関西で土木学を伝える『CVV』
関西に『CVV』という団体があるのをご存じだろうか?
CVVとは,Civil Veterans & Volunteersの略で,HPには“シーブイブイと呼びますが,土木のぢぢいがブイブイ言わしている集団ではありません.”と注意書きがある.なんとも関西らいしいユーモアを感じる.
メンバーは退職技術者を中心に構成されており,活動内容は学童支援や土木遺産調査,若手技術者への技術伝承など実にバラエティ豊かである.CVVという団体として一つのことを行うのではなく,個々に興味のあることややりたいこと,得意分野等を活かしながら多彩な活動を行っている.グループに分かれて活動しつつ,定期的に開催される定例会にて進捗報告やイベントの人員募集,企画の議論などを行うスタンスである.ここでは,CVVの様々な活動や取組等を数回にわたってお伝えしていこうと思う.
CVVの主な取り組みは以下である.
【定例会】
1~2か月に1回定期的な会合を開催し活動報告および活動企画に関する議論,今後の活動方針や組織の在り方等について議論を行っている.
【土木遺産調査】
関西支部認定の浪速の名橋50選や学会選奨土木遺産を調査し、それらの施設を活用した市民見学会を検討している.
【支援活動(学童支援)】小学生に土木の楽しさ・素晴らしさを知ってもらうことを目的に学童保育において遊びの要素を加えた橋の模型づくりを行っている.
【技術継承の取組】
技術継承を目的とした学生や若手技術者対象の講演会や見学会を開催している.会員の経験や体験談を執筆した記事のデータベース化など活用方法の検討も行っている.
【学会・他グループとの協同】
地盤工学会関西支部 若手セミナーにて話題提供を行うとともに,幅広い視点から若手技術者や学生と情報共有を図っている.
【広報活動】
土木学会,地盤工学会,関西道路研究会などでの発表を通じて活動紹介を行うとともに,土木学会のインフラパートナーとなり他団体と交流している.HPの活用や「CVVな男たち・女たち」紹介パンフの作成・配布なども行っている.
CVV紹介の第1弾として,定例会の様子を少しご紹介したいと思う.成熟したシビルエンジニア活性化小委員会として,CVVの定例会に参加させていただいた.ことの発端は,地方で活発に活躍しているシニア技術者団体とコラボできないかということだった.まずは定例会にて,当小委員会(成熟したシビルエンジニア活性化小委員会)とゆる~くつながっていただくことを了承いただき,お互いに情報交換しつつ,活動内容を理解しそれぞれ紹介していこうということになった.その流れで,2023年5月の定例会に参加させていただいた.
まず,会場に到着し,人数と整った会議の雰囲気に圧倒された.もっとフランクな会議に参加するつもり(大変失礼な話であるが...)で足を踏み入れたことに少し後悔したものの,それぞれの企画の進捗報告を聞くにつれ,その活動の幅の広さとみなさんのモティベーションの高さ,熱い思いに引き込まれていった.自分たちでできることをやっているのだが,行政を巻き込み若手への技術継承のみならず,小学生を対象とした橋の模型づくりを行うなど幅の広さとバラエティの豊かさに思わず『へぇ~』という声が漏れていた.イベントにおいて人員募集の話があがれば,自分の得意分野等を活かし,次々手があがっていく.指名されれば,では と承諾する.組織というピラミッドではなく,自発的な団体というのはすばらしいと感じた.
定例会にて当小委員会での取り組みについて説明する時間を少しいただき, CVVをご紹介することを承認いただいた結果,無事にこのnoteの紹介記事へとつながっている.また,定例会後の第二の議論の場でも大変楽しいひと時を過ごさせていただいた.人の名前を出せば,ご存知の方がいらっしゃることも多く,世間は狭いと思うと同時に,土木という業界を通して,誰かと誰かがつながっていること,それらのつながりを通じてまた新たな出会いを生む魅力的な業界だと改めて感じた機会でもあった.紹介記事だけでなく,CVVと何か一緒にコラボレーション企画を模索したいと思うのであった.
しぶ