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一緒に抜け出しちゃおうか、夏のせいにして(※ネタバレ注意※ マダミス『騎士と四季の姫君と』夏の姫にて通過)

 マーダーミステリー『騎士と四季の姫君と』、少々縁があって参加させて頂きました。7月下旬のことなので遅レポにも程がありますね、はい。
 そもそもマーダーミステリーとは基本あまり縁の無い、CoCメインのTRPG畑の私(と言ってもそっちもしばらくやれてない)ですが参加した経緯なんかを少々お話します。何でかって?ネタバレ満載の内容だからいきなり核心部分の記事が目に入ると困るからですね、はい。内容に触れる部分が多々ありますので、未プレイの方・これから通過予定の方は回れ右推奨です。お読み頂ける場合は何卒自己責任でお願い致します。
 実は正直に言うと私、先述の通りマダミスは片手で数える程しか経験がない上に、マダミス初プレイ時にはまさかの犯人役を引くというオイシイ運(その時はあまり笑えなかったけれど)を経験していまして、若干トラウマになったという過去がございまして。その際はとにかく話を壊しちゃいけない、周囲が楽しんでいる所を私がうっかり犯人情報喋っちゃったらどうしようと怯えて、緊張のまま時間が過ぎ、結果何とか犯人的には逃げ切りましたが「大丈夫でした?皆様ちゃんと楽しめました?」と心配と緊張が勝ってしまい、私はHOでキッチリ固めているものよりフリー感の強いTRPGの方が肌に合っているのかなと感じ、その後は全員顔見知りの友人限定卓で南極の某有名山脈に行っただけだったんですよね。
 そんな中で今回も友人と別予定の相談をしている時、マダミスメンバー募集をしているものの人が集まらずプレイヤー募集中とお話を頂き、個人的には補欠感覚で誰も捕まらなかったらお付き合いは出来ます……お手柔らかにお願いしますという流れで、初めましての方の方が多い中震えながら参戦させて頂いた次第でした。
 そろそろ文字数足りてますかね?では触れていきましょう。繰り返しになりますがネタバレ満載です。マーダーミステリーはシステムの都合上ネタバレを知ってしまうとそのシナリオのプレイが出来なくなります。未プレイの方はプレイ後にお読み頂くことを全力で推奨致します。

『騎士と四季の姫君と』のお話、始めて参りますよー


◆事前配役希望は何がいい?

 さて、マダミスと言えばまずは配役決め。事前に全体資料を頂き、春夏秋冬どこの国が良いか配役を第3希望まで提出してくださいとお話を頂き、ペアの相方さんと相談した内容がこちら。

相方さん「粗暴な振る舞いのRPはちょっと厳しいかなと思うので、秋の騎士以外ならどれでも行けそうです」
私「私も粗暴系は多分厳しいんで、お互いの幸せの為に秋避けますか」

 ……という消極的理由で、春夏冬なら順不同でどこでも良いですーという雑なチョイスでごめんなさい。騎士と姫の決め方もお互いどっちでも大丈夫だったので1d6を振って奇数が出たら相方さんが姫、偶数が出たら私が姫という何ともまぁTRPG脳な決め方をした結果。
 春:相方さんが姫、私が騎士
 夏:私が姫、相方さんが騎士
 冬:相方さんが姫、私が騎士
という流れに。33%の姫と67%の騎士、どちらが来るか後は神のみぞ知る。神の代行者GMさんに決めて頂きました。
 プレイ後に聞いたお話ですが、私がマダミス経験ほぼ無いということをご配慮頂いて、事件に集中出来そうな配役にして頂いたとのことで……お気遣いに感謝でした。ありがとうございました。

◆ここで33%を引くなら普段のガチャ運よ

◎OK、まずは素数を数えましょう

 『あなたは夏の姫です』……ん?あれ?姫?(目をこすってもう一度連絡画面を見る) 『あなたは夏の姫です』 OK、理解した、まずは落ち着いて素数を数えようか。というワケでごきげんよう、ワタクシ、夏の姫です。さて内容は……

 『貴方は探偵です。 今回の事件の犯人を突き止めようとしています』

何て?

『貴方は探偵です。 今回の事件の犯人を突き止めようとしています』 

 えーと、これ、主役なんです?(オロオロする)
頂いたHOに目を通しましょう。ふむふむ成程……うん、困ったな、思ってたのとだいぶ違ったぞ……
 全体資料で頂いた内容だと『凜とした雰囲気』『静かな存在感を放つ』『固い印象を周りの者に与えるかもしれない』とあったので、クールで落ち着いた雰囲気のお姫様をやろうと準備していたんですよ。まじめで毅然とした感じを想像してRP予定していたら「……あれ?だいぶ反対だな?」となって小一時間ほど頭を抱えるなど。
 や、確かに『他から見た印象なので実際とは異なる場合があります』的なことは書いてたね……粗暴ロールが難しそうで秋を避けたのだけど、思ったより喧嘩っぱやそうだなこの子……ここで性格の改変を決意。ごめんなさい。やりやすい性格の子じゃないと演技にいっぱいいっぱいで推理どころじゃなくなっちゃうので……かと言ってRPしないのは今回のシナリオの趣旨から外れる気もしたので私に出来る対応策でした。

とりあえずこの後お話したい内容についてポイントを纏めましょう。
 1.ヒナタという腹違いの兄王子がいる。
 2.ヒナタの背中に太陽のタトゥーがある。
 3.私は国王と愛人の間に生まれた子どもで、あまり愛されてなかった。
 4.戦争終結手段の政略結婚で、私は春の王子の嫁になるかもしれない。
 5.ヒナタ、私の結婚に反対。
 6.私を育てて愛情を注いでくれた乳母、結婚に猛反対。
これらが私の頭を抱えさせる要因になった主なHO内容だったかな……と。家族を奪われて云々的な流れがあったけど、登場した人物の中でもしもこの後出てくるとしたらこの二人なのかな……なんて思っていた、そんな時期が私にもありました。
 ヒナタは確実にがっつり関わってくるだろうなと思いつつ、乳母様は微妙だったんですよね、この時点では「敢えて書いてあるってことは何かあるのかなー、まぁ、話に向日葵が出てきたら気を付けろ何かあるぞ、くらいで思っておこう」なんてリアル脱出ゲームで培った『渡された情報はなるべく全部使おうとする』悪い癖がまさかあんなことになるなんて……この時の私は夢にも思っていなかったのです。

◎ちゃんとHOを読みましょう。

 HOを読み進めると夏の騎士が「着いたら別行動させてくれー」と言ってきたのでオイオイ護衛とはなんぞやと思いつつ、読み進めるとマントと仮面で顔や姿を隠した『シキ王』や他国のメンバーと会合するようで。
 ミステリに顔を隠したヤツが出てきたら別人を疑えってばっちゃが言ってた。ミステリ漫画をたまに読む程度の私は「はいこれ偽物ー」なんて決めつけていたわけですが……会合に春の騎士と夏の騎士おらんやないかーい!メインの目的がこの会合なのに不在ってあからさまに疑わしい行動を取るんじゃあありません。
 春の騎士さんはともかく、夏の騎士は『ペアマーダーミステリー』なんだし信じていいんだよね?と初心者特有の油断とヲタク特有のメタ推理もあり、実はこの時点で夏の騎士のことはあまり疑っていませんでした。「夏の騎士の行動が露骨に怪しすぎて逆に怪しくないwww」とか思ってたなんて言えない。「これでもし犯人だったらアレですね……2時間ドラマの推理物で
最初に血まみれのナイフ持ってた人物が犯人だったでござる感が強すぎるので、これは倒述ミステリーじゃないだろうから犯人候補からは割と初手で除外していいかな……」とか思ってた。メタ推理万歳。
 きっと犯人じゃなくて何か別の思惑で動いてるんだろうなと推測しつつ、例えその思惑が夏の姫にとって辛いことだったとしても、HOによると夏の騎士が国を救ってくれたのは事実なので、ちゃんと話してくれたら望みは叶えてあげたい所存、『夏の騎士は私にとって英雄であり』って言ってるくらいだし、妹みたいに接してくれたらしいし、『そんな彼と過ごす日々は、私にとって生まれて初めて、親しい人間と心置きなく過ごせる期間だった』まで言ってるから……夏の姫的には今の支えはヒナタより夏の騎士だと思うのね?と解釈していたので、逆に犯人だったらそれはそれで一緒に遺体を埋めに行くくらいの覚悟はしていました。(←あかんやろ)
「無責任にただ信じる」というよりは「例え悪だったとしても貴方に手を貸そう」のスタンスで接しようと思いつつ、ワンチャン夏の騎士がヒナタだったりしないかなとも思ってました。……何なら「部屋で脱がせないかな、刺青確認させーや」とか考えてました。

 この後各自の行動があり、色々あった結果、翌朝にシキ王の遺体が見つかるところから本編がスタートするようですOh…… そこのシキ王の遺体が実はヒナタだったりしたら嫌だな、夏の姫の情緒……とか内心草を生え散らかしてたんですよ。だってHOに『なぜか私にはその死体の素性が気になって仕方がなかった。シキ王に直談判しに行ったはずのヒナタの姿が唐突に思い起こされたのである。』とか書いてるんですもの。
 これめーっちゃ「ヒナタです」って言われてる気しかしない。「押すなよ?絶対押すなよ?」的な。伝統芸ですよ。行動開始1ターン目に「シキ王の遺体を脱がせます」と突然宣告することを考えていた夏の姫。やたら脱がせたがる痴女みたいだなぁ……なんて思っていたものです。

◆当日の探索とか他国の方々との情報交換

◎サマー王国は早々に大混乱。

 すぐに脱がせることは出来なかったものの、なんやかんやですぐにシキ王の遺体には『太陽の刺青』があることが発覚しました。頭を抱えました。ねぇこれ他国と情報交換してる場合じゃない、一旦与えられた自室に戻って呼吸を止めて一秒貴方真剣な目をして頭を整理させてくださいお願いします……という心境でしたが、後から聞いたら夏の騎士も同じような心境だったようで、サマー王国は早々に大混乱していました。
 それでも他国の皆様から情報を頂いていくと、半裸の夏の騎士を見かけたというお話を頂きまして。会合時不在だったりとか、頑なに単独行動の理由を話してくれなかったりとか、そもそも私の事をあんまり信用してくれてないなこの騎士?と思い、国内会議の時間で私は率直に尋ねました。

「会合の時のシキ王、貴方でしょう?何でシキ王のフリすることになったの、ちゃんとお話なさい、怒らないから」

 ……マーダーミステリーってこういうもんじゃなくね?本来何かこう、駆け引きとかして探り合いしていくもんじゃね?とか思った貴方、大正解です。……腹芸向いてないんです私。基本的にストレートの球種しかないんです。いいとこHスライダーかな。基本まっすぐしか出来ないんです、だから犯人役とかやらせちゃダメなんです。かと言って探偵役もダメです、基本閃かないので。人狼だと一番好きな役職は狐です、単独陣営独立遊撃なので成功も失敗も自分一人で完結するんで、場を引っ掻き回すのはさておき、勝敗に関して誰かに迷惑かける可能性が低いので気が楽なんです。
 ちなみにこの時点で100%確証を持っていたわけではなく、状況証拠からまぁきっとそうだろうなぁと思って半分はカマかけでもあったんですけど、結果としてこの判断は功を奏したようで、以後夏の騎士が協力してくれるようになりました、やったね。
 お話を聞いたら夏の騎士はスラム出身で、サマー王国では犯罪者の烙印である刺青が背中にあると……成程、刺青引っかけだったか。そりゃサマー王国を恨んでても仕方ない出自だよなぁと思い、シキ王とのラインがあったのも納得です。でも正体は知らないって。そりゃそうか、知ってたらマダミスにならんもんな……と自己完結。スラム街が出来上がるのって結局王国の政が上手く行ってない証明みたいなものですからね、夏の姫的には何一つ責められません。治安の良し悪しは王国の成績表みたいなものなんでね……そもそもスラム街を生んでしまった王族の責任です。RP的にはここまで言えれば上出来だったんですが実際に言ったかどうかは記憶にないですごめんなさい。録音しておけばよかったね。
 それでは改めて他の国の皆様から情報を頂きましょう、集めたら戻ってきて相談しましょーと、ウキウキ気分で部屋を出るワタクシと我が騎士。戻って来た時にお互い先程「なぁ……ヒナタはんタヒんではるわ……」と頭抱えてた以上の顔で戻ってくるなんて誰が想像していたでしょう。もうね、大混乱×大混乱ですよ。なんでこう情報の大洪水……と思いながらロクに整理も出来ないまま我が国はすごすごと自室に戻って来たのでした。

◎最終推理って……そもそも結論が出ていませんが何か。

 追い詰められていた私に出来ること、それはたった一つでした。夏の国の代表として、探偵役として、ここはもう……こうするしかありませんでした。

「GM……提案です。ここの自国相談の時間、10分の所を15分頂けませんか」

 泣き落としです。最低です。しかもお慈悲を頂き延長を許可して頂き、あーでもないこーでもないと騎士と相談するも、我が国の結論は「さっぱりわからねぇ……」でした。ちなみに本来この時間で、最終の推理披露を国単位でするのか個人単位でするのかも決めてくださいと言われていたのにそれすらも決まっていないダメっぷり。この夏の姫、探偵、向いてない。
 GMに「ではサマー王国、推理披露を行うのは国単位か個人かを発表してください」と言われ、「GM、質問です。それすらも決まらなかった我が国、どうすればいいでしょうか」と返す体たらく。変な度胸と芸人根性だけはあるのが困りものです。最終的には「この国の代表は私です。」ってHOでも言ってるし……と私が推理披露させて頂くことに。させて頂きつつも、途中で自分でも何を言っているのか混乱してきて「我が騎士ー、わがきしー」ってピーピー鳴いてる夏の姫でした。
 いえ、一応私なりに結論は出していたんですけど、確証が持てなかった上に8割メタ推理だったこともあり、結局無難な所で着地させて、ターゲットを発表、あとは各自の投票……という形に。詳しくは後述しますが、私は秋の騎士に投票をし、後はGMさんからの結果を待つだけ……となり、推理の正誤はともかくまずはやり切ったと安心していたこの時の私を軽く殴りたい。GMさんからこんなお言葉が届きました。

「最多得票者が同数で二人いますので、決戦投票を行います」

 ……嘘じゃろ?

「秋の姫と冬の姫で決選投票を行います」

 おおーい、それはつまり私の推理はずれてんぞーって言われたようなもので、マイクミュートにして大爆笑していました。
 探偵役wwwwww推理外してますけどwwwwwwじっちゃんが草葉の陰で泣いているwwwwwwwwww
 というか決戦投票この二人なの?個人的に凄く意外なのですけれど。
 ……や、一応言い訳させてください、投票先の候補は二人いて、感情面の問題から実はもう一人の方に投票したくなかった……という消極的理由で秋の騎士を選んだんです。もう一人の候補はちゃんと決戦投票にあがっていました。そうですよね……と覚悟を決めて投票。結末は後述のEDの項目で話すとして、ここでまた私のオイシイ運が発動していたようで、何とまぁ……という結末になりましたとさ。
 それでは各国の皆様との様子、そしてEDとオチをお話していこうかと。

◎スプリング王国

  ~ PL様  春の姫:そぞろさん / 春の騎士:ふろりーさん ~

 初めましてのお二人。そぞろさんは一途で純真でまっすぐな春の姫に相応しい、柔らかな物腰のお姫様でした。
 ふろりーさんも控えめで穏やかな騎士様で姫に寄り添う騎士の鑑のようで、朗らかな春のひだまりのようなスプリング王国にピッタリのお二人でした。お二人ともありがとうございました。

 状況証拠的には春の姫が実行犯だと中盤頃には決め打ちしていたので、大事なのは犯行に至った経緯なんだよな……と思いながら頭を整理。ヒナタがシキ王っていうのは流石にないよね?HO時点で『直談判してくる』とか言って国を出たんだし……ということは少なくともヒナタだと理解してやったワケでは無さそうなので、突発的衝動的犯行か、事故か、そんなところかしら……なんて思っていました。そんな中で行われたスプリング王国との対談にて。

 「秋の騎士、私の兄なんです」

 うぉぉぉおおいいい!?私の政略結婚の相手秋の騎士かーい!!この子私の義理の妹になる可能性あったの!?と飛んで来た巨大爆弾に頭を抱える夏の姫。何なら秋の騎士が他の国を攻めようとしてるというお話まで正直にお話して頂いて……後から見たら春の姫は私に「シキ王(の格好をしたヒナタ)をやったの、私です」と言おうとしていたみたいで、夏の姫がシキ王(本物)ではないと信用して頂けていたようでホッとしました。でもゴメン、貴女がやったって言われるより秋の騎士が春の王子って言われた衝撃の方が大きくて。夏の姫情報の渦に飲まれて混乱しました。ここで私の中で秋の騎士シキ王説に拍車がかかったのでしょうか……まんまと外しましたが。

 そして後半、ヒナタについて聞かれた時、実はやっちゃいました。「えーと、俺、また何かやっちゃいました?」とか言う余裕も無かったです、やっちゃいました。「実の兄のように接してくれて可愛がってくれて……」とうっかり答えてしまった私。

「え?実の兄『のように』?実の兄じゃないんですか?」

 ごめんなさい実の兄じゃないんです……タイムアップに救われましたが、これ私犯人だったらやらかしたパターンです。マダミスはこれが恐いの……そうじゃなくてもその重要情報を隠してたと捉えられたら一気に私が犯人候補に昇り詰めたまでありましたからね、citrusさんこういうとこホント良くない。

◎オータム王国

  ~ PL様  秋の姫:舞羽さん / 秋の騎士:ぞのさん ~

 こちらも初めましてのお二人。舞羽さんこそ私とは違い、凛とした佇まいで最後まで気高さを感じさせてくださった個人的MVPの姫様だったと思います……難しい役割の中お見事な圧巻のRPでした。
 ぞのさんには終始疑いの目を向けるようなムーヴになってしまったので申し訳ないと思いつつも、笑って打ち返してくれる器量の大きい騎士様でした。他の国と明らかに異色の役割なオータム王国、お二人が演じてくださったからこそ緊迫感と楽しさが共存出来るセッションになったんだと実感しています。お二人ともありがとうございました。

 姫が他国の騎士と密談する時間があって、真っ先に秋の騎士に「もしかして:シキ王さんではありませんか?」とg○○gle先生のような質問をしてしまう私。だから脳筋直球プレイはマダミスではないと何度もだな。
 国単位での密談時も秋の姫に「もしかして:女優さんではありませんか?」秋の騎士にも再度「もしかして:シキ王さんではありませんか?」と直球。「お二人を信じてお聞きするのですが……」と前置きしてそれを投げたもんだから、秋の姫様に「……全く信じていませんよね?」と返され内心爆笑する夏の姫。そりゃそう思われますわ。
 や、まぁ、見ての通り私は秋のお二人が女優&シキ王だと思っていたのでどうしようも無かったんですよね……『演じる』という点では「女優=シキ王」の線も考えていたのですが、感情先行で秋の姫に投票したくない理由が途中で産まれて、その線を避けてしまったというのが真意に近い気がします。それは何故か。
 私は元々自分で何か書く時もそうなんですけどフーダニット・ハウダニット・ホワイダニットの中でホワイダニットを重視するタイプで、whoを秋の姫、howは春の姫が行った行為を上書き……までは理解したものの、肝心のホワイダニットがどうも見えて来なくて。なのでホワイダニットがハッキリしていた秋の騎士さんの方を疑ったのもありまして。結局秋の姫のwhyって何だったの……?と思った時に一つの妄想に辿り着いてしまったのです。ヲタクすーぐこういう妄想するから良くない。

 「もしかして……女優さん、乳母様じゃありませんか?私のお母様ではありませんか?」

 向日葵が出てきたら気を付けろ何かあるぞ、とは思っていたものの向日葵は(まだ)出てきてません。や、女優さんが夏の王・王妃と一緒に映った写真があったとか言っててさ……色々考えているうちに、これ、秋の姫が女優さんでシキ王で私のお母様だったらホワイダニットが「もしかして:私 ではありませんか?」とか思っちゃったんですよね、私の政略結婚に猛反対していたし……お母様、私を守るために罪を……?なんて妄想していたものの、流石に妄想すぎてこれを言ったら「ははははは!実に面白い!!探偵さん、君は探偵より小説家になった方がいい!!」ってならん?(追い詰められたワケではなく本心から小説家推奨)と思って、TRPGじゃないんだからやめておくか……と思って止めました。
 これが多分推理発表前の「GM-!どこかの王族みたいに『3分間待ってやる!』って言って貰えませんか」って悪あがきしてた辺りの出来事です。蓋を開けたら……オチは最後に。もしこのシナリオをいつもの卓メンツでやっていたらワンチャン秋の姫に「私の妄想であれば、馬鹿な娘と笑って下さい。本当のことを話して頂けませんか……お母様?」くらい言って取れ高を狙ったかもしれない。あるいは姫同士の密談があったらもしかしたらやってたかもしれない。

◎ウィンター王国

 ~ PL様  冬の姫:ミミさん / 冬の騎士:エナペン氏 ~

 お姫様は初めまして。ミミさんは懐っこい雰囲気の冬の姫を上手く演じられながらも自身の意見もきちんと伝えられる自立した素敵なお姫様。
 エナペン氏は今回声をかけてくれた友人。自身が目立つよりもサポートに徹して誰かの物語を紡ぐ役割の冬の騎士はPCよりもGMを好むエナペン氏に適役だったのではないでしょうか。お二人ともありがとうございました。

 開始早々に冬の騎士さんに司会進行役をキラーパスしたのはいつもの悪ノリでした、ごめんね。や、制限時間のある中で「はい相談スタート!」って言われると何のお題も無いまま「フリートークしてください」感が出て、控えめな日本人の集まりだといたずらに時間が過ぎても勿体ないなと思ったので投げやすい所に投げたっていうアレでした。
 HO時点でシキ王の死亡推定時刻は冬の姫とずっと一緒だったので序盤からほぼノーマーク。ペンダントのくだりを最後に決め手として出してきた賭けは個人的に大好きでした。私はHOの都合上冬の姫を全然疑っていなかったので「そういう勝負好きですー」って心の中で応援していました。
 騎士さんとの密談時も「夏の騎士の刺青、太陽じゃないですお」とか重要情報をかなり出してくれたので私目線ではめちゃめちゃ白かったです。やっぱり雪国だからですかね(関係ない)。こちらからも「会食の時のシキ王、あれうちの夏の騎士ですすみません、理由あって成りすましていました。なのでうちの騎士、本物のシキ王じゃないです」って伝えたり、推理・意見もかなり近かったたりと、ウィンター王国とは何か友好関係を結べたような気が(一方的に)しています。

◎縁の下の力持ち、GMさん

 今回のGMにぃとさん、最初から最後までお世話になりっぱなしで頭があがりません。いつもの卓メンバーでセッションしているときはふざけて「GMはこの世界の神様だからGMの意見は絶対だよ」なんて言ったりしていますが、今回の物語は本当に展開が読めていたのでは?あなたが神か?と配役も驚くほど皆様適役で、没入感の高いセッションになったと思います。本当にありがとうございました。

◎最後まで我儘に付き合ってくれた我が騎士

~ PL様  夏の騎士:ぱんだちゃん ~
 TRPGでもマダミスでもPLの時はいつも暴走しがちな私(GM/KPの時も大概暴走してるけど)の、ボケにもシリアスにも乗っかってくれるぱんだちゃんが相方の騎士を務めてくれたお蔭で、夏の姫は本当に自由奔放に東奔西走して事件解決に集中出来ました。情報収集して二人して混乱しながら部屋に戻ってきた自国会議第一声の互いの大混乱っぷりは忘れませんw
 自身も中々に頭を抱えるHOだったであろう中、支えてくれて本当にありがとうございました。

◆エンディングと事実は小説より何とやら

◎そんなことある?

 これはEDの後に聞いたお話ですが先に公開。GMさんから衝撃の一言が届きました。

「実は決戦投票でも同数だったんですよ。この場合どうなるんだろうと探した結果『夏の姫が投票した方』を最多得票者とするとのことでした」

 ええええええええ……知らないうちにすっげぇ責任重大なことになっていたですよ……結果論とはいえ私の意見で決まったってことじゃないですかー……恐っ。という訳で、決選投票での私の投票先は『秋の姫』でした。私は『秋の姫』or『秋の騎士』だったので、決選投票の二択に冬の姫が挙がったのは正直驚きました。
 投票理由はそもそもの候補が消去法で行くとオータム王国しかないんだよなぁ……直感も大きいけど……って感じになって、騎士か姫かどっち?って時に、先述のように「投票したくない方に投票しなかった」なので、最初は秋の騎士に投票した流れでした。何故かって?それをお話するにはHOを読んだ時の話に戻ります。
 先述の通り秋の姫=乳母様=女優さん=お母様だったら面白いんだよなぁと思っていたので、断罪したくなかったんですよね……夏の騎士の話とも重なるんですけど、もし本当に秋の姫がお母様だったら、彼女もサマー王国の王族の自分勝手な振る舞いに巻き込まれた被害者なんですよね。だったら、ここで追放とか処刑とかじゃなくて、本人が望んでさえくれるのであればサマー王国に戻って頂いて、お互いに罪滅ぼしをしながら協力し合って今後のサマー王国を支えて頂くのが筋でしょう……と夏の姫的には思いましたので。断罪するのははまず彼女がこの後こちらに来る意思があるかどうかを確認してから、その後じゃないと筋が通らないと思ったんですよね。彼女の意思を聞いた上で、あくまでシキ王としての矜持を貫いて決別するのならば、それは仕方がない、それならばせめて処刑は、命を奪いそれを抱える役目は私が担うべきでしょう……それがサマー王国の王族としての責任です。
 ……とまぁ、あの一瞬でここまで細かく考えていたワケではないですが、概ね心境としてはこんな感じでしたね。なので、決選投票になったのは私の葛藤が見抜かれたかのようでちょっと震えました。……そうだよね、感情を優先した結果真犯人以外を断罪してしまうようなことは許されなかったんでしょう……当たり前なのにね、ままならないね。この葛藤があったからこそ、個人的にはエンディングに重みが増したなぁと思っている次第です。

◎辿り着いたエンディング

 頂いたのはED03。秋の姫が読み上げるEDということで、まず事件の真相には辿り着いたということでした。順当な内容に耳を傾けつつ「やっぱり悪人ってワケではなくて、正義の敵は別の正義という悲しい事件でしたか……」などと思っていた矢先、私の心を搔き乱す言葉が。

『最後に彼女――娘と言葉を交わしたかったが、』
『最期の瞬間、最愛の娘の顔を見られただけで満足しておくべきだろう。』

 ……え、待って。何かそれさっき妄想していました。え、嘘……いや落ち着け、まだ私と決まっていない、秋の姫以外に女の子はこの場に3人いる。断言はされていない……ね。そう思いながら読み上げが終わり、EDを読了。切ないEDでしたね……と思ったのも束の間。

「では次のエンディングです」

!?

 エンディングが一つだけだなんて誰が言いました?と言わんばかりの展開。マダミス経験の浅い私はフラグ次第でEDが複数配られるなんて知らなかったんです。そんな私の動揺などお構いなしにED10が届きます。

 ―――!!??

落ち着いて行こう。

 そしてGMさんが読み上げる一言。
「Knight部分を夏の騎士が、Princess部分を夏の姫が読み上げてください」

落ち着けなかった

 動揺を隠しきれないまま内容を確認。あ、サマー王国の後日談ですね了解です。あぁよかった夏の騎士と上手くやれてるのね、ちゃんと国政してるのね夏の姫……頑張れ頑張れ。

「では次のエンディングです」

 oh……まだあるのね、OK。続いてED12、秋の騎士が読み上げる内容でした。成程、各国の様子後日談が順に来るんですかねーなんて思って聞いていました。色々な想いが交錯していた事件なので、確かに「真実に辿り着いたのではい解決!」という訳にはいかないもので。ホワイダニットに惹かれる私としては、各PCの事件後の心境を聞けるのは嬉しいものでした。成程秋の騎士はこういう想いで行動していたのね……と思いつつ、結局秋の姫=シキ王のホワイダニットは恐怖政治とはいえ戦争の終結ってことだったのかしら……そもそもどうしてそういう考えになったかまでは判らないのかしら、等とぼんやり考えていたら読了、そしてGMから「では次のエンディングです」とお言葉を頂き、じゃあ次は春かなー、冬かなーと思っていた私の手元に届いたのはED14。

「全文、夏の姫が読み上げてください」

 ―――!!??
 素で「えっ、私!?」と声が漏れました。出番が終わったと思っていたので完全に油断していました。

こんな心境

 恐る恐る内容に目を通しつつ読み上げを開始する私の声、後半震えていませんでしたか、大丈夫でしたか。だって途中で思ったんだもん。

 この『1人の姫』って私かーーーーーー!!!!!

 そのまま音読を進めていくとね、どんどん確信に迫って行くわけですよ。あぁやめて、この流れ、妄想とリンクしてる。そんな中で最後に読むべき文章。それは―――

『それは太陽のようによく輝く、夏を彩るあの花だった』

 ここで向日葵出てくるんですか……やっぱり本人も気付いちゃったか。私も「もしかしてそうかなぁ……」と妄想するくらいでしたから、PCはもっと気付くよね……墓前に向日葵を添えるって言うことは、そういうことだよね……奇跡の一致。根拠とか確信とか全然無くて、HOで敢えて出てきたから頭の片隅に置いておいて、その上で直感と妄想で「こうだったら面白いよね」なんて思っていた内容が当たってるとは思わないじゃないですかー、やだー……夏の姫に随分と思い入れが生まれてしまいましたね。はい。

◎最後に。

 これが真相なら本当に言ってみればよかったかな、「私の妄想であれば、馬鹿な娘と笑って下さい。本当のことを話して頂けませんか……お母様?」って取れ高狙いのセリフ……と思わなくも無いですが、後悔とかは無いです。サマー王国的にはEDを結構回収出来たので、むしろ私にしてはよくやった方じゃないかしらと思っています。
 もし言ってたらED変わってたのかなーなんて、そこは気になるところですがそれはまた、私ではない別の夏の姫の物語なのでしょう。いっそGMとしてその物語に出会ってみたい気はしますが、それは私には高望みだと自覚はあるのでTRPG畑に帰ることにしようと思います。しばらく帰ってないから今どうなってるか判らないけどな!HAHAHA!
 気が向いたら大元のシナリオを購入して全てのEDを確認した上で夏の姫視点でのSSを書いてみたいなぁとも思わなくもないですが、この記事の約13,000文字を書くのに3日費やした私がそれを完成させる日など来るのでしょうか。書きかけのシナリオも、作りかけのリプレイ動画も、ライブやアニメ視聴レポもロクに完成させないで漬物状態にしている私が。まぁ言うだけはタダなので、気が向けばいつかやるかもしれないということで、何はともあれ楽しい世界のひとときを案内してくれた夏の姫に感謝を。

◎夏の姫と私。

  ~ PL  夏の姫:citrus ~
 考えてみればcitrusは柑橘類の総称で旬は冬なので思いっきり真逆の季節ですわね……でも私は夏生まれなので許してください。
 まずは本当にありがとう、そして上手く動かしてあげられなくてごめんね。どうしても中の人が色濃く出てしまい、推理に関しては本当にポンコツ姫になってしまいました。夏の騎士と同じく出自が複雑で色々と苦労して来た子なんだろうなと思ったので、ちょっと達観しているもののクールを装ってなるべく凛とした雰囲気出そうと頑張っている性格、とイメージして演じたので、シキ王に食って掛かったような激情家の一面は出してあげられなかったけれど、他人の事を慮ることができる言動や優しさと、自分が傷つくことは省みず何事に対しても体当たりで正面からぶつかっていくような、誠実な夏の姫の姿が少しでも表現出来ていたなら幸いです。

◎ご紹介

 一緒にプレイして頂いたPLの皆様、回してくださったGM様、そしてここまでお読み頂いた方、ありがとうございました。
 そして何より、素敵な作品を生み出してくださった製作者様と、出会えた機会に感謝を。ありがとうございました。

~~~ 騎士×姫ペアマーダーミステリー「騎士と四季の姫君と」 ~~~

制作:せきらら工房 様


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