パスタを食べて感極まった話
一般的にはつわりの終わりがみえる時期のはずなのに、一向に元気にならない。
赤ちゃんに栄養を吸われているのか、おなかがすくと一気に食べつわりのような症状がでて血の気が全身から引いて鳥肌ガタガタぶるぶる。
朝起きて、今日こそはと思う。
夜、今日もダメだったかと絶望する。
必ず終わりは来る、けれど現在進行形で辛い。
そんな2か月以上を過ごしてきて今朝も、朝4時から七転八倒していた。
お昼前になり、一気におなかがすく。
ふと、パスタが食べたくなった。
近所にイタリア地方料理の名店がある。
リーズナブルで美味しくて、イタリア人のシェフが作る、ウェイターさんの所作がかっこよくて、飛び交う言葉も音楽もイタリア語。
イタリア語をかじったことのある私はその異空間も大好き。
ひしがたの薄いショートパスタ、パンタッチェにえびとひよこ豆がピリ辛塩ソースであえてあるメニューを選んだ。
1人前のご飯なんて、外食なんてもう3か月近く食べることができていないので、全部残したら、吐き戻したらどうしよう、と緊張する。だから、少しパスタを減らしてもらった。
一口食べて、えびのうまみがうわゎーっと口に広がり大好きな唐辛子のからみが遅れてぴりっとくる。
美味しくて、美味しくて。
今まで日本のちょっとお高いイタリアンもいったし、イタリアで、フランスで、住んでいた米国で。たくさんの本格的なおいしいパスタを食べてきたけれども。
本当に、世界一美味しかった♪
一気に食べた。
一人前食べれることの幸せ。ご飯が美味しいと感じる幸せ。
そう考えると、ぶわっと涙が出そうになり、怪しい客になるのを必死に抑える。
アメリカ人のように関西のおばちゃんのようにぺらぺらとその思いをお店の人に伝えて去る妊婦。(笑)
今日は一つの記念日になりそう。
夫と、息子と、おなかの豆ちゃんとまた通おう。