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あなたの給料、どこに消えている?税金と控除の仕組み

給料日は嬉しいものですが、もらった給料明細をしっかり確認していますか?「額面」と「手取り」を見るだけで終わっていませんか?そこにはあなたの収入と支出の全体像を知るための大切な情報が詰まっています。今回は、給料明細で注目すべきポイントや、引かれる税金の具体例について解説します。



1. 「額面」と「手取り」の違いを理解しよう

額面:基本給に残業代や手当(交通費、住宅手当など)を加えた「総支給額」。会社が提示している給料です。

手取り:実際に口座に振り込まれる金額。額面から税金や保険料が引かれた後の金額です。

たとえば、額面30万円の人の場合、手取りは22〜24万円程度になることが多いです。この差額がどこで引かれているのか確認してみましょう。


2. 給料から引かれる項目と割合

給料明細に記載される主な控除項目は以下のとおりです。

(1) 所得税
所得税は累進課税制度(収入が多いほど税率が高くなる)で計算されます。

課税対象額に応じた税率:
年収330万円以下:約5%
年収330〜695万円:約10%

例:月額25万円の場合、所得税は約5,000〜8,000円程度。

(2) 住民税
前年の所得を基に計算され、一律10%程度が課税されます。地域によって多少異なる場合があります。

例:月額25万円の場合、住民税は約2万円前後。

(3) 健康保険料
医療費負担を軽減するための保険料で、額面の約10%程度が引かれます。健康保険組合や地域によって異なります。

例:額面30万円の場合、健康保険料は約3万円。

(4) 厚生年金保険料
老後の年金に備えるための費用で、額面の約18%(会社と従業員で折半)。そのうち約9%が引かれます。

例:額面30万円の場合、厚生年金は約2.7万円。

(5) 雇用保険料
失業や育児休業時の支援のための保険料です。現在の料率は**0.6%**程度。

例:額面30万円の場合、雇用保険料は約1,800円。


3. 給料明細で注目すべきポイント

給料明細を見るときに、以下の点をチェックしましょう。

税金や保険料が適切か確認
控除額が多すぎる場合、計算ミスや扶養控除の申告漏れがないか確認を。

手当が正しく反映されているか
通勤手当、残業代などが漏れなく記載されているかチェックしましょう。

控除後の手取り額を把握
手取り額が額面の70〜80%程度になっていれば適正です。それ以下の場合は、控除内容を詳しく確認してみましょう。


4. 家計管理に役立てよう

給料明細を活用することで、効率的な家計管理が可能です。

節税対策を検討
ふるさと納税:住民税の控除を受けられる。
・iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が所得控除の対象になる。

家計簿をつける
明細を基に、収入と支出を整理し、固定費(家賃、保険料など)と変動費を把握しましょう。


5. 昇給時の注意点

昇給しても、所得税や住民税が増えるため、手取り額の増加幅は想像より小さい場合があります。たとえば、月額3万円昇給しても、実際の手取り増加は2万円以下になることが多いです。


まとめ

給料明細は、あなたの収入と支出を把握するための重要な情報源です。ただ確認するだけでなく、税金や保険料の内訳を知ることで、将来の資金計画を立てやすくなります。次の給料日には、ぜひ明細をじっくり確認し、自分の働きの成果がどのように分配されているのかを把握してみましょう!

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