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年金の一部は運用で増やされている!その仕組みと効果

給料から天引きされる「年金保険料」がどのように使われているか、詳しく知っていますか?

実は私たちが納めた年金保険料の一部は、資産運用によって増やされているんです。しかし、こうした仕組みを知っている人は意外と少ないかもしれません。

この記事では、公的年金制度の基本と、その資産運用の仕組みについてわかりやすく解説します。



公的年金制度の基本

日本の公的年金制度は、すべての国民が加入する社会保険制度です。主に次の2つの年金があります。

  1. 国民年金(基礎年金)

すべての国民が対象で、20歳から60歳までの間に保険料を納めます。老後には「基礎年金」として受け取れます。

  1. 厚生年金

会社員や公務員が加入します。基礎年金に加えて上乗せの年金を受け取れる仕組みです。保険料は会社と従業員で折半されます。


年金はどのように管理されているの?

公的年金は「賦課方式」で運用されています。これは、現役世代が支払った保険料を、その時点での年金受給者に充てる仕組みです。

さらに、将来の年金財源を確保するために、積み立てた年金の一部は「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」によって資産運用されています。


年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)とは?

GPIFの役割

GPIFは、公的年金の積立金を効率よく運用し、将来の年金財源を増やす役割を担っています。これは、長期的な安定性を保ちながら収益を上げることで、年金制度の持続可能性を高めるためです。

GPIFの資産運用の仕組み

GPIFが運用する年金積立金は、リスク分散のために以下の4つの資産に投資されています。

1. 国内債券(25%)
安全性が高く、安定した収益を確保することを目的としています。

2. 国内株式(25%)
国内企業の成長を取り込み、収益性の向上を目指しています。

3. 外国債券(25%)
為替リスクを抑えながら、国際的な分散投資を行っています。

4. 外国株式(25%)
グローバルな経済成長を反映させることで、収益を最大化します。

このように、GPIFは資産を多角的に運用することで、安定性と収益性の両立を図っています。
また、環境・社会・ガバナンス(ESG)要素を考慮した投資方針も採用しています。

ESG投資にも注力

GPIFは、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)を考慮した「ESG投資」を推進しています。これにより、持続可能な社会の実現と長期的な収益向上を目指しています。


年金の資産運用がもたらすメリット

年金の積立金が資産運用されることで、保険料だけに頼らず年金財源を確保できます。また、運用益が将来的な年金給付の安定化につながります。

例えば、GPIFの2023年度の運用成績では約10兆円以上の収益が生まれています。この収益があることで、私たちの年金制度の負担が軽減されるのです。


年金制度への理解を深めよう

給料から引かれる「年金保険料」が単に使われて終わりではなく、運用されて増やされていると知ると、年金制度への見方が変わるのではないでしょうか?

知らないと漠然と不安に思う年金制度ですが、その仕組みを知ることで将来への備えを理解できます。これを機に、年金制度や資産運用についてもっと関心を持ってみてはいかがでしょうか?

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