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社会福祉士に共通する専門性の理解

私は地域福祉の充実を担うソーシャルワーカーとして務めている。その中で感じるソーシャルワーカーの分野を超える専門性とは『哲学』と『実践』の両輪であると私は感じている。そして、『哲学』とは援助理論や法律、社会背景などのことであり、『実践』とはそれらを活用した援助技術や活動を指している。
 一方、私は担当している地域福祉を「人が自らの意思で日常生活を送ることやより豊かにする活動のこと」と定義し、前述したソーシャルワーカーの専門性を活かして行っている。そして、『地域福祉』の現場には老若男女を問わず、あらゆる援助を行う機会がある。一方で、私の職場においては介護保険制度における日常生活自立支援事業を担う生活支援コーディネーターとの連携も必要になる。また、日常生活自立支援事業の支援員も担っていることから高齢者や障害者の権利擁護の視点を持つ必要もある。非常にジェネラルな視点を求められる現場であると言える。
 地域福祉における相談援助は「働きたいけどどうしたらいいか(貧困や障害者支援の始まり)」「子育てって大変なんですよね(子育て支援や障害児支援)」「親の介護ってきついなぁ(高齢者支援)」などのような、世間話の延長線上のような何気ない訴えから福祉的支援が始まることが多い。それは裏返すと、クライエントの主訴が何で、ニーズがどこにあるのかをクライエントととのコミュニケーションの中で技法を駆使して情報収集するとともにアセスメントする力がなければ、素通りしてしまう可能性が非常に高い。その意味において、インテークからアセスメントの部部においては特に技術的な面での専門性が必要と思われる。加えて、支援計画を策定する段階においては、様々な制度を知り、色々な機関の役割と連携をする「つなぎ役」としての専門性が大いに必要になってくる。また、つなぐ先としてのボランティアグループなどをインフォーマルサービスの地域資源として日ごろからグループワークにおいて援助することが求められている。行政などのフォーマルサービスだけでは支援が限定的になり、自分らしい生活を送るためにはインフォーマルサービスの存在が欠かせなくなってきている。つまり、課題を持つ個人を支援するケースワークだけではなく、資源開発としてのグループワーク、それらを制度でさらに広げたり、援助の質を高めるソーシャルワークとワーカー自身がミクロ、メゾ、マクロと視点を広げつつ、それらの支援を繋ぎ合わせていくことが求められるのである。
 そして、それらの根底にはソーシャルワーカーの倫理綱領が土台にあることを忘れてはならない。なぜならば、倫理綱領をワーカー一人一人が援助の土台に据えることで、援助の質が担保されるとともに、社会福祉士の社会的信用度を高めることにつながるからである。ゆえに、専門性と倫理綱領は表裏一体のものと考えられる。

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