ面で他の投手よりも期待しやすいと思います。

Juan Soto

金額が高いので極めて難しいです。6億ドルは厳しいよ。それだけ

クオリファイングオファー物件は?

ナショナルズが狙う選手は、クオリファイング・オファー(QO)を提示された選手たちが多いです。QOを提示された選手を獲得した場合、①来季のドラフト指名権と②国際FAで使用するボーナスプールが一部没収されます。

ナショナルズは、贅沢税を支払うチームではなく、収益分配を受け取るチームでもないため(多分)、没収されるのは以下のものになります。

  1. 2025年MLBドラフトで、2番目に高い指名権とそれに付随する契約金のボーナスプール※

  2. 国際FAで使用できるボーナスプールのうちの50万ドル

※ボーナスプールの話

ドラフトでは、各チームが指名順位に応じたボーナスプールを持っており、その金額の範囲内で全ドラフト選手と契約しないといけません。

たとえば、今年のドラフトにおいてナショナルズのボーナスプールは約1,400万ドルで、そのうち2巡目指名権には約212万ドルが割り当てられていました。

仮に昨年オフにQO案件と契約していた場合、ナショナルズは2巡目指名権とその順位に割り当てられた212万ドルを没収されることになります。
そしてドラフトでは差し引きで残った1,200万ドルのみで、ドラフト選手と契約しなければならなくなるということです。(仮の話です)


Jayson Werthのリーダーシップ

今note では頻繁にリーダーシップという言葉が出てきました。私を含めナショナルズファンは、ベテランのリーダーシップを求めているファンが多い印象です。そしてまた、多くのナショナルズファンがJayson Werth のようなベテランの再来を願っています。

Werth はフィリーズとナショナルズで長きに渡って活躍したスター選手でした。私は、Werth はナショナルズに勝利のカルチャーをもたらした存在だったと思っています。

2010年オフに7年契約でナショナルズにやって来たWerth。彼は最初のスプリングトレーニングで、フィリーズ時代とは違った光景を目にしたのです。選手たちが自分たちの仕事・プレーをちゃんとこなしていない姿。フィリーズでワールドチャンピオンを経験してきたJayson Werth には許容できない光景でした。

Jayson Werthは動きました。選手たちの中でも特に努力不足が見えていたNyjer Morgan を叱責。チームの問題児でもあったMorgan は開幕前にトレードでブルワーズへとトレードされました。

Werth のリーダーシップによって、ワシントンナショナルズというチームは、強豪チームへと生まれ変わりました。Werth はこの一件に関して、「簡単な決断ではなかったが、終わってみれば正しい判断だったよ」と引退後に語っています。

今のナショナルズにはベテランのリーダーシップが不足していると感じます。勝てるチームになるためには、かつてのJayson Werth のようなチームをまとめ上げるベテランの存在が必要なのです。


トリビア

Jayson Werth が保有する馬が、競馬の大きな大会で優勝したそうです。
おめでとうございます

トレードされたNyjer Morganでしたが、移籍先のブルワーズでは、チームをNLCS進出に導くサヨナラヒットを放っています

一方で、ナショナルズ時代にはけっこう有名な乱闘を引き起こした選手です。(下記動画の0:50くらいから)


最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今オフのストーブリーグも楽しんでいきましょう!


参考

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