CIVILSESSION 02: REPEAT
開催日:2017年3月18日
CIVILSESSIONはクリエイティブチームCIVILTOKYOのメンバーが様々な分野の方と行うアートセッションです。決められたキーワードを元に、発表者たちが一週間で作品を制作します。キーワード発表から一週間後にそれぞれの作品のプレゼンを行い、参加者の投票でグランプリを決定します。
第2回目のキーワードは「REPEAT」。
CIVILTOKYOの3名とゲスト参加者2名の計5名で行いました。
ゲスト参加者は以下の通りです。
原田俊(リサーチャー)
森田友希(写真家)
グランプリは森田友希に決定しました。
森田友希は自身の兄の経験から着想し、森田の兄が今でも頭の中で反芻する景色や経験を他人のフィルムなどを用いて、映写機で写真を投影したり、語りを多重録音したカセットテープを流したパフォーマンス作品を発表しました。
REPEATというキーワード自体が、直接的に手法としてできてしまう言葉であるため、参加者の捉え方に一定の規則性が出るのではないかと思われましたが、それを手法にしつつも様々な作品が発表されました。
杉浦は自身の顔を撮影し、何度も同じ紙で印刷する過程を作品にしました。
根子は「REPEAT」という文字を色々な方法でイラストレーター上で書き、重ねることで崩れていく様を作品にしました。
伊藤は「繰り返されるもの」としてレーザーディスクの盤面を複写し、作品によって違う線や反射を作品にしました。
原田はREPEATという言葉から日頃の習慣に考えを移らせ、世の中をよくしていく習慣をどのようにしたら人々に習慣づけられるかという様々な方法のプレゼンテーションを作品にしました。
①杉浦草介(デザイナー)
REPEATとは動作であり、このキーワードで作品を制作するにあたっては『「何を」REPEATするか』が重要になると思いました。作品制作に関わるものはできる限りシンプルに少なく、またその対象を選んだ理由は明快にしたかったので、REPEATする対象は制作主である自分にしました。
自分の顔写真を撮影し、その写真を一度A3で複数枚出力します。複数枚のうちの一枚はそのままにし、別の一枚ではその出力された紙を再度出力機のトレーに入れ直して同じ面に5回続けて出力を繰り返し、また別の一枚には10回、30回、50回と、出力をし続けました。
どういう仕上がりになるかは見るまでわかりませんが、これが自分で自分をREPEATした結果です。
②根子敬生(デザイナー)
オブジェクトのアウトラインを手動で反復してなぞり、偶然あらわれる形を体得するプロトタイプ。「Repeat」のセリフ体を30回反復。筆跡などのニュアンスを含むことなく「形」にフォーカスする為に、手描きではなくIllustratorを使用した。
③伊藤佑一郎(写真家)/レイザーディスク
繰り返されるものの差異を作品にしようと思い、複写のしやすさから大判のレイザーディスクにしました。鮮やかな色や年輪のようなディスクの模様がそれぞれの盤面に埋め込まれた全く違った物語を表現しているようで、その鑑賞回数や保存のされ方にも興味がわきました。
④森田友希(写真家)/Words create responsibility. At twelve years old I thought, responsibility.. responsibility was the word that came into my mind. On my way home from school, beside the forest.
兄の語りの断片から想像したイメージを捉えようと試みた作品。兄は12歳の時の経験を今でも頭の中で反芻するそうだ。私も彼のその経験を聞いてから、そのイメージが反芻するようになった。その繰り返し頭を通過していくイメージを多重に録音された言葉やプリント及びプロジェクションされた写真によって構成した。タイトルは兄の語りをそのまま抜粋し英訳した。
⑤原田俊(リサーチャー)/REPEAT〜受動的くりかえしへの抵抗
気がつけばコンテンツ消費を繰り返すスキマ時間を見直し、わずかでも社会的な生産活動を行っていくにはどうすればよいか。意見の異なる人々に行動を促す方法を共に考えるべく、対話型のプレゼンテーションを行なった。
* 次回はCIVILSESSION 03:「FIGHTER」の模様を公開します。