Storybox "場”と”時”をつなぐスマートたち③
こんにちは。
本日ピックアップするのは、オーストラリアのシドニーやキャンベラ(今後拡大予定)にて行われたスマートを使った市民参加型プロジェクト「Storybox」のご紹介をさせて頂きます。
まえがきは一部専門的な話が入るので、早く本題に入りたい方はスキップをお願いします。
*スマートって?と定義が気になる方はこちらへ。
まえがき
本日紹介させて頂くもの、またこれまで紹介させて頂いたスマートたちの事例も分野的カテゴリーでいくと、プレイスメイキング という言葉が最もよく使われます。(アメリカから派生したものになりますが、その定義や手法は各国の主要組織によってやや異なり、日本でもソトノバさんはじめ、都市戦略家、コミュニケーションデザイナーやランドスケープアーキテクトの方々がこの分野の普及を促進しております。)
ただ、行っている方々自体はその分野の中の活動としての認識を持っていない(そもそも、その分野と縁が無い/分野的に設定されているプロセスを踏襲していない)などの理由により、プレイスメイキングにカテゴライズしたくない/されたくない。みたいなこともあるかもしれず、私としては本人たちがプレイスメイキングと表現していないものに関して、プレイスメイキング事例と表現をするのは良くないのかもしれない。と思い、これまではこの用語を使用しておりませんでした。
今回の事例は、本人たちが全面的にDigital Placemaking(デジタルプレイスメイキング)と打ち出しているので、プレイスメイキング事例としてご紹介させて頂きます。
Storybox
Storyboxはキューブ型のデジタルサイネージを使用したプラットフォームで、そのキューブ内に様々なプログラムを組み込める仕様になっております。現在、種類は3種類あります。
プログラム内容やその作成方法は常に修正とアップデートを繰り返しているので、私が把握している時点での共有にはなりますが、これまで6つのプログラム(独自まとめ)を展開しております。
ニュースで取り上げられた映像
プログラム内容
① Tinystories
これは、事前にウェブサイトやInstagramなどのSNSを通じて、応募者自身とStoryboxが置かれる予定の場所との間にあるストーリーを募集し、そのストーリーを文字で流す。
というプログラムです。(文字数は120字以内の制限。)
② Indigenous
日本ではアボリジニとして表現されることの方が多いかと思いますが、オーストラリアがイギリスに奪われる前まで、その土地に暮らし支えてこられていた先住民の方の物語・思想/哲学・アートを共有するプログラムです。
ひとくちに先住民といっても、それは多種多様な民族の集合体としてひとくくりにされているだけであり、オーストラリアには数多くの民族の方たちが暮らしていました。
それをこれ以上風化させない為、今オーストラリアに住む人たちが歴史に対して責任を持つため、非常に大切なプログラムになります。
彼らの共通アイデンティティとして、その土地の生態系や自然環境は大きな意味を持つため、環境系のものも取り扱われております。
③ ABC Archives
ABCはAustralia Broadcasting Corporationの略称で現在、オーストラリア連邦政府の交付金で運営されている放送局です。こちらは、シドニーの新駅開設時にその土地を収録した過去のアーカイブ映像をABCと協力し放映したものになります。
④ Mood Ring
これはニュースの映像でキャスターもお話していますが、視聴者の気分をリングを活用して表してくれるというインタラクティブプログラムです。
QRコードを画面上に表示し、それをスキャンするとStorybox側が視聴者に聞きたい内容の質問が出てくるものになっております。
⑤ Creative Artworks
こちらもtinestories同様に応募型プログラムとなっており、パフォーマーがスポットライトを浴びれる機会を増やす目的で組み込まれているプログラムです。ジャンルは、私が見た範囲では、アブストラクト・アニメーション・ペインティング・写真・ショートフィルム・ダンス・その他パフォーマンスとなっております。
⑥ Social Inclusion
こちらは応募型ではなく、プロジェクトメンバーたちによるキュレーションによりつくられているインクルージョンを訴えかけるプログラムになります。
あとがき
本日は盛りだくさんでしたが、いかがでしたでしょうか?
なんとか省いていこうとは思ったのですが、、、
知らない。けど、知ろうとしている。
ただ知っている。よりは、理解している。
ただ理解している。のではなく、行動している。
そんな少しずつの歩みが大切なんだな。と感じるプログラムだな。と個人的には思っております。
気になる方は、Storyboxの公式webとInstagramをチェックしてみて下さい。
本日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。